表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/34

第11話「要塞に入っちゃうよ」

第11話「要塞に入っちゃうよ」


黒光りしたまるで要塞のような門が開くと、黒い高級車の前に黒スーツのガタイのいい男が立っていた。


「ようこそ、陸坊ちゃん。本邸まで送ります」


「うん、ありがとう」


ティエラは慣れたように高級車に乗り込むが、空の頭の中は混乱に混乱が重ね、やっぱり混乱していた。


「え!?本邸!??門、開いたよな?家じゃないのか!?」


「庭だよ。カイさんの家、庭広いんだ〜」


ティエラは空に車に乗るように促す。


メロやティル、クリムまでもがちゃっかり車に乗っている。


恐る恐る、空は車に乗り込むと、日本庭園の中を走り出す。


「すげぇ…」


普段の喧騒とは違う、穏やかな空気。

砂利の隙間を雀が数羽、クチバシでつついていた。


やがて伝統的な武家屋敷のような建物の前までくると、各々車から降りる。


引き戸を開いて屋敷に一歩踏み出すと、黒スーツにサングラスの男が両脇にならんで、一斉に頭を下げた。


「陸坊ちゃん、いらっしゃいませ!」


野太い声が木霊する。


「ここ、ラメールん家だよな…?ティエラって何者?坊ちゃん呼ばわりされてんだけど…」


空の独り言に、ティルが説明する。


「りっくんは、カイさんの娘さんの許嫁なんですー。だから、りっくんはこのお家継ぐんですよ〜」


「………は?」


ラメールの娘の許嫁…。

あれ?ティエラって女子…?いや、男だ!

でも許嫁とか早くね?

ティエラにヤーさん業が務まるように見えないし…。


「ボク、花ちゃんに挨拶してから行くから、先に案内してて」


ティエラは靴を脱ぐと、黒スーツの一人に空を託す。


「え!?俺ひとり…!?」


「僕たちもいるよ!」


クリムはそう言ったが、妖精たちがこの屋敷の黒服軍団に太刀打ちできるとは思えない。


「さぁ、こちらです」


引ける腰をなんとかシャンと伸ばし、できるだけ何でもない顔をして廊下を歩く空だが、他の黒スーツとすれ違う度に頭を下げられて居心地が悪くなる。


「お客人、いらっしゃいませ!」


空は彼らにとある共通点を見つけた。


『葉が二枚重なった家紋』のようなピンバッジをスーツにつけているのだ。

そのロゴは、確かラメールの車にも……


そう、この人たち…


(スイーツ部隊の人たちだー!)


すれ違う物騒な男たちとは反対に、廊下から見える日本庭園は静けさを孕んでいて、古き良き日本とはこう言うものか、と、遠い大正時代くらいにタイムスリップした感覚に陥る。


「おやっさん、お客人を連れて来ました」


案内役の黒服が静かに襖を開けると、ラメールの目が空たちを捉える。


黒いオールバックに窪んだ彫りの深い瞳。

ラメール時はキャラメル色の髪色に青い瞳なだけに、黒髪黒目は日本人特有の強者の威圧感がある。

極めつけは、和服…


(戦国武将かと思った!!)


ラメールの後ろにある掛け軸と相まって、空は何処ぞの殿様と対面した気分だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