説明回とすれ違い
どうも、おはようございます、良い朝ですね、朱莉です。
初の魔獣討伐から一夜が明け、一つの大きな問題がありました。
それは・・・・・・。
「・・・どういう意味?」
「い…、いやぁ、そのままなんだけど…。」
「・・・どうして、お金が貰えないの?」
そう、問題とはお金が貰えないという事です。
「・・・お前は魔法少女になって魔獣倒せばお金になるって言った。」
「う…、うん、言ったし、事実なんだけど…
足りない条件があると言いますか…、なんと言いますか…。」
「…は?」
足りない条件?そんなの一言も言ってなかったじゃないですか!
「えぇ~っと、お金を貰えるのは人間の組織の≪魔獣対策局≫って言うのに
所属したら貰えるってだけで・・・、
そもそも僕ら妖精が普通は日本円なんて基本、持ってない訳で…。」
それってただの対策局に勤務してるだけじゃないですか!
そんなの、詐欺じゃないですか・・・。詐欺じゃないですか!!
「・・・、じゃあ辞め――「そこでね?、僕たち側の仕事をしてみないかい?」
人が話してるのに―—、はっ…?、妖精の仕事?
「魔獣を倒すと君達にも益がある様に、魔獣を倒すと僕たち側にも益があるんだ。
キミにはそれを手伝って欲しいんだ。」
「・・・、お金は?。」
「それなんだけど、コッチ側の通貨じゃダメかな?
日本円と価値は大差ないんだけど・・・。」
「・・・、なんでダメなの?」
「うぅ~ん、ダメって言うか、何と言うか…、面倒みたいな…?。
いやっ!、待って欲しいんだ!不可能って訳じゃなくて、
手続き的なアレが非常にアレな感じで、ともかく現金で渡すのが難しいんだ。
でもっ、でもね?、代わりと言ってはなんだけど、
妖精界でしか手に入らない物も多いんだ!」
「・・・・・・」
「うぅ~、じゃあっ、じゃあさ!お給料から天引きさせて貰うけど
地球側の欲しい物も現物支給するっ!それでどうだい?。」
「・・・、内容は?」
「受けてくれるのかいっ?!」
「・・・、そうは言って無い。」
「うっ…、まぁ何をするか聞かずには受けてくれないよね…、
僕たちの仕事は魔獣から≪魔力≫を回収する事だよ。
具体的には魔獣を倒した後に、とある魔道具を使うだけだよ。」
「・・・、理由は?」
「ん~、流石にコレ以上は受けてくれないと言えないんだ、ごめんよ。」
ん~、それなら…、一応だけど割には合ってるかな?
別に現金が欲しい訳じゃなくて、ゲームが欲しいだけだから、
現物支給でも良いかな・・・今の所はだけど。
そこに妖精界の物が買えるなら、損はしてない…よね?。
「・・・、わかった。」
「受けて、くれるのかい?」
「・・・、ん、やる。」
「よかったぁ~、本当に良かったよ。受けてくれて本当にありがとう。」
「・・・、で、理由は?」
「えっと、理由についてなんだけど、僕たち妖精界はコッチの電力みたいに
魔力で世界を回しているんだ。
そして魔獣は倒したら塵になって霧散したでしょ?、
あの塵は魔素っていう、まぁ魔力みたいな物なんだ。
その霧散した魔素を集める為の手段が実は≪保護領域≫なんだけど、
それも、効率が一番良いって訳じゃなくて、
一番良いのは倒した魔獣から霧散した魔素を直接回収する事なんだ。
それをキミに頼みたいんだ。」
ふむ、やはり裏がありましたか。
脅迫めいた手段を取ったり、交渉してきたりと、
善意の協力者では無いと思っていましたが…。
地球で例えるなら落雷を電力に置き換える作業…。
とでも考えていて良いのでしょうか?
