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ゼフィルス、結婚は嫌よ  作者: 多谷昇太
第一章 チェリッシュ
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10年前へと…

「やあ、またお会いしましたね。サンドイッチでも食べようと思って入って来たら、またあなたにお会いできるなんて。ははは、これはラッキーだ。ところであの、お仲間は…?まさか、あなたお一人ですか?」という粋なバリトンの声に惑香が目をあげると、彼女をやさしげに、また愛でるように見つめている義男の笑顔がそこにあった。惑香が彼と会うのはこれで何回目だろうか。惑香始め総勢5人のゼフィルスの会の面々が音楽コンサートなどに行くたびに、どういうわけか、そのコンサートの合間、もしくは終了後のロビーなどで、彼女たちが歓談している時などに彼は必ずあらわれた。偶然に来合わせた風をよそおってあらわれるのだったが、それが何回もかさなると誰かを目当てに…?と勘繰りたくもなるのが人情だ。彼女たちがいつ、どこの、誰のコンサートに行くなんて彼にわかるはずもなかったからだ。その日はマドンナの公演が日本武道館で行われ、ふだんからマドンナに傾倒していた彼女たちは、熱狂的なミーハーたちにまじって年甲斐もなく(?)入れ込んでいた。特に美枝子が。彼女は惑香たち5人からなるゼフィルスの会の統領で、仕事はプロのショーダンサーだった。その統領の美枝子が26で、他の面々、学校の教師の基子が28、惑香と同じOLの麦子が25、フードコーディネーターの恵も25だった。惑香は24才で最年少だったが「惑香が一番大人びている」とふだんから美枝子に云われていた。ゼフィルスの会の何たるかはのちほど語ることにしようが、とにかく、その日の公演の合い間、ロビーのソファに腰掛けて興奮醒めやらぬままに彼女たちがマドンナを語り合っていた時に、またしても義男は現れた…。

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