一話 早起きは三文の得・・・んqのか?
青空に雲ひとつな晴天。そこに風が静かに流れる
オレはそんな爽やかな風で目を覚ました。
今日も一日いい日になりそう・・・そんな言葉はこんな日に言う言葉なのだろう。
オレはまだ起きない頭で階段を下りて、キッチンまで行った
「あれっ、柚今日は早起きなのね」
「まぁね。なんかいい天気だったし」
冷蔵庫から牛乳を取り出し、いっきに飲み干す
「じゃぁ柚くん。母さんいま手が離せないからゴミ捨てに行ってきてくれないかな?」
にこっと母さんは笑いながらオレを見る。
いつもなら嫌がるオレも、今日は天気が良かったから
「いいよ。でもちょっと遅くなる」
気分転換に散歩でもしながら行こうと思った
「ありがとう。やっぱり柚くんはやさしい♪」
「はいはい。ありがとさん誉めてくれて」
オレは急いでゴミを持って玄関を出た
*
「きっもちぃぃぃ♪」
すぅっと大きくオレは息をすった。涼しい風が肺の中に通る。
そういえば・・・こうやって散歩するなんて久しぶりだなぁ。たしか最後にした時は・・・・いつだったけ?あぁ・・オレの記憶って・・・こんなにも脆いだ・・・ハァ
えーと・・・たしかごみ捨て場って・・この角を右で・・・あった
ゴミ捨て場までたどりつくと、オレは両腕にある、生ゴミ(けっこう臭い)を急いでネットにかぶせてたち去った
ゴミ捨て場は二つの仕切りによって分かれていて、赤のネットが生ゴミで、黄色いネットが燃えるごみ、燃えないごみなのだ
オレはふと、黄色いネットのそばにおいてある新聞紙につつまれて、ヘンな紙がひっついているものに心ひかれた
「なんだこれ?しかもなんか書いてあるし・・・・」
―このごみを拾ったかたは実に幸運の持ち主ですッ☆これは持ち帰ったものが幸運になれると言うありがたぁーい皿なのデス(^w^)でもでもぉ、このごみをひろったものはもう二度とこのゴミを捨てることは出来ませんvV運命はあなたの手の中にあるのです♪―
疑問その一。この皿はひろった人が幸運になれるなら、なぜそれを捨てる必要があるのか。
疑問その二。捨てることができないのなら、何故ごみ捨て場にあるのか
疑問その三。運命は(略)ってなんのことか分からない
よってオレの結論
ぜってーヤバイ!!!これはオレが生きてきた中での経験か言えること。絶対ろくなことはないッ!!!
ほら、触らぬ神にたたりなしって言うじゃんか。さっさと返して散歩しよう♪
オレは手に持っていた皿《危険ブツ》をもとの所に置こうとした時
「コラァァァァ糞ガキ!!!今日は陶器を捨てる日じゃねぇよ」
「・・・・はい?」
ちょっとヤンキーが入ってるお兄さんがオレの手元を見て言った
「今日は陶器を捨てる日じゃねーんだよ。」
「いや・・・・なんでオレに・・」
これはオレのゴミじゃないとぼそっとつぶやくと、ぴくっヤンキーお兄さんの眉が上がった
「言い訳なんざききたかねぇんだ!!とっと家にかえれィィィィィィ!!!!!!!」
ドンッとコンクリートの壁を叩きつける
ぱらぱらとコンクリートの破片が落ちてきたのは見なかったことにしよう。
オレは怖さのあまり
「すっ・・スミマセンでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ダッシュで逃げた。
*
さてどうしたものか。。。
オレは怖さのあまり危険物《お皿》をもってきてしまった。一応今はオレの部屋にいるから母さんに見つかることはないけど・・・・・
「まぁ・・・とにかく開けてみるか」
厳重に巻かれている新聞紙を一枚一枚ていねいにはがしてゆく。
・・なんか緊張する
どんどんはがしていって最後の一枚目。
「あれッなにか書いてある」
赤い字で多分いそいで書いたらしく、汚くて読みずらかった
―グッドラック
なにが?オレはこの紙につっこみを入れたくなった
最後の一枚に手をかける
ビリリリッ
豪快に剥がすと中には
「・・・ただの皿ぁ?」
肩が落ちる。変な色をしていると思った皿は以外と綺麗で、傷ひとつなく、真っ白だった。
オレはベットの上に寝転ぶと皿を横においた
「ったくなんだよ、これ捨てる必要ないじゃん。」
「だろ?我輩はキレイ好きだからな」
「ははは。そーなんだ」
「そーだぞ」
ん?
なんでオレは会話しているんだ?
この部屋にはオレしかいな・・・・・・・
「ん?我輩の顔になにかついているのか?」
おそるおそる横を見る
皿の上に・・・ひげのはえた・・・・・
「うわァァァァァァァァ!!!!!プリンのお化けェェェェェェ!!!!」