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200字小説

刑務所面会

作者: コスミ

 透明な仕切り越しに、受刑者が言う。


「お袋、身体はどうだ?」


「なあに、お前こそ元気か?」


「ああ。もちろん」


「んだら、また味見してくれ」

 と、鞄から白い素麺の束を取り出す。そこから1本抜いて、正面の穴に通す。

「これは天気に恵まれてなあ」


 ぽりぽりと受刑者。

「んん、いい出来だ」



 その様子を見ていた看守達。

「いいんですか、あれ」


「大目に見るさ」


「なら、向こうで肉屋の母親がミンチを通してるのも」


「早く止めてこい」

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