「・・・、どうやってやるの?」
「回収方法かい?、それには専用の魔法道具が要るんだけど、
今は手持ちには無いから明日にでも持ってくるよ。」
「・・・、他には?」
「ん~、あっ、そうだそうだ。
スマホは持ってるでしょ?そこに入れて欲しいアプリがあるんだ
日本だと防衛省って所が出してる「魔獣発生予測」ってあるんだけど」
「・・・、なんでそんなのあるの?」
「まぁ、一応だけど妖精は一部の国だけだけど、協力関係にあるからねぇ。
妖精側は魔獣と効率よく戦闘出来るように、
人間側は魔獣が早急に排除出来るようにってね。
まぁそれを特殊な方法で起動すると、
僕が居なくても≪保護領域≫を使えるようになるよ。
まぁ、疑似的な魔法道具みたいなものだね。
さて、他には大丈夫かな?、じゃあ僕は魔法道具回収に一旦帰るけど…。」
「・・・、昨日の魔獣分のお給料、忘れないでください。
それと、私の名前は節田 朱莉です、これからよろしく。」
「え?、ちゃんと喋れたんだ…。
えっと、もちろん忘れないよ?、それとコチラこそよろしく。
僕の名前はクリスだよ!。」
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どうも、こんにちは、バイトから一夜で契約社員になりました、朱莉です。
テロぐるみ、もといクリスが妖精界に帰ったので、
休日のライフワークである図書館に向かっています。
個人的には家で一日ゲームしたいのですが、
それをするとお母さんが怒り、お父さんが心配してくるので、
運動がてら図書館に行くようにしています。
道すがら、キッチンカーのクレープ屋さんを見つけたのですが、
手持ちが少なくて買えそうにありません。早速現金が欲しくなりましたね。
クレープに気を取られすぎて、周りに疎かになっていた様でして、
前から歩いてきた人にぶつかってしましました。
昨夜も似たような事があったのに…。
「ごっ…、ごめんなさいっ!。怪我はしてないですか?、痛くないですか?。」
見た所、私の1~2才、年上の人とぶつかった様でして、
コチラを非常に心配している様子が感じられました。
「…、大丈夫です、どこも痛くないです。コチラこそ…ごめんなさい。」
「もぉ~、真帆ちゃん、しっかり前見ようね?。
ごめんね~、私からも気を付けておく様に言っておくから。」
ぶつかった人の友達らしき人が話に加わってきた。
「いえ、気にしてないので…、気にしなくて大丈夫です…。」
そう言って私は脇を抜ける様に立ち去った。
あぁ~、やっぱり他人と話すのは苦手だなぁ~。
何か変な事、口にしてなかったよね?。
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【SIDE 真帆&芙弓】
「真帆ちゃん真帆ちゃん、さっきの子、可愛かったねぇ~。」
「そうだね~、小学2~3年生くらいかな?。」
「多分だけど、それくらいじゃないかな?。
くりくりお目目で、背も小っちゃいのに
慣れてないですます調で、精一杯背伸びしてる感じだったねぇ~。」
「ふゆちゃん、小っちゃい子大好きだもんねぇ~。」
「えへへぇ~、それほどでもぉ~、あるんだけど。
それより、考え事ってさっき言ってた昨夜の人?」
「う…、うん、一体何者なのかなぁ…って。」
「それって既に千裕さんに伝えてるんでしょ?」
「うん、午前中に行ってきたし、言ってきた。」
「なら別に良いんじゃ無いかな?。
正直私たちが出来る事って魔獣を倒すくらいしか無いんだし。」
「うぅ~、そうなんだけど。やっぱり気になっちゃうんだよねぇ。」
「まぁでも、前は向いて歩こうね?。」
「うっ…、はい、気を付けます。」
【SIDE 真帆&芙弓】
それぞれの主観は食い違う所があったりはしますが、
主観や見栄から来るフィルターによるものなので、
矛盾ではありません。
(誤字や書き間違いでなければ。(;^ω^))