新たなる敵 【another side】
予約投稿に失敗していました、大変申し訳ございません。
修正済みですのでご安心ください。
【SIDE エクエス】
スカーレッドの首を落とさんとフィロクスが刃を振るうが、
どうゆう原理かスカーレッドは姿を消していた。
そして、それを行なったであろう白い仮面を着けた黒髪の青年が立っていた
その男の足元には姿を消したスカーレッドが倒れており、
その横にはフィロクスが斬り落とした左腕が転がっていた。
「やぁ、初めまして。僕の所の子がお世話になったね。」
青年が気安い感じで話しかけて来るが、その場に居た誰もが警戒した。
仮面を着けている時点で怪しいのは当然だが、
保護領域内に男性が居る時点で異常な事態だからだ。
「‥‥‥、一体何処から現れた…、お前は何者だ、何故ここに居る!!」
エクエスが堰を切ったように問い詰めるが、青年は飄々とした態度で返す。
「一度にそんなに聞かれても答えられないよ。
それに僕は君達とお話ししに来た訳じゃ無いからね。」
そう言うと青年は斬り落とした腕を手に持ち、スカーレッドの傷口に押し当てた。
傷口からグチュリと嫌な音を立てて、痛みからかスカーレッドは顔を顰める。
片手で腕を傷口に押し付け、逆の手は古めかしい注射器を何処からか取り出した。
注射器の中身は蛍光グリーンな色をしており、
お世辞にも人体に良い影響があるとは言えない色合いだった。
そして青年はその注射器をスカーレッドの首に打ち込み、中の液体を注入した。
「ガ ア˝ア˝ァ˝ァ˝ァ˝ア˝ア˝ア˝!!!!」
突如、スカーレッドが大きく痙攣したかと思えば、獣の様な咆哮をあげた。
その声は今までに聞いた事の無い、まるでこの世の物とは思えない絶叫だった。
スカーレッドの首筋を見ると注射された所を中心に血管が浮き出ており、
その色も若干だが蛍光色をしていて、その範囲がジワジワと広がって行った。
「お前は…、一体何をしてるんだ!!」
「何って…治療行為だよ。思っていた以上に副作用が大きいみたいだけどね。」
エクエスが叫ぶように問い詰めるものの、青年は悪びれもせずに答える。
その内容はまるで人体実験でもしているかのようでもあった。
「それに、それを言うなら僕の台詞でもあるんだよ。
確かにこの子は強いかも知れないけど、それを寄って集って襲い掛かって
腕を斬り落とすだけじゃなく、殺そうとしていたでしょ?
この子は君達と違って簡単に傷は治らないんだからね?」
青年は逆に魔法少女達を咎める様に言い返した。
その言葉に思わず魔法少女達は動く事を躊躇ってしまった。
蛍光グリーンに色付き、浮き出た血管が左腕にまで達するとその動きを止めるが、
数秒後に繋がってない筈の左腕も血管が浮き出始め、力強く手の指が開かれる。
「うっそぉ~…、あれヤバくない?」
アルクスが冷や汗をかきながら呟く、
その内容は全員が思っていながらも口にしなかった言葉だ。
不意打ちに不意打ちを重ねてようやく見えた勝ち筋が消えてしまったからだ。
「分かっている‥‥‥。
オルビス聞こえているか、フィールムと合流して救援に来てくれ。
イグニスはサーヤの回収、他はその援護を、急げ!」
アルクスの不必要な発言で現状を再確認してしまい、
一秒毎に危機感が募り始めたエクエスが今取れる最善手を考え、それを伝えた。
それを聞いた魔法少女達は一斉に動く。
オルビスが召喚したハチドリはフィールムに向かい飛翔し、
イグニスは瓦礫に埋ったサーヤの元に駆けつけ、
ソシエル達は仮面の青年に武器を構えて、攻撃態勢に入っている。
「…、頭に来てるのが君達だけだと思っているのならそれは間違いだよ。
僕は温厚な方だと自分でも思ってるけど、決して怒らない訳じゃ無いからね。
まぁ…そこで見てなよ、直にこの子も目覚めるからさ、
お話しするにしてもその後だよ。」
青年がコチラに背を向けたまま、スカーレッドの様子を見ており、
積極的に攻撃してくる訳では無さそうな様子であった為。
