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第29話「クリム、チョコが好きか?今度チョコ爆弾でも食わせてやるよ」

第29話「クリム、チョコが好きか?今度チョコ爆弾でも食わせてやるよ」


「空くん、もしものために、弓を構えて」


陸はゼリーの中から出ようとするアネキーターから目を離さずに言った。


「お、おう…」


空はステッキを弓矢に変形させると、アネキーターに狙いを定める。

小刻みに手が震え、狙いが定まらない。


「ミナ・チョコレート」


陸はそう唱えて、アネキーターが出てくるであろう場所に板チョコを地面に設置する。


「チョコだー。おいしそう〜」


「あれ、地雷だからダメだよ」


クリムは緊張感というものがないのだろうか?

チョコにはしゃぐクリムを、陸はたしなめる。


そんな陸は浅く息をし、心なしか顔色が悪かった。


「陸、お前…」


魔力切れなんじゃ?

と言いかけた空に、陸は声を張り上げる。


「集中して!」


陸自身もステッキを竹刀に変形させて構える。


「カンビオ・レト」


陸が呟くと、竹刀に光が帯び、刀に変化した。


(え!??かっけぇぇぇーー!!)


いやいや、感動している場合じゃない。

空は弓を構え直し、アネキーターに向き直る。


(……あれ?)


空は違和感に気付いた。

アネキーターが動きを止めて、こちらをニヤニヤと眺めているのだ。


隣の陸は青い顔に額に汗が流れている。

対する自分は、恐怖で震える手をなんとか抑えながら、弓を構えている。


「………あいつ、俺らが消耗するのを待ってるのか…?」



「………待ってるなら、迎えに行ってやろうぜ?」


背後から野太い声がした。


「陸!空!伏せろーー!!」


その叫びと同時に、無数のコーヒー豆弾がアネキーターごとゼリーを吹き飛ばす。


空が振り返ると、ラメールビターに変身した海が、ガトリング砲のハンドルを回しながら豪快にスイーツ部隊へ指示を出している。


「てめぇら、区画封鎖しろ!カタギ入れんじゃねぇぞ!」


「イエス!ボス!!」


スイーツ部隊は一斉に動き出す。


「二人とも、よく頑張ったのだわ!」


メロが駆け寄ると、


「空くんはなにもしてないよ!」


と、クリムは「やれやれ」と首を振る。


空がじわじわと込み上げる苛立ちを覚えている時、ゼリーから出たアネキーターが空に向かって突進してきた。


海のガトリング砲で血だらけになっているのに、まるで痛みを感じていないかのように目を見開いて口元だけニヤッと笑っている。


「ひぃぃっ……!!」


空は恐怖で硬直する。


アネキーターは空の顔を目掛けて腕を振り下ろした。

その瞬間、空とアネキーターの間に陸が割り込み、アネキーターを下から胸へと斬りつける。


「陸っ!」


陸はそのまま、刀を地面に刺し膝をついてしまう。


「なにするのよ。痛いじゃない」


アネキーターは相変わらずニタニタ笑いながら、再び腕を振り上げる。


陸を庇うように、空は陸に覆いかぶさった。


「だ、だめですー!早く逃げて……っ!」


ティルの悲痛な叫び声が聞こえる。


(ああ、そうだっけ……)


空はぼんやりと前に茂野邸で聞いた昔話を思い出していた。


(タイカさんは花ちゃんを守るように抱きしめたまま亡くなったんだっけ…)


それでも、タイカさんは花ちゃんを守れなかった。

もしかしたら、自分たちもこのままアネキーターに……。



「ふふふっ♡二人まとめて食べてあげる♡」



すぐそこに迫っているのに、アネキーターの声が遠くから聞こえるような気がした。

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