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epis59 : Beat out the Invader, dogfight(A1)


「ツグミ」


 冷静に、冷静に、燃える心へ務めて冷静になれと叱責をして、私は思考をまとめていく。


「……はい」


「言っていること/わぅん……矛盾してる気が/するんだけど」


 ツグミは、数時間前、私達を見守っていたのは、マイラの意識をスピリットなんとかという魔法で乗っ取っていた時だけと言った。


 だけどツグミは、レオがヒュドラを倒した時のように、マイラがいなかった時のことまで知っている。


「それは……」

「この矛盾が指し示すモノは何?/あなたは私に何か/隠し事をしているの?」


 それとももっと直接的に、あなたは私の敵なの?……そう問い詰めると、ツグミはシュンとした表情で、頭と耳と尻尾をだらんと下げたポーズで答えた。


「誤解です。あの時、私はこう述べさせていただきました」


『私自身が見守っていられたのは、マイラへ魂の(インターノード)連結(ドッキング)魔法(マジック)、スピリットリンクを使っていた時間だけです』


「これは私自身が、私自身の力で見守っていられたのが、そうであるというだけです」


「つまり、/わぅ……幽河鉄道(ゆうがてつどう)を通じてなら」


 マイラの目が届かない場所の情報も、得られるってこと?


「はい。その場合であれば、制限はありますが、マイラの視点以外で世界を観測することも可能です」


 それはまぁ、そうだろう。


 そうでなければゼロ周目……最終的に、コンラディン叔父さんが私を殺したという世界……早い段階でマイラが死んでしまったというその世界の、その先の情報など、得られるはずがないのだから。


「あなたは、“見守る”というのはマイラを通じてしか行っていなかった、行えない。だけど“観る”ことならもっと自由にしていた、自由にできる……そういうこと?」

「厳密に言えば違いますが、ニュアンスとしてはそれで正しいです」

「どう違うの?」

「それは……」「ん?」


 ツグミはレオを、チラリと見てから答える。


「私は三年前、二度、ラナンキュロア様の運命を変更しています」

「うん?」

「どちらも三年前のことです。ひとつは、ラナンキュロア様が戯れでリストカットの真似事……をしようとして、実際に深い傷を、傷痕を手首に負ってしまうという運命です」

「え……」


「ああ、あの時マイラが僕を、引き止めたのは……」


「私の意志です。それによってラナンキュロア様は更なるエピスデブリを背負い、その先の未来が真っ暗になっていく、それはそういう運命だったのです」


「……あの時、レオが私を/止めてくれなかったら、/わぉん……そんなことになっていたの?」


「はい。それは、元々のラナンキュロア様の運命でもあったのですが、幽河鉄道(ゆうがてつどう)に乗り込み、前世の知識を引き継ぎ、罅割れ世界の統括者(フィヨルクンニヴ)を使えるようになったラナンキュロア様であっても、それはどうやら、そのままになぞってしまう種類のものだったようです」


 つまり……元々の私も、コンラディン叔父さんにやり込められて、それでふてくされて、逃避行動としてリストカットの真似事をしたのか。……それで事故ってしまったと。


「元々の私も、/くぅん……ゲリヴェルガ伯父さんに狙われて、/誘拐されそうになったところを/レオに助けられたってこと?」


 そうしてからレオを冒険者にすべく、コンラディン叔父さんに紹介したと?


「元々のラナンキュロア様は、もう少し切実な理由でレオ様を冒険者にしたいと思っていたようです。というのも、前世の知識のないラナンキュロア様は特段、ロレーヌ商会へ利益をもたらすということもなく、それゆえに父親からの特別扱いもされていませんでした。結果、かなり不自由な生活を強いられていたようです」


 ああ、それはつまり。


「家を出たがって/いたってこと?」

「はい。例えば……現在のラナンキュロア様は、英雄レオポルドの件を表沙汰にしようとはしません。ですが、それはなぜでしょうか?」

「え?……だってそれじゃ/軍に徴用されて……あ」


 そうか……私は、自分の生活を守りたいと思ったから、面倒事を避けたんだった。


 守りたい、今の生活があるから、レオを軍に取られたくなかったんだ。


「はい、現在のラナンキュロア様には金銭的な余裕があります。生活力があります。暮らしの基盤がしっかりとしています」

「元々の私には、/それがなかった」

「はい。元々のラナンキュロア様の生活は、軍に徴用された方がマシ……と考えてしまうようなモノだったのでしょう。ですが、叔父のコンラディン様のように、冒険者となろうにも、魔法を使えないラナンキュロア様には、武力と呼べる力がありません」


