第七章第六節
久々に更新です。
一応ラストまでの道筋がついたので更新しました。
すでにどこかで矛盾が生じているかもしれませんが、とりあえず終われはします。
紫煙がうねりながら昇っていき、電灯の光を散乱させる。
この時間は、龍飛崎にとっては一日に句読点を打つリラックスの時間だ。
その日の仕事を振り返り、明日の予定を確認する。
しかし、今の意識はオイノモリのことに集中していた。
純粋というか真っ直ぐというか…
見ていていじらしい、可愛らしい奴だな、と思っていたが、
どうも最近は危なっかしい。…自分が焚き付けたようなものだが。
また話す時に注意すりゃいいか、と結論を下して、龍飛崎は煙草を揉み消した。
「ちょっと無責任かな」
二本目を咥えて、フリントを親指で回す。
モブを渡してあるんだし、何かあれば連絡してくるだろ…
スラックスのポケットからモブを取り出す。
龍飛崎はカレンダーアプリを起動して明日の予定を確認する。
バーが2軒に居酒屋が3軒、紙巻き煙草と葉巻の補充だ。
「ああ、姉さんの店もそろそろ補充か…」
まだ陽も高いし、ついでに土産も買っていくか、と一人ごちて、
龍飛崎は喫煙所を出た。
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オイノモリの心には、クグリザカが負傷したあのデモのことが小骨のように引っ掛かっていた。
あれ以降、政府の軍備の移動には制限が掛けられるようになった。
当然、あのデモで「団体」の会員に危害が及んだからだ。
しかし軍備の移動制限を要求するための書類は、
「デモで死傷者が出る以前の日付」で書かれていた。
果たして偶然の一致で済むのか…?
「団体」が、自分たちの都合のいいように小説などの書籍を改竄している以上、
都合のいいように政府と結託してデモを襲撃させた可能性も否定できない。
…昇華を受けて以降、クグリザカの目の奥は虚に感じる。
もし彼が仕組まれた事件の被害者だとしたら、こんな哀れなことはない。
とにかく証拠を集めなければ。それと自分の味方もだ。
明日からは仕事と調査の並行作業だ、とひとりごちて、
オイノモリは布に包んだソーシャル・ウォッチを取り出して、自分を「団体」の監視下に戻した。
残った仕事を一層「進歩的に」こなしながら、
オイノモリは参政課にナカムラにコンタクトを取った。
この作品を書き始めたのが2022年なのでもう4年目です。
書き始めた時に危惧していた事態は起こらなかったり起きてしまったりしています。
SFを描く時はさっさと書かねば時代が追い付いてしまう、という言葉を身にしみて感じます。