ソシエルたちが攻撃するのを躊躇っていると青年が背中越し話した。
少しするとフィールムとオルビスが合流し、サーヤの無事も確認された。
フィールムとオルビスに現状の情報共有をしているとサーヤが目を覚まし、
仮に戦闘になったとしても準備はある程度は整っていた。
暫くするとスカーレッドが目を覚まし、辺りを見渡した後に自身の腕を確認した。
その動きには驚いた様子は特に無く、流血による不快感が強く感じられた
(やはり、あの治療法… いや、もはや再生とまで言えるあの技術は、
彼らの中では比較的ありふれている物なのだろうな。
ならば、なんとしてでも、情報を一つでも多く集める必要があるな…。)
「さて…、それで一体、君は何処の誰なのかな?」
エクエスは頭の中で思い描いた欲を押し殺し、青年に笑顔で話しかけた。
「僕かい?僕の名前はクロだよ、『偽名』だけどね。」
偽りの笑顔で話しかけたエクエスに、青年が偽名と言う皮肉的な応えで返した。
(チッ…、スカーレッドとは別の意味でやりにくい相手だな…。)
「ではクロ殿、そこの紅い人物を我々に引き渡して貰いたいのだが?。」
「ゴメンよ、それは聞けそうにない願いだね。
僕としても手違いが多くて申し訳ないとは思っているんだよ。」
エクエスの頼みは断られてしまったが、情報を引き出す切っ掛けは掴む事が出来た。
「ほう?、何が手違いなのかくらいは教えてくれるのかな?」
「う~ん…。僕の手違いって言うのはこの子の事だよ、
君達がスカーレッドって呼んでるこの子。
僕が目を離した隙に居なくなっちゃったんだ。
ようやく見つけたと思えば死にかけてるし、大変だよ…。」
(やはりこの青年はスカーレッドよりも上位に位置する人物のようだな…、
しかもコチラが付けた仮称も知っているのか…。
で、あるならば是非とも話を聞きだしたいが、少し難しいか…。)
青年の返事に自問自答するように脳内でこの先の動きを組み立て始めた。
「なるほど、それは大変だな。
だがコチラもスカーレッドに被害を被っているんだ。
お咎め無しという訳には行かないな。」
「う~ん、じゃあお詫びにどんな質問でも応えるよ。」
「ふむ…、それが真実である確証はないだろう?」
被害と言う単語を使い、少しでもコチラに理があるように話を進め。
青年が質問に応える、との発言を引き出させたが、直ぐには食いつかず。
嘘を吐かれるかも知れないと言う指摘を入れる。
「そこは安心してよ、僕は生まれてこの方、嘘を吐いた事が無いんだ。」
「その言葉が既に嘘だとは思わないのかい?」
「思わないね、一度も嘘を吐かずに生きて来たんだから。」
その指摘に青年は「嘘を吐いた事が無い」と言う、
何とも見え透いてありふれた、そしてありえない嘘を口にした。
(少なくとも、まともに相手にする気が無い事だけは確かだな…。)
オペラやミュージカルの役者の様に身振り手振りを交えながら話す青年に、
エクエスは早々に見切りを付けて、実力行使の為の準備を進めながら話す。
「だったら君たちの本名を教えてくれ。」
「それはナイショだね。」
「‥‥‥、君は自分の言葉も忘れてしまったのかな?」
「いやいや、忘れてないよ。
確かに僕は応えるとは言ったけど、答えるとは言ってないんだよ。」
青年の言葉遊びに、笑顔の下で怒りをため込みながらも、
オルビスを通じて周囲の魔法少女達にサインを送る。
「なら…、力ずくで聞かせて貰うとしようかな。」
「そうしたいなら最初から話なんてせずにするべきだったね。」
エクエスの言葉で魔法少女達が攻撃の詠唱などを始めるが、
それよりも早く青年の方が動いた。
青年は手を叩いて鳴らすとスカーレッド共々、黒い煙の様に姿が掻き消えた。
「なッ!!??。…ッオルビスは現世を含めた索敵!他は周りを固めろ!!」
エクエスは咄嗟に指示を出すが、結局二人が見つかる事は無かった。
予約投稿に失敗し、次の話が投稿されていまして、もの凄く焦りました。
現在修正済みですので、安心して下さい。