 だから私は……その私は……そこから(のが)れるために、自分がそこから()げたいがために、レオを冒険者にしようとした……と。


 英雄レオポルドを表沙汰とすることにも、躊躇しなかったと。


「はい……ですが後者には、もう少し複雑な事情があります。それがもうひとつの、私がラナンキュロア様の運命を変更したポイントに関わってくるのですが……」

「ひょっとして……僕がラナの伯父さんの家を襲撃しようとしていた時のこと?」


 伯父の屋敷を襲撃する予定で、マリマーネに諸々の伝言等を頼んでいたら、そこにマイラが来てレオを私の元へと導いたという例の話か。


「はい。元々のレオ様はお屋敷を実際に襲撃して、ゲリヴェルガ様をその手で殺害してしまうのです。そしてその件を有耶無耶(うやむや)にするためにも、ラナンキュロア様はユーマ王国へ恩を売らざるを得なくなります」


「ああ……」


「レオ様がゲリヴェルガ様をその手で殺害してしまわれた場合、ラナンキュロア様は伯爵家の正妻であるご自身の伯母様へ頼らざるを得なくなります。それはすなわち、貴族、王族と直接的に関わり、交渉せざるを得ないルートへと、進むことを意味します」

「うへぇ……」


 私が本当にやりたくない宮廷政治、その暗闘モノじゃないか。


「そしてこの場合、レオ様は帝国によるモンスターの大襲撃事件を、その圧倒的武力によって制するという形で貴族殺しの罪を許されるのですが、その際にその姿は多くの軍人、一般市民に目撃されてしまいます」

「ああ……そうね、/そうなる……でしょうね」


 ()罅割れ世界の統括者(フィヨルクンニヴ)を使えなかったのなら、レオの存在を秘匿するにも限界があったということになる。このような……地下シェルターなどは利用できなかっただろうから。


「このルートにおいては、ユーマ王国における王の権威は失墜していません。むしろその権勢を増したとさえいえます。したがって、国王の発言権は強いままであり、その鶴の一声によってレオ様は叙勲を受け、名を英雄レオポルドとし、貴族となります」

「ええぇ……」

「まさかの/成り上がりルート」

「ですがご存知の通り、モンスターを撃退したとは言っても、ユーマ王国内には依然、帝国のスパイが存在しています。レオ様はその彼らと、叙勲を面白く思っていない勢力から徹底的に貶められ、攻撃されて、スラム街出身であることも暴かれ、国を追われることになります」


 それはまた……なんとも予定調和な追放ルートだ。


「レオ様がゲリヴェルガ様を殺害してしまうと、その後の運命はほぼこれに近似(きんじ)したモノとなります。遅かれ早かれレオ様、ラナンキュロア様は国を追われ、そのすぐ先に、避けようのない死が待っています」


 追放の先に、スローライフが待っているなんて、滅多に無いんだってことか。


「これは“観る”と“見守る”を、両方行っていたからこそ出来た運命の切り替えとなります。“観る”はその意味において、私が“自由”に扱えるものではないのです。“観る”ことは、“見守る”の代わりにはならないのです」

「……“観る”って/なんなの?」


「“観る”とは、“観察”した結果を、観測者の知性が認識できる形に鋳直(いなお)して(とら)え、把握するということです」

「……もう少し/わかりやすく」


「たとえば、天気予報は世界を“観測”し、“観察”してデータを取り、それを元に未来の天気を予測しますよね? この時、天気予報士は“未来を観た”ことになります。本来、三次元の知性体では観測することのできない未来を“観ている”のです。見えなくとも観えるモノは、この世に沢山あります」


 それは予測であって、予知なんかじゃないんじゃ……。


「それはその通りですが、幽河鉄道(ゆうがてつどう)本来の機能であるところの過去や未来を見聞する機能、その本質は、実は天気予報と大差ないモノです。幽河鉄道(ゆうがてつどう)幽河鉄道(ゆうがてつどう)に拾える、断片的な準空子(クアジケノン)の情報を元に、ほぼ確実と思われる過去や未来の景色を構成、構築して私達に教えてくれているのです。死者の魂……幽河鉄道(ゆうがてつどう)に扱える形となった情報(データ)誘導体(デリバティブ)を過去や未来に運ぶ機能は、実は後付けのオマケなのです」


 タイムトラベルが、予知のオマケって。


「過去の、未来の状況を知れるからこそ、そこへ行くことが可能になったとお考えください。旅行するにも、どこに目的の場所があるかわかっていなければ出来ないでしょう? タイムトラベルであれば、今いる場所の三時間後に行きたいと思っても、惑星が動き宇宙が膨張している以上、宇宙的視点から見れば“今いる場所”と“三時間後の今いる場所”は、同一の座標ですらないのですから」


 実際のところ、タイムトラベルは時の移動そのものよりも、そうした宇宙の神秘に対する補正の方が難しいのだとツグミは語る。それはまた、SF界の多くの先人達がそれと知りながら敢えて無視してきたことを、今更のようにわざわざ(あげつら)ったものだ。言及しながら美しい思考実験を編んだ名作も、まぁまぁあるけれども。


