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戦場のラグナロク  作者: 荒家 守
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人外の証

  波がザーッザーッと音を立てる。波と波がぶつかり合い渦を起こす。窓から見えるはずのそんな風景を頭の中で想像する。おれの席は廊下側だから窓からの様子は空模様しか見ることができない。今日はよく晴れて太陽がサンサンと輝いているようだ。


  ここは「野羽市」という四方を海で囲まれたかなり大きい街だ。人口は約六十万人、高層ビルが立ち並び山などは全く見られない。特産物はもちろん海産物で港に行けば数十隻もの漁船が観察できる(したところで何になるのかと言われれば何も返せないが……)

 

 それはそうとして現在の授業は嫌いな方に入る歴史、クラスのみんなが騒ぎながら授業に参加している。しかし今は五時間目で昼飯を食い終わり眠気がピークに達する時間帯である。襲いかかる睡魔は非常に強力で必死の対抗も虚しくおれや何人かのクラスメイトたちは少しずつ深い眠りの中に落ちていく……

 

  騒がしさがより一層激しくなったと思い顔を上げるとどうやら授業が終わり、クラスメイトたちが和気あいあいと喋っていた。どうやら先生はおれを起こさなかったようである……というか声をかけたくなかったのだろう。何しろこの見た目だ、怖がるのも当然といったものである。髪はショートに黒色、肌は黄色人種そのものだが、教師が怖がっているのはそこじゃない。実は首筋というか胴体から一本の黒い刺青のようなものが目の辺りにまでのびているのである。そんな堂々と刺青をいれてる奴がまともな筈がないだろう。誰だってそう思う。言ったら変だがおれでもそう思う。なんでこんなものを……と毎度ながら思ってしまう。


  おれが次の授業が数学ということを思い出して準備をしていると斜め後ろからヤッホー、と陽気な声がかかる。(またか……)と心の中でうんざりしながら振り返ると

 

  ゴン!と音が体の中で響き、衝撃でおれの体は壁にぶつかり椅子から落ちる。

  「痛ぇ!?」

 殴られた頰をさすりながら見上げるとそこに居たのはロン毛で三白眼というとにかく目立つ格好をしたクラスのムードメーカー藤原伸也だった。刺青ヤローを殴るんだから相当なメンタルを持っているのだろう。つまりこいつが殴れるのはおれだけではない。気に入らなかったら殴る。そんなやつだがおれを殴る理由は気に入らなかっただけではなくもう一つの理由がある、その理由をあかすかのように伸也はこう言った


「……人間モドキがこんなところに来てんじゃねーよー♪」


  こういうことだ。おれは人間ではなく突然変異種ミュータント。さっきの刺青のようなものおれが自分の意思で入れたのではない。これは生まれつきの、人外として刻まれた証だった。

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