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魔法少女スカーレッド  作者: ブラウン
第二章
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紅落日和 後編 【another side】

作戦会議から数日後、魔獣が発生しなかった為、

紅い魔法少女捕獲作戦は決行される事は無かった。



だが遂に魔獣の発生を予測した通知が届いた。


発生の場所は北区、当初の予定では東区のみの予定だったが、

一区だけでは効率が悪い事から、東区と北区の両区で発生した魔獣を囮に、

紅い魔法少女、通称『スカーレッド』の捕獲作戦が変更された。



そして今、北区に8人の魔法少女が集っていた。






「さて、最後の確認だが作戦の内容は忘れて無いね?」




エクエスが全員に向けて、確認するように聞いた。


その言葉に各々が自身の役割を思い返した後、頷いた。




「よし、それじゃあ紅い魔法少女、もといスカーレッド捕獲作戦…、

 いや…、名前が長いな…、作戦名『紅落日和』を開始する!!」




◇◆◇◆◇◆◇◆◇




領域内のとある建物の一室で、エクエスを始めとした魔法少女が待機していた。




「ん…、魔獣見つけた。」




皆が声も出さずに集中している中、声を上げたのはオルビスだった。

オルビスはハチドリ程度の召喚獣を放ち、囮になる魔獣を索敵していた。




「場所は何処っスか?」


「ん…、ココから…、駅近くの高めのビルの上。」


「紅い…、えぇっとスカーレッド?レット?は居たの?」


「むん……、まだ見つからない、でも魔獣は無事。」


「ふむ、ならまだ待機しようか、現れない可能性もあるが、

 それで焦ってしまっても意味が無い。魔獣が現世に出るギリギリまで粘ろう。」




イグニスやアルクスが色々と質問し、その答えを元にエクエスが待機判断を下す。




「ねぇ~、まだぁ~?」


「まぁ落ち着き給え、10分も経っていないよ。」


「そう…なんですね。でも、私も緊張してきちゃいました…。」


「わ、私もさっきから自分の心臓がバクバクうるさいです…。」




アルクスが不満を漏らしフィールムがそれを静めた。

そして緊張すると、ソシエルが言うとロクに喋って来なかったサーヤが同調した。




 ・

 ・

 ・




待機してから5~10分程経った頃、遂に動きがあった。




「ん…、紅いの見つけた。」




オルビスの報告にピリついた空気が流れ始めた。




「状況は?」


「ん…、高めのビルの上で、こっちには気づいてない…、と思う。」


「分かった、続けてくれ。」


「ん‥‥‥。多分、魔獣に気づいた。」


「よし、全員動くぞ。魔獣を中心に囲むように展開する。

 オルビスは誘導を頼む。」


「ん…、了解。」




エクエスの指示でオルビスは追加で召喚し、

一人に一羽のハチドリを誘導係として付けた。




「ん…、紅いのが動いた。直ぐに移動した方が良い。」


「分かった。全員聞いたな?、時間が無いが見つかってくれるなよ。」




その言葉と共にオルビスを含めた全員が建物を後にし、

紅い魔法少女と魔獣の二点を中心とした楕円を描く様にゆっくりと包囲し、

見つからないよう慎重にその円を絞って行った。


そしてスカーレッドがナイフで射貫かれている魔獣の少し手前で動きが止まった。


その光景を見た全員が一気に緊張した空気になり、額に冷や汗が流れる。


スカーレッドが魔獣を倒さずに腰に手を伸ばした為、

急遽アルクスは『スタニングショット』の準備を始めた。



そして腰から取り出したベルをスカーレッドが振ると、

()()()()()()()()が、スカーレッドが周囲を警戒し始めた



その姿をみたアルクスが溜めに溜めた『矢』をスカーレッドに放った。



「総員!作戦開始だ!!」



エクエスが遅れを生まないように号令をかけるが、

それをかき消しかねない程の音が炸裂した矢から発せられた。




