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魔法少女スカーレッド  作者: ブラウン
第一章
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横取りの再会

どうも、こんにちは、明日は学校があると思うと少し憂鬱な朱莉です。


物覚えが悪い訳ではないのですが、間違って覚えている箇所が所々あり、

空白を埋めても点数が低いのが悲しいです。


頭の中で別の事を考えながら授業を受けているからなんでしょうが、

そのせいで点数が上がらなくて、上がらないから苦手なままで、

苦手だから上の空…、有り体に言えば悪循環ですね。



一昨日の夜の初戦闘から魔獣と戦えていないですし、

戦うにしてもクリスが魔法道具なる物を取りに帰って、

未だに戻ってこないですし、特にすることが無いんですよね。


ゲームをポチポチしながら一日過ごしましょうか?

昨日は図書館に行ったから今日は家に居ても良いですよね?



「やっほ~、戻ったよ~、窓を開けてくれないかい?」



チッ、間の悪い妖精ですね、もう少し早ければ快く開けたのですが…。

勉強しようと思った時に、勉強する様に言われると

やる気が無くなるような感じですかね。


いえ、違いますね、

楽しもうと思った時に手伝いを頼まれた感じでしょうか…。


それだとそのままですねぇ、良い例えが思い浮かびませんね。



「えっと、また無視かい…?」


「・・・、少し考え事をしていただけです。」



仕方がないので窓を開けるとしますか、考え事をしていたのに違いはないですし。



「そっかそっか、それより!、昨日言ってた魔法道具を持ってきたよ!

 使い方はいたって簡単、手首に巻いて倒した魔獣に近づけるだけ!」



聞こうと思ってる事を先回りして言われるのってどうですか?



「・・・、じゃあデメリットは?」


「デメリット?、特に無いハズだけど、

 強いて言うなら…近づかないと回収出来ないけど、

 朱莉は遠距離攻撃無いでしょ?」


「・・・、そうだけど…、嘘言ってない?」


「近い近い!、近いし怖いよっ!。僕ら妖精は()()()()()()よっ!」



こういったアイテムは装備者の体力なりスタミナを吸ったりしそうですが、

コレは無いとの事です、話を信じるならですが…。


・・・、それに嘘は吐かない、ですか。

嘘は吐かずとも騙すことはした癖に・・・。



「・・・、何か気を付ける事は?」


「う~ん、魔法道具は基本的に変身しようが解除しようが影響されないから、

 変身前に着けてても良いけど、ポケットに入れてると変身後に落ちちゃうね。

 あと、安くはないから壊さないように気を付けて欲しいかな?

 まぁ振ったり落としたり転んだりしても壊れない程度に頑丈だけど、一応ね。」



話を一通り聞いて私は玉飾りの付いたミサンガの様な魔法道具を受け取った。



「・・・、分かった気を付ける。」


「まぁ、魔獣発生予測が出てから着けても―—『ビーッ!ビーッ!ビーッ!』

 タイミング良く来てくれたみたいだよ?」


「・・・、だね、行ってくる。≪変身≫」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【SIDE ソシエル&アルクス】


「そっち行ったよ、アルクスッやれるっ?!」


「ゴーメンッ、ちょっと厳しい!」



住宅街を駆け抜けながら猿の様な魔獣を追いかけるソシエル(真帆)アルクス(芙弓)



