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陽の当たる場所  作者: 十司新奈
第七章
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第七章第四節

一昨日から『アルジャーノンに花束を』を読み始めました。面白くてもう4分の1くらい読み進めました。

それ以外だと『真昼の暗黒(日蝕)』を読破しました。

次の日、机についたオイノモリはグローバルコミュニティで煙草一掃デモの予定を事務的に投稿していた。


皆、丁寧に拡散した後に律儀にコメントをくれた。

オイノモリも返礼代わりに「性犯罪被害者支援団体と合併・吸収した」という投稿を拡散しておいた。


クグリザカの企画したデモは思ったよりも早く

行われることになりそうだった。

今のところは一週間後の予定だが、

これはオイノモリの経験した中でも一、二を争う速さだ。

本来、後輩の企画が順調なのは喜ばしいことだが、

今のオイノモリは首に鉛が乗ったような気分だった。


デモ課だけで進められる仕事が片付いた後では、

ルーティンワークが主体になる。

他に考えることがない、そんな状況では

尚更オイノモリの頭は下がっていった。


クグリザカの方はまだやる事が残っているようで、

今日は他課の方に出向く時間が多いようだ。


周りに誰もいないとつい、気が抜けてしまう。

少し休憩を取ろう、と思い課の居室を出た。


そこに待っていたのは、黒いウェーブの長髪と

人を刺せる鋭さの眼光を持つ女だった。


「おはようございます」

クグリザカとは違った意味で感情を感じない声で、

ウシロヤチは挨拶した。


「お、おはようござい…」

「どうもここ最近、非進歩的作品の焼却冊数が増えているようです」」

オイノモリの返答を待たずにウシロヤチは話し始めた

「それは…お疲れ様です」

「取り締まりを流れるように書棚自体を隠す書店もあるとか」

「はぁ…」

「他者を陥れる非進歩性はいずれ消える運命です。お忘れなきよう」

ウシロヤチはそう言うとデモ課には入らず歩いて行った。


…調査課のウシロヤチさんにはタツさんと一緒に居たところを見られている。

ソーシャル・ウォッチの音声記録も見れるはずだ。


オイノモリは休憩をとるのを思い直し、机に戻った。

どこまで知られている?

心拍数を記録されないよう、腕から取り外したソーシャル・ウォッチを見ながら記憶を遡るうちに、オイノモリは龍飛崎から受け取った通信機器を返していないことに気付いた。

ポケットから取り出してタッチパネルに触れると、岩だらけの黒い海の背景に、先日使ったバナナ状の模様が描かれたアイコンが表示された。



次回更新予定は未定ですが、一か月に一回ぐらいは更新できるようにしたいですね。どうせ大した推敲もせずやった時に考えてその場で出してるんで、早くクライマックスに持ってかないと。

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