第23話「ギガ!テラ!ペタ!?スイーツ魔法使ってくださーい」
第23話「ギガ!テラ!ペタ!?スイーツ魔法使ってくださーい」
ティエラの魔法で三倍になった矢は、ラメールの協力のもとアニキーターにブレずに飛んでいく。
が、それに気付いたアニキーターはチョコレートの花束を持ったまま、矢を口で受け止めた。
「また食った!」
空の血の気が引いていく。
しかし、ティエラが静かに呪文を唱えると、矢が一回り大きくなる。
「テラ・レト」
アニキーターは“んー”と唸りながら、矢を口から出そうとすると、ティエラはまた呪文を唱えた。
「ペタ・レト」
更に一回り大きくなった矢は、アニキーターがいくら引っ張っても抜けない。
チョコブーケが無惨に地面に散る。
「空くん、強化」
「!!」
ティエラの言葉に、弓をステッキに戻すと、空の筋肉がどんどん隆起していく。
「うおおおーーー!!」
「きゃーーーー!!」
それに合わせてティルがティエラの髪に隠れた。
そんなに怖い……?
傷付くなぁ…。
しかし、やるしかない。
アニキーターは涙目になりながら、必死に飴でできた矢を口から抜こうとしている。
あの大きさでは、顎が外れているだろう。
「……ふっ」
ラメールはタバコに火をつけると、口に咥え楽しそうに笑う。
「陸の野郎、アコギなことしやがる」
ラメールの吹く煙と共に、アニキーターは空のバームクーヘンステッキでぶん殴られ、黒い犬のぬいぐるみになり、やがて消えていった。
「空くん、お疲れ様!」
「ティエラ…」
そう言えば、ティエラは自分の事は“ハニーくん”と呼んでいたのに、いつの間にか名前呼びになっている。
「……ダメ…かな?」
照れたように上目遣いで言われ、空はブンブン首を振った。
「いや!全然だし!」
……やけに暑い…。
これは、ティエラの新しい衣装がめちゃくちゃ似合ってて、それでビックリしてるだけだと自分に言い聞かせる。
「じゃ、じゃあ……俺も“陸”って呼んでいい?」
ティエラは満面の笑みで答える。
「うん、もちろん!」
(……かわよ…)
思わず顔が緩む。
「なら空坊っちゃんよぉ。俺のことも名前で呼びな」
いきなりラメールに絡まれ、空は背筋を伸ばした。
「ひゃ、ひゃい…。カ、カイしゃん……」
この戦闘で魔法少女が広く認知され、三人は一気に注目の的となるが、それはキーター戦に集中したい三人にとっては関係のない話である。
-魔法少女の活躍で、シュガリーナに三人のキーターが帰ってきた。
この三人は伝説のステッキで浄化済み。
元の暮らしに戻しても問題ないだろう。
しかし、問題はアネキーター。
アネキーターは人を殺し、人の味を覚えてしまった。
妖精は糖分が大好きだ。
幸せホルモンが出るからだ。
しかし、糖分を取りすぎるとキーター化し、より多くの糖分を求め、スイーツで埋めつくそうとする。
それと同じように、人の甘さを知ったキーターは人を求める。
もっと、もっと…
甘いあの味を、もっと。
影に揺らぐそれは、まさしく狩人だ。
「あの人間は最高に甘かったわ…。あの味が忘れられない…。
ハニー、待っててね。
私が食べてあげるから…♡」-