「この先の道を右に誘導させてっ!上から先回りして挟み込む!」


「りょーかいっ!、≪ラピッドファイヤ≫!!」



青い瞳に、三つ編み束ねた金の髪、

緑を基調としたシャツと外套に、革の胸当てにホットパンツとロングブーツ。


武器には魔法の矢を放つダークオークのような弓を使い、

耳が尖っていればエルフといって過言でない整った容姿をした魔法少女アルクス。


そして、その弓から放たれた青白い光の矢が分裂し、

時間差で猿の魔獣の背に襲い掛かった。


しかし、猿の魔獣はそれを脇目に躱し、そのまま横道に逃走した。

誘導されてると知らずに。



「ソシエル~!そっち行ったよ~!」


「さっすが!アルちゃん!。決めるよ!」


「分かった!合わせる!」


「≪マジックフレイム!≫」「≪エクスプロセィブ!≫」『≪ショット!≫』



一本道で挟み込まれる様にして撃ち放たれた炸裂攻撃。

しかし、それが爆発を起こす前に比較的広めの路地に入り込まれてしまった。


爆熱の余波が収まってすぐに追いかけ、見失う事は避けられたが、

追い着く事がなかなか出来ないでいた。



「さっきので倒せなかったのは痛いね~。」


「うん、それにこの辺りの建物は高いから、上からは追いかけれないし…。」


「私、走るの疲れてきちゃったんだけど…、私も箒に乗せて?」


「流石にそれは厳しいかな、乗れても追いつけなくなっちゃう。」


「あぁ~、やっぱり…?」


「うん…、ごめんね?。でも、これジリ貧だよねぇ…。」


「だねぇ、どうしよっかコレ…。」



少しずつ弱音が増えて来た時、ついに入り組んだ路地の終わりが来た、

そこそこ開けた旗竿地(はたざおち)で、ここから出るには来た道を戻るしかない。


「やったっ!ようやく追い詰めたよ!」


「だねっ!ここが年貢の納め時ってね!」



追い詰められた猿の魔獣が逃げ道を無いか辺りを見回していると、

空から紅い魔法少女が降ってきて、着地と同時に猿の魔物を()()()貫いた。



「なっ!?」


「おっとぉ!、ん?、アレが噂の子?」


「うん、前に見た子だよ。」


「へぇ~、アレがねぇ。ちょっと、君ぃ~、横取りとは感心しないよぉ~!。」



アルクスが非難するように声をかけるが、

紅い魔法少女は一瞥(いちべつ)しただけで、視線を猿の魔獣に戻した。


貫かれた魔獣が堪らず暴れだし、

紅い魔法少女の腕に浅くない引っ搔き傷が増えていった。


すると、少し苦々しい顔をした紅い魔法少女が、

貫いた腕を引き抜き、その手でアイアンクロースラムを掛け、

背中から叩きつけられた魔獣が地面ごと砕けた。



「うっそぉ…、どんな筋力してんの?、地面陥没してるじゃん…。」



アルクスが絞り出すような軽口叩く中、

しゃがみ込んだ体勢からゆっくりと立ち上がった紅い魔法少女の腕に、

倒された魔獣から発生した黒い塵が渦巻いていた。



「ソシエルちゃ~ん、アレどう見る?」


「あんまり…、良い風には見えないね…。」


「あ~、やっぱし?。何か取り憑かれそうな感じだね。」



渦巻いていた塵が少しずつ消えていき、完全に消滅した後。

紅い魔法少女は何かを確かめる様に腕の調子を視ていた。


ひとしきり、腕を確かめた後、紅い魔法少女は怪しい微笑みを浮かべており、

その様子に痺れを切らしたアルクスが声をかけた。



「あぁ~っと、腕の調子はどう?、今話ししても大丈夫かな?」


「・・・・・・。」



浮かべていた微笑みを消し、能面のような無表情に戻り、

コチラを睨むように見つめるものの、何も口にはしなかった。



「・・・、えっとさぁ、さっきの魔獣は私たちが追ってたんだけど、

 その辺どう思ってんのかなぁ~、って思ってるんだけど。」


「・・・・・・。」



猿の魔獣に逃げに逃げられ追いついたかと思ったら横取りされて、

挙句の果てに無視をされて、額に青筋が浮かび始めているアルクス。


そして、再び顔を見て、言葉を紡げなくなったソシエルが居た。

サブタイトルが全然思いつきません…、

何なら本編以上に難産です。

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