「特に私は、人間の心を“観る”能力に長けています。人の気持がわかる……ということではないのですが、ここでこの選択をした場合、その人が幸せになる、不幸になるといった結果を“観る”能力は、人よりも優れていると自負しています」


 ツグミは、リストカット事故については私の気持ち的“不幸”が観えたから、レオのゲリヴェルガ殺害についてはもっと直接的に私達の“死”が観えたから、その私の運命を改変してきたのだという。


「で、/わぅん……今回の件に関しては、/私がコンラディン叔父さんに殺され/る未来が観えたから介入してきた/わぅぅ……ってこと?」


「今回の場合、誰も彼もが不幸になる未来へと繋がっていました。死んでしまうラナンキュロア様、それを知り、コンラディン様を殺害して逮捕されるレオ様。やはり死を避けられないマイラ、フリード様、ジュベミューワ様。わけのわからない存在となって海の底へと消えたノアステリア様。マリマーネ様も商会の船を私的に運用したことが問題視され、職を追われて望まぬ結婚をすることになります」

「……そのノアステリア、/いつかゴジ●にでもなって/街を襲いそうだね」


 地上の世界では、段々とゴジ●サイズに近付いていく白と黒の巨人が、咆哮をあげるようなモーションで(うごめ)いていた。大きくなりすぎたせいか、その動きはどこかもう緩慢としたものになっている。


「誰も幸せになれない運命、か」

「はい、まさにその通りです、レオ様」


 ふむ。


「私は、私自身が介入してしまった事態の未来は幽河鉄道(ゆうがてつどう)を通じても予知、予測できません。私自身という要因(ファクター)が、ノイズとなってしまうからです。これが“観る”の制限のひとつです。ノイズが治まる……私の因果干渉率……平たくいえば影響力が薄まれば、また可能となるのですが、これにはその影響範囲の大きさに比例した時間がかかります」

「ああ、さっきもそれ、/出来ないって言ってたね」


 自分が介入したことで生まれた世界の未来は読めないとかなんとか。


「リストカット事故の時は、私の因果干渉率はすぐに低下しました。時間にすれば一週間も無かったと思います。レオ様の殺人に関しては……二年かかりました」

「二年」

「はい」


 それは長い……のか?


 しかし言われてみれば、その件に関しては、それによってゲリヴェルガ伯父さんの死の状況が変わっただけでなく、英雄レオポルドが世に出るかでないかが変わり、ユーマ王国国王の権威の失墜が起こるかどうかが変わり、沢山の人の運命が変わってしまったわけだ。


 そう考えれば、二年というのは、むしろ短いとも言えるのかもしれない。


「……待って、/それなら、ボユの港で/わぉん……沢山の人が死んだこの件に関しては」

「おそらく……ラナンキュロア様が百歳を超えて人生を全うされたのだとしても、私にはもうそれを観ることが叶いません」

「……は?」


 なら……二周目のツグミは、どれだけ先の未来から戻ってきたんだ?


 時間旅行の話は、本当に難しい。何が出来て出来ないのか、これだけ話してもらってもまだよくわからない。


 ……いや、私がこの話を始めたのは、結局の所、ツグミに何が可能か、まだ隠してることはないか、確認するためだった。


 そこを掘り下げなければ、ここまで頭の痛くなりそうな話を聞いた意味がない。


「ツグミ、あなたはさっき、/こう言った」


『ジュベミューワ様……あなたは、ナガオナオ様のローブ(アーティファクト)をも、盗もうとしましたよね? それだけは許せなかったので、あれだけ退避せざるを得なくなりましたが』


「聞いていたのですね」

「なんとなく、ね」


『……それで、どれだけのことが出来なくなってしまったか』


「で、/何が出来なくなっていたの?/ジュベミューワは/もう死んだ。/わぅん……お兄ちゃんのアーティファクト? /それを取り戻せば/わんっ……何が出来るようになるの?」

「……あ」


 あ、じゃないよ。今それ、物凄く大事なことじゃない。


 苦しい時の神頼みじゃないけど、この、どうしようもない事態の只中(ただなか)においては、超常的な存在(デウスエクスマキナ)がどれだけのことをやってくれるかは、物凄く重要だ。


「取り戻すというか、ジュベミューワ様との会合が失敗に終わってから、幽河鉄道(ゆうがてつどう)の機関室に“装備”させていたものを、私が直接“装備”し直すという形ですが……ええと、まず、私が人型になれます」

「……なるとどうなるの?」

「ラナンキュロア様が私の声で、わんわん鳴くことがなくなると思います」


 そんなのはどうでもいい。ほっといてくれ。


「人間の基準ではとても可愛らしい、美しく思える姿なのだと聞いています」


 そんなのはもっとどうでもいい。すこぶるどうでもいい。


「……他には?」

「ああ……そうでした。私、ナガオナオ様のアーティファクトの力を使えば……あのノアステリア様の成れの果て……でしょうか? あれを滅することができるようになると思います」

