一章 ねぇ千羽くん
いつも通り朝がきた。今日はいつもより憂鬱だ。だけど、家の窓から見える景色は大きな雲がポツポツとあり、青い空、小鳥の鳴き声も聞こえるとても気持ちいい天気だった。そして、いつも通り朝を迎えれたことに感謝する。何故なら私は無名の病で余命2年と告げられている為、1日1日を大切に生きることにしているからだ。
今日から二学期が始まる。一学期は病が再発し高校にはなかなか行けなかった。高校1年生の一学期はこれからの生活にとても重要な期間だ。だけど私は行けなかった。そんな不安を抱え、とうとう靴箱まで来てしまった。自分の靴箱を探していると、後ろから肩を叩かれた。「神楽さん??」目の前に立つ男の人の髪の毛はセンター分けで背は高くスタイルもいい。優しい笑顔で包み込んでくれるようだった。私は咄嗟に「はいっ!」と答えた。すると笑顔で「神楽さんの靴箱はここだよ!僕の名前は千羽 太陽で、神楽さんと同じクラスです!」と教えてくれた。私は他人と話すことは慣れていないため、ぎこちなく「神楽 陽々(やや)です。よろしくお願いします。」と挨拶を交わした。自分にしては上手く対応できた気がして嬉しかった。すると彼は笑顔でよろしく!と言ってくれた。教室に入ると私の席は窓際の一番後ろ、そして千羽くんは私の隣だった。私は高校が初めてで、みんなは一学期中で仲良くなっていて私とみんなに大きな壁があるように感じた。その中で千羽は男子はもちろん女子とも仲が良く自分には眩しすぎてすごく羨ましかった。みんなのことを眺めていると、千羽くんと目が合った。私はすぐに逸らしてしまった。病院にいる時は勉強は進めていたり小さい頃から勉強が得意なこともあり、授業には何とかついていけていた。でも、授業中に一番気になったのは隣からの視線だった。視線が気になり隣を向くと彼と目が合った。ほんとにこっちを向いてるとは気づかなかった為、恥ずかしくなりすぐに顔を背けた。それにそれは1回で終わらず何回もあった。私は気になり彼に聞くことにした。「ねぇ千羽くん。授業の時外の方を向いて何を見ているの?」 「外は見てないよ」 「じゃあ、何を見てるの?」 「わからない!あと、俺のことは下の名前で呼んで!」と笑顔で答えられた。私はその時、その笑顔を見た時、生まれて初めて一目惚れという感情に気づいた。