「≪ペネトレイト・レイ≫!」「≪改式・サンダーショット≫!」




急な戦闘になってしまったが、ソシエルは遅れる事無く攻撃を撃っており

二人の攻撃でスカーレッドの両足を撃ち抜いた。


そしてフィロクス、サーヤ、イグニスの三名も、

遅れる事無く包囲出来ており一斉攻撃が始まった。




「ここで倒れて貰うっスよっ!!」




イグニスが火炎を纏わせた拳を振るい、

サーヤは見た目に寄らず、力の籠った杖を振るい、

フィロクスは居合抜きで確実に仕留める様に狙った。



だが、簡単にやられなかったのがスカーレッドだった。



イグニスの拳を頬を焼きながら躱し、あまつさえ拳を返し、

サーヤの振るったステッキを槍の石突きで難なく止めた。



だがフィロクスの刃を止める事だけは間に合わなかった。



スカーレッドの首を目掛けて抜かれた刃が斬り裂かんと迫って行った。



しかし、その刃が首を捉える事は無かった。

スカーレッドは自身の左腕を咄嗟に(身代り)にして逃げ延びた。




「よくやった!戦果としては十分だ!撤収も視野に入れて動くぞ!」


「エクエス!このままやれば()れる!、化けの皮を剥いでやるぞ!!」




エクエスの説得むなしく、フィロクスが好戦的な様子で反論した

そのフィロクスの言葉に勝利を感じた他の魔法少女が思わず、

武器を手にスカーレッドに顔を向ける。



だがそこに居たのは今までのスカーレッドでは無かった。

正に手負いの獣と言った様子のスカーレッドがそこに居た。



暗く濁った瞳にドロドロとした闘志を宿し、決死の覚悟が映っていた




「・・・、こんな所で死んでやる訳には行かない」




スカーレッドが呟くと同時に今まで見せた事が無い程の速度で動いた。



手に持った槍がサーヤに向けて振りぬかれて、弾かれる様に吹き飛び、

サーヤは壁に叩きつけられた。




「「サーヤ!」さん!」




エクエスとソシエルが飛ばされたサーヤを気に掛ける一方、

フィロクスがスカーレッドに先ほど以上の速度で刀を振るうが、

少し姿勢を低くする程度の最小限の動きで躱され、

更には後ろに突き出すような蹴りを放った。




「グッ…!!、ガァッ…!!!」




フィロクスは間一髪で左腕を滑り込ませ、緩衝材にして致命傷を避けたが

その一撃で左腕は明後日の方向を向いており、肋骨も数本折れてしまった。



だがそこでスカーレッドは止まらず、蹴りを放った足で地面を踏み込み、

槍はイグニスに、逆の足はフィロクスに追撃を入れた



両者ともスカーレッドの攻撃を辛うじて躱したが、

いつまでも躱せるほどの余裕は無くなっていた。




「二人とも!離れて下さい!!!≪マルチプル・サンダーショット≫!!」




そんな中でソシエルの声が聞こえ、反射的にその場を離れると

スカーレッドに向けて嵐の様な攻撃が降り注いだ。


エクエスとアルクスとソシエルが集中砲火を浴びせていた




「アタシも援護するッス!!≪籠鳥檻炎(ろうちょうかんえん)≫!!」




ソシエル達三人の一斉射撃を槍で打ち落としていくスカーレッドだったが、

イグニスの炎の壁で囲まれて攻撃が見えにくくなってから被弾が増えて行った。




「その首、貰ったァ!!!」




そんな中、フィロクスが奇声とも取れる程の声を上げながら炎の中に突っ込み

身体のあちこちを黒く焦がしながらもスカーレッドの首目掛けて刀を振るった。




スカーレッドは気付くのが遅れたのか振り向いた時には既に遅く、

その刃は腕を滑り込ませる隙間も無いほど近くに迫っていた。








「首を貰われちゃ困るなぁ。」








聞いた事の無い謎の声がしたと同時にスカーレッドが姿を消し、

フィロクスの振るった刃が(くう)を斬った。



全員が声のする方を見るとそこには白い仮面をつけた黒い髪の男が立っており、

その足元にはスカーレッドと斬り落とされた左腕が転がっていた。




「やぁ、初めまして。僕の所の子がお世話になったね。」




次回は朱莉視点です

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