「……ん」「それって凄く重要なことじゃないか!」


 そっちか。


 そっちなのか。


 ……いやそれも、レオが湧き立つ通りに、凄くありがたくて素晴らしいことではあるのだけどね。


「正直、/くぅん……期待したのは/レオのこの傷を癒せるとか/そういうことだったんだけどね」


 そうは言っても、私にとって今、本当に重要なのは、そちらなのだから。


「申し訳ありません……確かに治癒魔法も使うことは可能となるでしょうが、それはこの世界で広く使われている、一般的なそれと大差ないレベルのモノです。燃え尽き、失われてしまった器官を復活させる魔法ではありません。アスクレピオス派(メデュレィナ)博士(ドクター)であればそれに近いことは可能だったと記憶していますが、生憎とナガオナオ様はアスクレピオス派(メデュレィナ)とは仲が悪くて……」

「お兄ちゃんの話は後でゆっくり聞く。……今は」


 私はだが、とりあえず頭を切り替える。


 レオの身体も心配だが、本当の本当に心配だが、だからといって地下シェルターの外の地獄を放っておく気もない。レオよりは数段劣る……なんなら私にとってはレオの千分の一程度の価値しかない世界だが、それでもそこは、私達が今日まで生きてきた世界だ。


 これからでも、やれることがあるのならする。そこに矛盾はない。誰に理解してもらいたいとも思わないが、それは少なくとも私の中では矛盾しないのだ。


「それで、アレを/どうやって倒すの?」


 私は、丁度良く細かく割れていた空間をモニターのように平べったく統合し直して、そこへ数十メートル先の光景を「通過」させる。


 するとそこに、今も(黒い死体を吸収しながら)自己の拡張を続ける白黒の巨人が映った。


「ラナの魔法、どんどん何でもありになっていくね」

「盗撮機能は、/今更でしょ」

「そうだけど」


 三人(ふたりと一匹?)で見れるようになったソレは、もはや巨人というのとも何か違う形状となっていた。


「けど、なんでもありっていうのは、/ああいうののことを()うんじゃない?」


 ソレの背中には、いつのまにか翼のようなものが出来ていた。


 ただ、それはあくまでも「翼のようなもの」だ。


 正しく表現するとなると結構難しい。それは「翼のように開展した鱗のようなもの」とも言えたし、「たくさんの斧を翼の形に組み立てた意味不明の造形物」のようにも見えた。


 依然、炎上するボユの港を背景に浮かんでいるソレは、まるで小学生が冗談で作った粘土細工の造形物のようでもあった。


「……大丈夫? ツグミ。怯えているみたいだけど」


 ツグミは、目の前に大画面(42Vほど。画質は360pの動画を4Kモニターで見ているような感じ)で現れたその光景を見て、なぜか震えているようだった。


「……私は……もともと炎は苦手だったのです」


 ああ……それはまぁ。


「そりゃ、犬だもんね」

「暖炉のように、安全域が確保されていれば平気なのですが……炎……炎の揺らめきが自分のすぐ近くにあるというのは本当にダメで、ヘパイトス派(フィアレィナ)の方が戯れで私の全身を幻影の炎で包んだ時などは……ナガオナオ様の盲導犬であることも忘れ逃げ惑い、醜態を晒してしまいました」


 いや、それはどう考えてもそのフィアレィナ? の人が悪いと思うけど……お兄ちゃんも結構な修羅の世界を生きていたのか。


「それで、私の中には“炎が怖い”という三類のエピスデブリが生まれてしまって……ですから、だからこそナガオナオ様は、ご自身で発明されたノーヴァリュグを、その私が嫌がりそうな特性を、どうにかできないかと、第一線を退かれた後も研究を重ねていました」

「ノーヴァリュグ?」

「この世界における燃焼石と同等のモノです。燃焼石(ノーヴァリュグ)は、魔法による燃焼エネルギーを高次元的に圧縮したモノです。当然、使われてる魔法技術はイデア派(アゥレィナ)のモノです。理屈自体は単純で、熱エネルギーを準空子(クアジケノン)に変換し、それを触媒へ乗せて折り紙を折るように畳み、三次元的には小さな石の形を採る物質に変換しているというものです。ナガオナオ様はそれを、エントロピーの逆行転生、とも表現していました。再変換の際には通常、折り畳み状態が徐々にほどけていく形となるため、漸次的(ぜんじてき)に熱を放出していくのですが、これを一気にほどくような手段を採ってしまうと、大爆発が起きてしまいます」


