〇〇な世界へ
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「どーも!こんにちはー!!今日もNo.1ヒーローが配信するぞー!!お前ら途中で寝るなよ〜?」
自分の名前は中越隼人、ヒーロー名はラリル、高一で全世界ヒーローランキングNo.1のゲーマーだ。この世界は本当に生きてるだけで楽しい、犯罪者たちが弱いのが難点ではあるけど、それでも自分の好きなことを生業として生きていけるってだけで最高の人生ではないだろうか。
この世界では生まれて3年目、5年目、7年目で神からの祝福として能力が貰えることがある。神は気まぐれなため3個もらえる人は珍しいと聞くけれど、実際は3個貰える人はまあまあな人数がいるらしい、逆に貰えない人が珍しいと言われるほどこの世界の神は律儀というかある意味で気まぐれだと思う。他にも基礎魔術の才能や武術の才能開花の手伝いや、気に入られた人は色々な神からの加護なんかもあるらしい。まあ世界の説明はこれぐらいにしておいて自分は生まれて5年で《ゲームマスター》という能力、7年目で《叡智を深める者》を手に入れ、中学2年生ではもうプロヒーローの一員だった。そして今は高一で全世界No.1ヒーローで500万人以上の登録者を持つ配信者だ。
「今日はゲーム喋るのみんなでユアクラするぜ!!」
ゲーム喋る、これは小6から仲のいい友達たちでできたグループ名だ。その時作った名前だからダサいのには目を瞑ってくれよ?
ゲーム喋るのメンバーは、リーダーでNo.1の自分中越隼人をはじめに、No.2の夏山圭人、No.4の中邑総一郎、No.7の山田林太郎、No.8松本海斗の、No.12の佐野晴哉、No.14の村山太樹の7人という大人数で活動している、まあ基本自分と総一郎が大半の企画作成や編集をしてるんだけどね、それでも小学校から仲だから用事もなく電話しあうほど仲が良い。
「ども、フムルです」
「こんちゃー黒い鳥だよ〜」
「7人でやるのひさびさじゃない?あ、R太郎でーす」
「こんにちは、M.Kです。んーそうですかね毎日電話してるから実感湧かないですね」
「まーそれもそうか」
「あ.....えと....ぼぬなです...」
「もっとハキハキしゃべろーぜぇ?ぼぬなぁ、はろーシズキでぇーす」
「よし!みんな自己紹介終わったねー!じゃあ!ゲームしてこうかー!!!」
「うん」
「やろ〜か〜」
「おけ」
「やりましょう」
「....やろう」
「っしゃやろうぜぇ」
「ゲームスタート!!!!!」
「「「「「「ガヤガヤガヤガヤ」」」」」」
自己紹介も終わりゲームを付けた所でメンバーたちが各々会話を始める、騒がしい、でもこれがいい、最高の時間だ。幸せこの四文字しか出てこない、本当に最高の世界へありがとう
◆
ジリリリリリリリリリ...カチッ.........
うるさい以外の四文字が思いつかない、今は午後14時34分みんなは学校に行ってる時間だ。親も仕事に行ってる。家には1人、ただの無能力な高校一年生がベッドの上で1人寝転がっている。そんな俯瞰してぼくを見る必要なんてないのに何故か今日は無駄に俯瞰してぼくを見てしまう。
体を起こす、キッチンへ向かいキッチンの蛇口を捻る
ピロピロピロピロピロピロピロピロピロ
軽快な電子音が鳴り響く、コップに電解水を入れそれを飲む、電解水だからなんだというのだ、ただの水ではないか、親はなんでこんな物を買ったのか意味がわからない。
「はぁ〜〜〜生きるのつら」
そう言葉を漏らしぼくは左手首の絆創膏を貼り直す。
「まだ一ヶ月たってないし、赤く腫れてるなぁ、あぁ痛い痛い」
自室に戻り、お気に入りのカッターを持ち右手首に添える、こんな最低な世界へもうつかれたよ
スパッ
右手首から血が流れ出した




