邪魔者
◆
痛い、まあ当たり前だ、自分の手首を切ったんだから、また絆創膏を貼らなくてはならないな。
絆創膏を貼ったあと、カッターを枕の横に置き、ベッドに横になる。
目を閉じよう
◇
「今日の配信は終わりー!!ゲーム喋るのみんな乙ー!!!しゃべ友のみんなも見てくれてありがとねー!!!」
「おつ」
「おつかれ〜」
「おつしたー」
「お疲れ様でした」
「...おつかれさま...楽しかった...」
「みんなぁおつかれさまぁ、ふぁぁねみぃな」
「ふふ、シズキ疲れたね!!笑」
「あぁ?なに笑ってんだぁ?」
「何にもないよ!!笑笑、じゃあ締めまーす!しゃべ友のみんなまた次の配信でー!!」
配信終了のボタンを押し、肩の荷を下ろす
「つかれたねー!!笑笑」
「わかります」
「.....うん..疲れた」
「明日も学校あるしみんな寝よ」
「圭人の言う通りだね〜寝よっか〜みんな」
「そやなー寝ようぜ」
「そだね!みんなほんとにおつかれ!!また明日!!」
「「「「「「また明日」」」」」」
ティロンと6回鳴り、左上のサーバーにはラリルと表示されるアカウント名とそのアイコンだけ残り、それが本当に今日の幸せが終わったと告げていた。
「まーまた明日学校で会えるしいっか!!」
そう言い聞かせ、ベッドに入り、目を閉じた
ジリリリリリリリリリ...カチッ...
アラームを見ると、そこには7時と表示されていた。
「やっば!遅刻する!!急げ急げ!!」
足早に朝の支度を終わらせて、家を出る、親はいなく、ヒーロー業で稼いだお金で頑張って暮らしている高級なマンションの部屋に「行って来ます!!」と言う。
基礎魔術の動作上昇系魔法で、移動速度に上昇効果をつけ急いで学校に向か「ただいま〜」………………向かってなんとか間に「ただいま!!!」………「おかえり」
◆
「ただいまって言ってんだからちゃんと返しなさいよほんと」
「.....ごめん」
引き戻された、つまらない日常に、面倒くさい、二度と帰ってこなくて良いのに、次からはイヤホンでも付けて寝たふりでもしよう。
「ねぇあんた学校は?今日は行ったの?」
「.........行った」
「なんて?????」
「行ったよ!」
「あらそう、まあ当たり前のことよね」
何が当たり前だ、母親の価値観をぼくに押し付けてくるな、うざったらしい。
「隼人ー?」
本当になんで学校なんかに行かないといけないんだよ、あんな所ただの牢獄じゃないか、クラスは終わってるし、部活だってなんの面白みもないじゃないか、なんでそんな場所に行かないといけないんだよ。
「隼人!!!!!」
「うわっ!びっくりした、なんだよ」
「何にもすることがないなら、洗濯物入れなさい!どうせ部活は行ってないんでしょ?ならその分動く!!」
「.....行ったよ」
「何???」
「なんでもない」
「なら洗濯物はやく入れなさい」
なんなんだよもう、ほんと理解できない。
洗濯物を入れる時、普通のマンションの7階から下を見下ろす、そこには土地開発によりマンションが乱立している風景しか見えない、いっそ飛び降りてやろうか......なんてそんな勇気があったらまだ楽に生きれたのかもしれない。
洗濯物を入れ、晩御飯を食べ、お風呂に入る。
「今日は邪魔が入ったから、もう普通に寝よう」
そうつぶやき、自室の鍵付き引き出しから睡眠薬を取り出し、量を守って水道水で飲む、無味だな。
ベッドに入り、目を閉じる。
――今度こそ、目が覚めなければいいのに。
そう思った瞬間、
視界は何の前触れもなく暗転した。