 なるほどわからん。


「燃焼石が大爆発を/起こすこともあるってのは、/わん……私も知っているけど」


 でも、それはどうやっても安定しないから軍事転用……つまり爆発物として兵器にするわけにはいかなかった……とも聞いている。


 実際、あの巨人が放った炎の矢も、高速で地表に叩きつけられてさえ、爆発を起こしているモノと、そうでないモノがあるように見えた。


 炎を放つだけなら、火矢で構わないだろうし、そもそもこの世界には、数は少ないものの爆裂魔法を行使できる魔法使いだっている。かなりの詠唱時間(キャストタイム)を要するとも聞いているから、それだって実際の運用はなかなかに難しいものであろうが、全然言うことを聞いてくれない無機物の爆発物よりは、意思疎通の可能な()()()()()()の方が、兵器としては有用であろう……後者が電波ゆんゆんな類の人間でない限りは。


 それに、兵器に転用できるのであれば、他国へ輸出しようとも思わないだろう。


 いや……むしろ、ただでさえ世情、政情の安定しない南の大陸の、更なる騒擾(そうじょう)を狙っての輸出か?


 不安定でも、爆発は起きるのだから、むしろそれを間違った形で運用して、色々な意味で混乱に陥ってくれた方が、他国としては嬉しいわけだ。


 そうでなくとも貿易による利益は出るのだから、これは王国には利益しかない策に思える。


 不完全で危険な兵器を輸出して儲ける、か……思い付いた自分自身を嫌いになってしまうような話だ。


「この世界では、そうなのかもしれませんが、ナガオナオ様の研究はもう少し進んでいました。それによれば、燃焼石(ノーヴァリュグ)には、“作者”のエピス、エピスデブリを触媒の情報(データ)誘導体(デリバティブ)へ、不完全な形で転写できるのです」


「ん」


「これにより、石へある程度の指向性を持たせることが出来るのですが……逆を言えば、これは“作者”、どころか“作者のその時の精神状態"によって、できる燃焼石(ノーヴァリュグ)の特性が変わってしまうということを指し示しています。これが燃焼石(ノーヴァリュグ)の弱点のひとつでもあります」


 なるほど。


 ……で?


「私の、千速継笑(せんぞくつぐみ)様が()われるところの“なろうの女神様みたいな能力”は、どちらもナガオナオ様が考案された毒性物質の排出(キレート)技術と、燃焼石(ノーヴァリュグ)のエピス、エピスデブリ転写特性を合わせ、複合魔術としたようなものです」


 ……ええと?


「つまりあなたは、/わぉぉぉん……燃焼石のバケモノと/同じようなことができると?」


 ツグミはそれへ、画面に対し完全に横になってしまっていた身体をくねらせながら、横目で巨人を見つつ答える。


「ああはなれませんが……要するに私は、燃焼石(ノーヴァリュグ)に転写されたエピス、エピスデブリを、鋏挿摘出(キレート)することができるということです」


「ああ」「あー……/理解した」


「エピス、エピスデブリを失った石は、ただの可燃物に戻ります」

「なるほどね/そうきたか」


 なるほどなるほどなるほど。


「つまり私は、あの巨人の“意思”を、殺すことが出来るということです」


 空へ浮かぶゴミのようなバケモノを、燃えるゴミに日に出せるゴミとすることができると。


 そういえば石炭って燃えるゴミ? 燃えないゴミ?


「……はぁ」

「どうされました? ラナンキュロア様」




「そんなこと、/きゃぅぅぅん……言われる前に気付いてよねぇぇぇ」











<三人称>


 そこに、天使が(あらわ)れた。


 それは、圧倒的な薔薇色だった。


 それは、圧倒的な白銀(はくぎん)だった。


 それは、圧倒的な白金(はっきん)だった。


 その姿はまさに天使そのものだった。けれど、彼女には翼がない。


 空中で、薔薇色のローブが、その裾が、潮風に揺らめいている。はためいている。


 長い白銀の髪の毛が、ふわふわと大気に揺蕩(たゆた)っている。


 輝くような白金(はっきん)の瞳は、生まれたばかりの星のように、開いたばかりの花のように輝き、(きらめ)いてみえた。


 雑味のないシュッとした鼻筋。


 自然な薄桃色の唇。


 あらゆるパーツがあるべきところにある、不自然なまでに整った美貌。


 不自然であるがゆえに目を引き、その引力でもって人を惹きつける。


 それはそういう、魔力的引力を帯びた美貌。


 それは、あまりにも完璧であるがゆえに、人であることを超越したナニカだった。


 ゆえにそれは、あまりにも唐突な超常的存在の顕現(けんげん)、そのものであると観えた。


「ううん、やっぱりこの身体は、不思議な感じがしますね」


 顕れた機械仕掛けの神(デウスエクスマキナ)の声は、けれどホットミルクのように甘く、それはどこか、人の心を落ち着かせる、柔らかな慈愛に満ちていた。


「ですが、この姿でなければ幽河鉄道(ゆうがてつどう)からのバックアップを完全には得られないこともまた事実。仕方ありませんね」


 ひたすらに他者を殺し、貪り、自己の拡張を続けていた白と黒の巨人は、己の目の前に現れた赤と白銀と白金のそれへ、何を想うのでもなく、ただ怪訝そうにそののっぺらぼうの黒い顔を向ける。


