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慟哭の時  作者: レクフル
第1章

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ランクアップの弊害


街に戻ると、もうすぐ日が落ちると言う時間になっていた。


早速ギルドに向かい、魔石や素材を換金する。


空間魔法を使えるものはあまりいないらしいので、持っている鞄の中に手を伸ばし、いかにもそこから取り出した様に空間魔法を発動し、素材買取りカウンターへと置いていく。


その際、もちろんギルドカードを提出するのだが、そのカードと持ち込んだ素材を見て受付の娘が



「これだけの量の魔石や魔物を、今日1日で?!でも、Gランクなんですよね?!」


と、ビックリした顔で、何度もギルドカードと素材を確認しながら聞いてきた。



「確かにGランクだが、盗んだりした訳ではないよ?」


「いえ、そんな事を疑ってる訳ではないんですが、これならすぐにランクアップ出来ると思いますよ?」


「いや、それは良いんだ。しがない旅人なんでね。ランクアップには興味がないんだ。」


「そうなんですか?

上のランクになるほど信用も得られますし、そうなれば素材も、もう少し高めに買い取る事が出来る様になりますよ?」


「それでも構わないよ。冒険者として生計をたてている訳ではないしね。」


「……分かりました。 では計算しますので、お待ち下さいね。」


そう言った顔には『勿体ない』と言う表情が見てとれる。


私の事を思っての事だろうが、あまり目立ちたくはないのだ。




ギルドカードを持っていると言うことは、そこに登録していると言うことだ。


国を跨いでもこの情報はギルド内で共有されるので、ランク上位になればどこに行ってもすぐに身元が分かってしまう。


その冒険者の特性等が分かると個人的な依頼もしやすくなるので、ギルドも情報を一般に開示している。

その方が冒険者にとっても都合が良い事なので、情報開示に殆どの冒険者は何も言わない。


何か言うとすれば、犯罪者や裏の稼業をしている者だろうが、そんな事を言えば怪しまれて自らの首を閉めることになるので、そう言う者はギルドに登録しないか、偽名を使って顔を分かりにくくして登録するのだ。




そう思うと、私のランクアップしないと言う行動は、犯罪者と疑われる事もあるかも知れないな。




そんな事を考えていると、


「お待たせしました!」


と先程の受付の娘が買取り額を持ってきた。


「素材のオークの処理が凄く丁寧で完璧だったので、高く買取りさせて頂きました!

魔石と合わせて、こちらの金額になります!」


そう言って、大銀貨1枚、銀貨3枚、大銅貨1枚を差し出した。



因みに


小銅貨1枚は、パンを1つ買える程の価値。

小銅貨10枚で銅貨1枚。

銅貨5枚で大銅貨1枚。

銅貨10枚で銀貨1枚。

大銅貨2枚でも銀貨1枚。

銀貨5枚で大銀貨1枚。

銀貨10枚で金貨1枚。

大銀貨2枚でも金貨1枚。

金貨10枚で白金貨1枚。

大金貨2枚でも白金貨1枚。


となっている。



「ありがとう。」


と微笑んで、トレイに乗っている金を受け取った。


「またお待ちしております!」


そう言って娘は満面の笑みで手を振っていた。

客商売に向いている娘だ。



さぁ、今日の夜は「風見鶏の店」に言って食事でもするか。




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