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ショートショート 2. ブルーな気分
「こんばんは……マスター」
「おや?今日はやけに暗いね」
「うん、ちょっと仕事でやらかしてしまってね。気分がブルーなんだ」
「ブルーかぁ。お肉の焼き加減の一つにブルーってのがあるよ。外側をほんの数秒焼いただけの、生に近い状態のやつ。試してみる?」
「私の気分と一緒かぁ。いいね、それで頼むよ」
「OK」
数秒後、皿にのって出てきた赤々しい肉をひと口。
「お、美味いね」
「喜んでもらえて何よりだよ」
私はその夜、家で長い時間を過ごすことになった。
……もちろん、トイレの中で。
またブルーな気分になったので、明日もあの店に行こうと思う。
あの、“味のある”ブルーを食べに。
人類の永遠の課題だった永久機関の完成だ〜