 天使はそれへ、柔らかな美貌にあっては似つかわしくない、けれど決然とした表情を浮かべる。


「さて……それでは状況を開始しましょうか」




 そうして。




「【世界変換。コード101】」


 薄桃色の唇が、この星にあっては誰にも意味を理解できないような言葉を紡ぎ出す。


「【青は藍より出でて藍より青く、青は愛、()(いだ)きて相寄(あいよ)()おう】」


「【imbrue(インブル) in(イン) blue(ブルー)】」


 それは奇妙な言葉遊びの羅列だった。


「【10は(アァ)、1は(アィン)】」


 それは、不可解な数字遊びの羅列だった。


「【無駄に繋げてAと1(アァアィン)】」


 それは、老境に入ってより学問に目覚め、人が人足らんとして生み出した言葉も数字といったツールを、まるで玩具のようにして遊び、戯れながら時を過ごした知性による、悪ふざけのような魔法詠唱の聖句だった。


「【世界よ染まれ、()べて波凪(なみな)ぐ七色へ。奈辺(なへん)に並ぶ奈落の鉛、何も無しなら名に(なら)え、那由他(なゆた)(なわ)()()いで()げ。imbrue(インブル) in(イン) #0000A1(ブルー)】」




 だが。


「【第一段階、終了!】」




 少女の聖句に、炎と夕暮れの色に(あか)く染まっていた港町の空が、一瞬で青から群青色(ぐんじょういろ)へと移る、そのグラデーションの色に、染まってしまう。


 そしてそこには、時折、稲妻のような形で、しかし七色の閃光が走っていた。


「世界改変魔法。世界そのものを自分に有利なフィールドへと変換する魔術。効果は限定的とはいえ、ラナンキュロア様が罅割れ世界の統括者(フィヨルクンニヴ)を使えるよう、補助的に加えたものの原典です。罅割れ世界の統括者(フィヨルクンニヴ)……【エキシ・エァヴィリェ】は、そもそも守りのための魔法でしたからね。破壊衝動を元に発動させるには、これを一段階、挟み込む必要がありました」


 少女は、真夏の青空よりも濃い、群青色に染まった空を背景に、シュシュっと拳を……シャドーボクシングのように何度も繰り出す。


 白銀の髪が、それにあわせひょこんひょこんと跳ねた。


「さて、それでは……ここからは肉弾戦、ですか」


 天使は、暴力のぼの字も、格闘のかの字も、戦いのたの字も縁遠いその姿で、右ストレートを、左ストレートを、右アッパーを、左フックを、正拳突きを、裏拳を、掌底を、(くう)に突き出す。


「もはや夢を見ることもないような異形体。ならば物理的に近付き、直接【燃焼石(ノーヴァリュグ)】に触れ、キレートシステムを叩き込む必要があります」


 白と黒の巨人は、何を考えているのか、既に体長で二十メートルを超えたその姿で、手を、髪を模したと想われる触手を、天使の方へと向ける。


「この星で暴力を行使するのは、二度目、ですか。幼い少女の姿をしたモンスターよりは……まだ心が痛まないとはいえ、その魂は、おそらく元は人間のもの。苦痛無き……少なきよう、手早く終わらせる必要がありますね」


