欲しいモノ
(どうも、こんにちは、朱莉です。)
(午後の授業は眠くて仕方がない、そんな時って無いですか?
私は今がそうです。)
(美味しいお昼を食べた後、
意味の分からない歴史の授業を受けたら、気付けば授業が終わっている…。
そんな感じですね、眠すぎます。)
(絶対に教師がしきりに「え~」だの「あ~」だの言ってる言葉には
眠りに誘う魔法が込められていますよ。)
(この教科書だってそうです。
文字を見ていると意識が飛びかけるんです、魔導書か何かじゃないですか?)
(…。魔導書ですか…、お家に帰ったら調べてみますか…。
面白そうな物が見つかれば良いんですが、無ければどうしましょうか…。
いえ、無いならどうしようも無いんですが、別の物でも買いましょうか?)
(アレ…?もしかしてですが金銭感覚がマヒしていませんか?。)
(ま…まだ、ポイントは残っているハズですし?
電子マネーも多くは使って無いハズですし?
だ…大丈夫だとは思いますが少し、すこーしだけ気を付けておきましょうか。)
――キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、その音で目を覚ました一部の生徒を横目に
歴史担当教員が手短に挨拶をした後、静かに教室を出て行く。
(…、ハッ!?もしかして今、私は寝てましたか!?
一瞬、意識が飛んでいた気がしますが…、大丈夫ですよね?)
辺りを少しだけキョロキョロするが特に注目されている感じはしなかった為、
大丈夫だろうと思い、家に帰る準備を始める
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
家に帰ると玄関に見慣れない靴が一足増えており、来客がある事が分かった。
「・・・、ただいま」
「朱莉ー?、召子ちゃんが来てるわよー。」
「ん…、おじゃましてる。」
リビングから母親と来客である従姉の節田召子が朱莉に声をかけてきた
「・・・、召ねぇ、お久」
「ん…、二か月ぶり、元気してた?」
リビングに行くとそこには身長145cm程の朱莉より気持ち背が高い少女が居た
「・・・元気、絶賛成長中。」
「ん…、なら良い。」
「・・・、すぐに召ねぇの背も越える。」
「ん…、それは無理、私達には成長抑制遺伝子のロリニウムが流れてるから」
(な…なんですと…、それならどうすればっ!。……因みにロリニウムって?)
「・・・、そんなの聞いた事無い」
「ん…、今作った言葉。でもお母さん側の人は身長低いし若々しい人多いのも事実」
(まぁ確かにそうなんですよね…、お母さんでも150cmギリギリ無いですし…。
おばあちゃんに至っては後姿だけ見れば幼さすら感じますし…。
私もここ最近の身長の伸び幅が少なくなって行ってますし…。 ゴクリ…)
「・・・、むぅ。 そうだ、今日来た理由は?」
「ん…?、話し逸らした?まぁ良いけど。一応顔見せに来ただけ」
(おや?珍しいですね、召ねぇは普段忙しいイメージが強いので、
買い物もネットでポチッて宅配ボックスで回収してる程、
仕事で暇が無いと聞いていたんですが…、まさかクビにでもなりましたか?)
「・・・、召ねぇクビにでもなった?。」
「なってない、なんでそう思った?。」
「・・・、普段は忙しそうなのに今日は顔見せに来たから。」
「ん…、もう少ししたら忙しくなるから、その前の休みの間に来ただけ」
(やはり召ねぇは召ねぇでしたか…、頑張って下さい。)
「・・・、がんばって。」
「ん…、車の免許も取ったから少しは楽になる。」
(ほぅほぅ、でも召ねぇの身長で車を運転出来るんでしょうか?)
「・・・、おめ?」
「ん…?、なんで疑問?」
「・・・、車乗れるの?」
「ん…、乗れたから免許持ってる。」
(へ?、車に乗るために免許が居るのに、免許を取るのに車に乗るんですか?
卵が先かニワトリが先か問題みたいになってませんか?)
