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陽の当たる場所  作者: 十司新奈
第七章
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第七章第三節

最近はジビエを食べられるイベントに参加したり、コーヒーを自分で淹れたりしてます。

色んなことを学ぶとその分自分の世界観が広がるので良いな、と思います。(これは読書にも言えますね。)次回更新は未定ですが、書き直しなんてせずにこのまま突っ走ろうと思ってます。


どうでもいいですが今年はハイライト・メンソールの全国販売開始から20年の年です。

吸ってる人は気づいてるかもですが龍飛崎の吸ってる銘柄がハイメンなので…。

クグリザカはにっこりと口角を上げた。

その瞳には相変わらずハイライトがない。

アルカイック・スマイルを保ったままのクグリザカと

普段通りに闇タバコ一掃デモの予定を詰めた。

仕事がドンドン進んでいくにつれて

オイノモリの気持ちはドンドン暗くなっていった。


決して「団体」に歯向かいたいという訳ではない。

むしろ大暴動後に自分を支えてくれて感謝している。

しかし、「団体」の全てを肯定することは出来ない。

非進歩性を排除しても、非進歩的な人を排除する必要はないはずだ。


「ごめん、午後から少し先輩のところに行ってくるよ」

オイノモリはクグリザカに愛想笑いを返した。


食事をATM型の配給壁から引き出したオイノモリは、

カレーライスを口に運びながら考えていた。

低脂肪で香辛料カットの丸くまとまった食事に対して、

オイノモリの頭は切れていた。


闇タバコ根絶後に失職する人間に再雇用手当を出せば、

より進歩的な人間が増えることになる。

こう言えば「団体」にも通用するのではないか?

少なくともタツさんの当面の金銭事情は解決する。


トレイを返したオイノモリは、指導担当だった先輩に相談することとした。





「それはちょっと無理だね。そこにお金は出せない」

真黒の長髪を束ねた垂れ目の女、ニョライセ・ミズカは、

オイノモリの提案を黙って聞くと、穏やかにそう言った。

「予算が無いのですか」

「いや、政治家の給料を削れば何とでもなるだろう」

「だったら…」

「オイノモリ君」遮ってニョライセが言った。

その顔は子供をあやす時の母親めいた顔をしていた。


「非進歩的な人間を助けても、それで本当に進歩的な人間が増えるかな?」

「え…」

「それなら捕まえたそばから昇華すればいいじゃないか」

反論が思いつかない。

黙ったオイノモリにニョライセは諭すように言った。

「自主的に非進歩性から抜け出せない人間を心配することはないよ。彼らを救うために昇華があるんだからね」

デモ課の母とも呼ばれるニョライセの声には優しさと諦観が入り混じっていた。


オイノモリは明るい人工発電の光を浴びながら、

暗い気持ちで廊下を歩いていた。


昇華によってクグリザカは別人のようになって戻ってきた。

もし法律で、取り締まりを受けた人が昇華させられることになれば…。


結局、オイノモリは一日中欝々とした気持ちで机に向かい続けた。

時折青い液体を身体に注入するクグリザカを見つめながら。


今まで書いたのを読み返すと、もっと心情描写を入れろよ、とかここ分かりづれえよ、とか色んなことを思います。とりあえず書くことがおおよそ纏まったので更新しました。それでも矛盾とか、回収されない描写とかはどうしても出てくると思います。そこは見切り発車した以上仕方ないのかもですけど…。


前書きの続きですが龍飛崎の吸ってる銘柄をハイメンにしたのは僕が好きだからです。

クソどうでもいいですがメインで登場する喫煙者キャラにはそれぞれ「この銘柄!」っていうイメージを持って書いてます。と言っても今公開されてるモノでがっつり喫煙するのは龍飛崎だけですが…。


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