 だが、巨人のその動きはもう、緩慢だ。


 人体は、体長二メートルを大きく超えた辺りで限界が来るといわれている。


 それ以上は、ただ普通に動くだけで間接をはじめとした全身に、膨大(ぼうだい)な負担がかかるようになるという。


 自重に、大きさに見合う重さに、自分自身の身体が耐えられなくなってしまう。内臓も、それだけの体積を管理しきれない。


 それは人の姿を、そのまま大きくした場合に発生する構造的欠陥だ。


 ならば人道を大きく外れながらも、しかし構造的には人の姿を模す巨人にも、その欠陥は(あらわ)れている。


 もはや手を、足を素早く動かすことなど出来ない。髪を模した触手であってもだ。


 肉の身体ではないから、自重で崩壊することこそないものの、人が手を動かすようには、身体を捻るようには、もはや動けない。




「【では、第二段階……状況開始、です!】」




 閃光が走る。




 (そら)に、七色の稲妻が。




 (くう)を、白金(プラチナ)穿孔(せんこう)が駆け抜ける。


「!!」


 直後、巨人がよろめく。


 人であれば心臓がある辺り……と思われている右の胸、そこに大きな穴が開いている。乳房を模したと思われていた白い塊も、右のそれ自体が消えてなくなっている。


 一瞬で、それは斧のような形をした鱗によって塞がれ、癒合されてしまうが……。


「七つ、【燃焼石(ノーヴァリュグ)】を破壊させていただきました」


 千速継笑(せんぞくつぐみ)であれば、「いやウル●ラマンかよ!?」とでも叫びそうなポーズで空に静止した白銀の少女は、どこで知ったのかスペ●ウム光線でも発射するかのような構え……いや仮面●イダーのどれかな決めポーズ?……も見せながら、柔らかな(まなじり)をそれでも吊り上げ、白金の視線を巨人へと向ける。


「【点無き線に意味は無く、意味が無ければ意思も無い、意思が無ければ意志も無い】」


 そうして叫ぶ。


「【意志を失いし結節点(ノード)は乱れる! 耐えられぬ孤独に! その混沌がゆえに!】」


 死刑宣告を。


「【プラチナム! サンダー!!】」




 ぼぅ……と。




 それは、燃え続ける街を背景にしては、轟音に熔けてしまうほどの小さな音。


 だが、巨人の白い胸には、静かに(ほむら)が立ち昇っている。


 巨体にはあまりにも小さすぎる炎。メラメラというよりかは、蛇の舌がごとくにチロチロとしか燃えていない。


 しかし、そこで燃えているのは、表面ではない。


 巨人が、やはり緩慢な動きで己が胸をさするも、その火は消えない。


 白金に輝くその炎は、異形が何をどうやっても、消えたりはしなかった。


「【元は人間……なのでしょうが、今はただ無闇矢鱈(むやみやたら)と自己を拡張しようとする秩序なき危険な異形体です。本来……ここは私の出る幕ではないのでしょうが、これにはラナンキュロア様の命も……今はどこかへと消えて姿を現さないマイラの命も関わっているのです。この星の人間ではない私に、その資格があるとも思えませんが……あなたはここで、滅させてもらいます!】」


 再び、(そら)に七色の閃光が走る。


 赤いローブの少女が(くう)より消えて、ただその代わりに、巨人を貫く七色の稲妻だけが空間に残っている。


 巨人は叫ばない。声をあげる機能がないから。


 巨人は苦しまない。痛みを感じる機能がないから。


「……ご……ぎ」


 だがその身体の、何が音を立てているのか、腹に大きな穴を開けた巨人からは、まるで硬い骨が折れるような、石が岩に当たり、擦れるかのような音が響いている。


「今度は三十三個、です。【プラチナム! サンダー! マックス!!】」


「ぐりゅっ……」


 またも一瞬で閉じたその白い腹から、しかし白金の焔が、今度は穏やかではない激しさで噴き出す。


「ごぎょ……」


「【これが、この身体の限界、のようですね】」


 いつの間にか、巨人の頭上にて少女は、手をグーパーグーパーと握り、開きながら、自分自身の力を確かめるかのようにして、微笑む。


「【アーレス派(バドゥレィナ)の方々とは、比較的上手くやれていましたから、これも高い精度で写し取ることのできた強力な魔法(スキル)、なのですが……世界を改変してさえ、これ以上は強力な一撃とならないようですね。レオ様と戦ったら、確実に負けてしまうでしょう。ラナンキュロア様……は、状況次第ですが、能力をフルに使われたらやはり勝てないでしょうね】……っと」


 ゆるりゆるりと巨人の、髪を模した触手が、己が頭上の少女を取り込もうと逆立つ。


 遠目にそれは、奇怪(きっかい)な食虫植物の、捕食シーンのようにも見えた。


「【ですが! スピードでは負けませんよ!】」


 だが一瞬で、天使は巨人の頭上、その更に数十メートル先へと昇ってしまう。


 触手()を逆立てた巨人は、それを入れれば体長が四割ほど伸びたが、少女が浮かぶ空の高度は、その更に上の上だ。


「【燃焼石(ノーヴァリュグ)を放出する例の攻撃、爆撃は弾切れ……でしょうか。そうですよね、あれだけのことをした直後です、あんなことが連続で何回もできるなんて、ぶっちゃけありえな~い……です】」


