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慟哭の時  作者: レクフル
第4章

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どこにでもある闇


翌朝になって目が覚めた。


よっぽど疲れていたのか、あのままぶっ通しで眠っていたようだ。


横には、レクスがまだ眠っていた。


しかし、レクスの体が少し薄くなっている。



「レクス?!レクス!」


驚いて、レクスを呼ぶ。


レクスは気がついて、私を見ながら


「おはよう、アッシュ。」


と、微笑んできた。


見ると、レクスの体は元に戻っていた。


私が呆然とした顔で見ていると


「ん?どうしたんだ?」


「え?いや、うん、何でもない。レクスもよく寝たなって思って…」


「そうだなぁ。寝る必要はないんだけどさ。最近ちょっと眠たくなるかな。」


「そうか。じゃあ、これからはまた一緒に寝よう?」


「え!…う、うん……」



今のは何だったんだろう……


見間違いだったんだろうか?


それだと良いんだけれど……




服を来て食堂に行く。


そこには目を腫らしたおかみがいた。


心配で堪らなかったんだろう。


朝食を食べて、それから街を歩いてみる。


王都はやはり人が多く、とても賑わっている。


それでも一本横道に反れれば、スラムの様な雰囲気を持つ場所も少なくない。


城から離れれば離れる程、治安は悪くなっていってる様だ。


それはどこの国も似た様な感じだ。


きらびやかな街の裏側では、その日食べる物もなく、強盗や身売りするしか生きていく術がない弱者もいる。


それらを全てどうにかする事は出来ないが、せめて私の力で出来る事があるのなら、それに力を貸すのは何も難しい事ではない。


そう考えながら、ギルドまでやって来た。


ギルドに入ると、酒場にはエリアスがいた。



「よう!アシュレイ。体の調子はどうだ?」


手を上げてエリアスが聞いてくる。


「エリアス。昨日は悪かったな。」


エリアスの元まで行って、同じテーブル席に座る。


「ちゃんと飯は食ったか?ゆっくり眠れたか?」


「エリアスは私の母親か?!」


そう言って思わずクスクス笑ってしまう。


「なんだよ!人が心配してんのによ!」


「まぁ、そう怒るな。」


言いながら、まだクスクス笑っていると、その様子をじっとエリアスが見ている。


「ん?どうした?」


「あ、いや、何でもねぇ!」


また私から顔を反らす。


「そうだ、エリアスに聞きたいことがある。王都でも人が拐われたと言う事は聞いてるか?」


「え?あ、いや、まだここら辺では聞かないな。なんでだ?」


「宿にある食堂のおかみの娘が、3日程前から帰ってきていないらしい。15歳だから成人しているし、気にする程でもないかも知れないが、おかみがとても心配していてな。」


「まさか王都にまであいつら!」


「まだ何の確証もないから滅多な事は言えない。でも、可能性はある。拐われた者達も心配だが、その身内の気持ちを考えると居たたまれない。」


「そうだな…」


「エリアスは昨日、私となら『闇夜の明星』を撲滅できると言っていた。どんな策があるんだ?」


「いや、この話はやめよう。アンタを巻き込むつもりはない。」


「私の事は気にするなと言っている。」


「まだ体は万全じゃねぇんだろ?そんな奴に手を借りれるか!」


「私は大丈夫だ!」


「俺が大丈夫じゃねぇんだよ!」





少しの間、沈黙が走った。





「……何が大丈夫じゃないんだ?」


「あ、いや、その…何でもねぇ……」


「とにかく、エリアスはどうやって撲滅しようとしていたのか、それを教えてくれないか。私もまだどうするか決めた訳でもなんでもない。」


「分かったよ……」


渋々エリアスは語ってくれた。







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