「ん…、大体世の中そんなもの。」
「・・・、へぇー。」
「…、それじゃあ顔も見たしそろそろ帰る。」
「・・・、早いね。」
「ん…、また時間が出来たら顔見に来る」
「あら?、もう帰るの?たまにはゆっくりして行けば良いのに」
「ん…、次の休みはそうします。」
朱莉が車の免許制度の謎を考えていると召子は家に帰る事にし、
朱莉の母親が声をかけるものの、仕事がある為強くは引き止めなかった。
「・・・、またね。」
「ん…、元気でね。」
(???…。なんでしょうか、普段から何を考えているか分かりにくい人ですが、
いつも以上に何を考えているか分からないですね…。)
思いに馳せるものの結局答えは出ず、その間に召子は帰路に就いていた
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
召子が帰ったのを見送った後に自分の部屋に戻ると
クリスがフワフワと浮きながら近づいて来た
「おや?来客があったみたいだけ、帰ったのかい?」
「・・・、うん、帰った」
「ずいぶんと早かったね、20分も居なかったんじゃないかな?」
(へぇ~、ホントに顔を見せに来ただけなんですね、暇だったのかな?)
「どんな話しをしたんだい?よければ教えてよ。」
「・・・、顔見に来ただけみたい。」
「そうだったのかい?少しだけ意外だね。」
「・・・、なんで?」
「ん~、雰囲気が朱莉に似てたから、そうゆうのはしないと思ったからだね」
(なんですかそれ。まるで私が人付き合いしない主義に聞こえますよ。
まぁ、確かにそうなんですけどね、でもそれを指摘されるとムカつきますね)
「・・・、その予想は当たってる、召ねぇ普段は来ないよ。」
「おや?そうだったのかい?なら尚更、何か用事があったんじゃない?」
「・・・、お母さんに用事あったんじゃない?」
「そうかも知れないね、今度は何を調べているんだい?」
クリスが声をかけた朱莉はスマホで妖精界の商品を調べていた。
「・・・、なんか良い商品」
「ざっくりしてるねぇ、何かお勧めしようかい?」
(ふむ…、そういうのもアリですねぇ。では何が良いでしょうか…。)
「・・・、即効性回復薬」
「くふっ…、そうだね。飲み薬を傷にかける様な誤用しない物をお勧めするよ。」
朱莉の欲しいモノを聞いたクリスは失笑してしまった。
(笑いましたね?完全に笑いましたね?、綿抜してやりましょうか?)
「他にはっ…、他には無いのかい?」
「・・・、チッ…。魔導書」
「魔導書かぁ、それは少し…いや結構難しいね。
妖精界と地球の文化の違いを挙げると、一面性と多様性だね。
地球では一つの物で多様性を持たせるのが多いけど、
妖精界は一つの物は一面性に特化してるんだ。」
クリスが妖精界と地球の文化的な違いを先に説明し、続いて魔導書の話に移る
「だから魔導書はそもそもの数が少ないんだ。
難しい魔法を使うなら、儀式的に行う事が多いし、
簡単な魔法だったら魔導書を使うまでも無いからねぇ。」
(えぇ~それはつまらないですね。なら他に何か良いモノは無いでしょうか…。)
「・・・、戦闘に使えるお勧めは?」
クリスの説明に気分が萎えた朱莉は面倒になったのか投げやりな質問をする
「えぇ…、随分と範囲の広い事を言うねぇ。もう少し絞れないかい?」
(そうは言いますが、戦闘能力は高くても経験は低いので、
何があれば良いのかは、よく分からないんですよね。
何か良いアイデアは…、そういえば最近の敵は銃を使ってきますね、
それならば私も銃を使ってみたいですねぇ…。)
「・・・、魔法銃が良い」
「おっ、良いねぇ!それなら前に買った魔法道具みたいに可変式が良いかな?。」
(???、かへんしき…って何ですか?
それに、前に買った魔法道具ってナイフとベルがありますがどっちですか?)
「・・・、どうゆう意味?」
「え?もしかして知らずに買ってたのかい?」
朱莉の疑問にクリスは心底驚いた様子で聞き返した
「魔法道具には主に二種類の使い方があるんだ。
一つは不変式、一定の魔力で一定の効果が出せる物で、
地球で言うと家電とかが該当する魔法道具だね。
もう一つが可変式、魔力量に応じて効果が変わるんだ、
前に買っていたベルなら範囲が広く、精度があがり、
ナイフなら切れ味が鋭く、そして頑丈になるね。」
(へぇ~、そんな違いがあったんですね、見た目で買ったので知りませんでした)
「それで?、今のを踏まえてどんなのにするんだい?」
クリスの問いに朱莉は手に持ったスマホで条件を絞って行き、
その結果見つけた物をクリスに見せた。
「・・・、これに決めた。」
「へぇ~、朱莉ってこうゆうのが趣味なんだね。」
「・・・、悪い?」
「いやぁ?、僕も結構好きだからね。」
二人は少し意気投合した後、クリスは朱莉の望む物を買いに妖精界に戻った。