 天使が、右手を天高く突き上げる。


「【なら……そろそろ決着を付けましょうか。とはいえ……一度攻撃を加えて、発火させた場所へはもう近付きたくありません。なら……】」


 すると群青色の空に、またも七色の稲妻が走る。


 しかしそれは、今度はもう、一瞬の煌きではない。


 まるで、空に亀裂が生まれ、それが七色に光っているかのようだ。


「【なら、手数を増やしましょう】」


 地下の、閉鎖空間からそれを見た魔法使いの少女は、それが己の、罅割れ世界の統括者(フィヨルクンニヴ)にも似たイメージを持っているということに驚く。


 そうしてから、自分の魔法はあの、超常的存在(デウスエクスマキナ)に与えられたものだったなと、強く思い直す。


 自分の罅割れ(それ)も七色に光ったらどうだろうかと考え、サイコ感が増すだけかと、やはり強く思い直した。


「【それでは……まずは、こうです。世界改変魔法、タイプウェザー!!】」




 ごぅ……と。




 群青色の空から、その亀裂から、雨が降ってくる。


 どこに雲があるのか、どこからその水が現れたのか、わからないまま天をひっくり返したようなどしゃぶりの雨が、炎上する港町へと降り注ぐ。


「【うーん、さすが禁呪指定された魔法です。この世界にIMRA、危険魔法規制委員会があったら、すぐにお縄になってしまいそうですね。これだけで十年は、未来を観ることができなくなりそうですが、それは今更ですからね】」


 降りしきる雨を、物ともせずに、曇天にあってなお輝く白銀と白金の少女はやはり微笑む。


 その姿は、力を行使することに喜びを覚えているようでもあり、それが与えられた頃の自分自身を、懐かしんでいるようでもあった。


「【こんな風に、晴れの日も雨の日も、たくさん、遊びましたね、ナオ様】」


 巨人が再び、悪魔のように、天使を捕らえようとその腕を、触手を、伸ばしていく。


「【世界を滅ぼしかねない魔法を、ふたりだけの秘密にして、たくさんたくさん、遊びました】」


 だがそんなものは、届かない。


「【あの日々は、今も私の心の中で輝いています】」


 再生力(しぶとさ)だけを頼りに、ただひたすらに(パワー)を追い求め、自己を拡張していった巨人(デカブツ)の攻撃などは、ただひとりに想われた愛犬には届かない。


 届くはずもない。


「さあ、終わらせましょう。夢は夢に、無限は夢幻に。あなたが追い求めたモノは、追い求めるモノは、もうどこにもありません。ただ求めるだけは無限の辛苦でしょう。夢は呪い、人の夢を奪うとは人の呪いを背負うこと。あなたは背負い過ぎました。その重さが今、あなたを縛っている」


 七色の稲妻が天使を包む。


 ある種下品といえるまでにカラフルでありながらもそれは、しかしやはり少女が天使であることの証明のようにも見えた。観えた。


「搾取したモノの重みに呪われし巨人! その罪を今! 私がキレートします!!」


 白銀の影が巨人を包む。


 白金の影が巨人を包む。


 薔薇色の影も巨人を包む。


 七色の稲妻もその全てに付随(ふずい)していった。


 それは残像だったのだろうか、それとも分身だったのだろうか。なにもかもが可笑(おか)しすぎて、誰もそれを確定できない、できなかった……それはもうそのような光景だった。


 そうして……。


「【全弾! 射出!】」

「り゛ょご……」


 全て影が、音も無く、容赦無く、逡巡すらも無しに、千なる七色の線となって、巨人を貫いた。


「ごがごぎごごげがぎぎぎ」


 巨人の身体は穴だらけとなり、鱗がそれを閉じようとするももはやそれすらも空を切る状態となっていた。


 ゆっくりと、ゆっくりと、その身体が、傾いていく。


「ふぅ……全ての【燃焼石(ノーヴァリュグ)】、それに込められたエピス、生まれ出でてしまったエピスデブリ、その全て! 呪われし(すべ)て! 壊させていただきましたっ!」


 直後、白銀の髪を翼のように広げた天使が巨人の目の前……のっぺらぼうの顔の前に現れる。


 少女は、やはりどこかで見たような決めポーズを何個か繋げ、そうしてから踊るように言い放つのだった。




「これにてオールフェイズ! 状況終了、です!!」


「ぐ、がげんごぉぉぉぉぉぉぉ」








<ラナ視点>


「いやさぁ……」


「あのさぁ……」


「そりゃ、さぁ……」


「わんこな美少女が、癒やし枠だと思っていたら、ブッチギリの脳筋キャラだったとかさぁ……」


 42Vほどの画面(モニター)に映る、眼下にあった倉庫を押し潰すかのように崩れ落ちていく白黒の巨人、その巨体の終焉を見ながら私は……。


「ベタだけどさぁ、なんなら癒やし(ヒーラー)枠って、修道僧(モンク)だから殴るよねとか、刃物が使えないからゴッツイ金槌(ハンマー)持つよね、とかってキャラだったりもするけどさぁ?」


 そんな状況ではないというのに、まったくもってそれどころではないというのに、とても頭が痛くなるような馬鹿馬鹿しさに私は……思わず、こう叫ばずにはいられなかった。


「せめて特撮なのかプリ●ュアなのか! リスペクト先くらいはハッキリしとかない!?」




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