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魔法少女スカーレッド  作者: ブラウン
第一章
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悪戯する側 された側。

どうも、こんばんは、血も滴る良い魔法少女の朱莉です。


テンションが上がったまま魔獣に突撃したのは良かったのですが、

いえ、考えなしに突撃するのは良く無いですが…、ともあれ、

ココに来る時のジャンプよりも強めに踏み込んだ一撃を当てた所、

魔獣が爆発四散してしまいました。 サヨナラ!


コホン…。まぁ、四散と言いましても下腹部?は一応残っていますが、

背骨に当たる部分が消し飛んでいますので、

後ろ脚は辛うじて繋がっている程度ですね。


酷いですね、一体誰がこんな惨い事をしたんですか!?。

まぁ私ですが、相手が魔獣で良かったですね。

現実の動物相手にやったら、保護団体が喚き散らして来ますよこんなの。



フフッ、でもこんな簡単な事で7千円も貰えるんですか…

楽な商売ですね…、フヒヒッ。


こんなに楽しい気持ちになったのは久々で、

慣れない笑いが漏れてしまっていますが、誰も見て…、


あ、そういえば、同僚らしき魔法少女が居ましたね…。


あぁ見つけました、そういえば彼女に気を取られすぎて怪我したんでしたっけ?

と言っても痛みを感じなくしているので、特に思う事は無いんですが…。


話しかけられなければスムーズに魔獣を倒せたとも言えますが、

逆に、気を取られなければ、怪我をして無痛能力も確かめれませんでしたし…。



()()()()(いず)れ確かめた能力(こと)と、怪我する原因になった事。


どちらが重いかと言われれば・・・、()()()()しても構いませんよね?。


どうやって悪戯したものかと思い、足を向けると

魔法少女が小さな悲鳴を上げ、杖をコチラに向けてきた。


私の何に怯えてるのかは分からないですけど、私に怯えてるのは確かですよね?。

それに杖を向けて何かを口にしているのであれば、

十中八九何かしようとしているのでしょうし。


手を掴むくらいは許容範囲内でしょう、仮に文句を言われても、

「杖を向けられて何をされるか分からなかったから」と言えますし。

言い訳の準備は整いましたね。


さて、魔獣に攻撃した時の力強い踏み込みとは違い、

速度を優先した、軽く素早い足取りで近づき、

両手首を包み込むように抑える。


「ッッッッ!!??」


声にもならない声ってこうゆう事を言うんだなぁ…。

そんな事を思いながら、首を(かし)げる様に覗き込んだ。


「あぅ…ご、ごめん…なさい。」


近くで顔を見ているとボロボロと大粒の涙を流し、

フルフルと小さく首を横に振る。


可愛いですね、可愛いですけど…、やりすぎましたか…?。

う~ん、怖がられている理由もよく分かりませんが、

ここまでギャン泣きされると流石に罪悪感を感じますね。


下から覗き込む様な姿勢を止め、ゆっくりと手を離すと、

驚きのあまり腰を抜かしたのか、座り込んでしまった。


ありゃりゃ~、やはり驚かせすぎましたかね、

もしかしたらドッキリ系が苦手だったのかも知れませんね。


『お~い、魔獣は倒せたみたいだけど、どうしたんだい?』


突然、頭の中に直接テロぐるみの声が響きました。


ふむ、テレパシー的なアレでしょうか、おそらくそんな感じですね。

やるべき事(魔獣討伐)も終わりましたし、一先ず、戻りましょうか。

決して泣かせた事が後ろめたくて逃げる訳じゃ無いですよ?ホントですよ?。




私は脱兎のごとく、先ほどよりも足早にその場を立ち去りました。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




どうも、こんにちは、初対面の人を悪戯で号泣させた朱莉です。

一先ず、家に帰って来たのですが、流石にアレは心が痛みますね。

現在進行形でジワジワと心にキています。



「いや~、おめでとう!、やっぱりキミは僕が見込んだ通りの強さだよ!!」



その言葉に煽てられて調子に乗って怪我をしたんですが…、それはさておき。


「・・・戻り方は?」


「え?、戻り方??、えぇ~っと、それは変身の解除の仕方って事~だよね?」


「・・・そう。」


「え~っと、個人差があるみたいだけど、魔法少女に変身した時に感じた力を、

 元の≪シード≫に戻す様な感じで、手の平に集めると解除しやすらしいよ。」


らしいよ。って何ですか?、確証もって言って下さいよ。

まぁ、無事に元に戻れたので何も言いませんが…。


顔に負った傷も何も無かったかの様に消えていますね、

残っていないか少しヒヤヒヤしていました。


「うん。しっかり戻れたみたいだね。

 傷の心配しているなら大丈夫だよ?

 変身してる時の体はキグルミを着たような状態だから、

 どんな傷を負っても変身し直した時には()()()()から安心して。


 ただ、致命傷を負ってしまうと変身が解けてしまって、

 基本的に気絶するから、無茶はしないように。

 魔獣を前に気絶するなんて危険でしかないからね?


 後、今手に持ってる物が魔法少女変身する時に必要な物だから、

 肌身離さず持ち歩いてね?」



生身に傷が残らないのであれば特に気する事ではないですね。


ですが、少し気がかりなのは、このボールペンサイズに縮んだ槍ですね。

切れ味的にもペーパーナイフ程度の物なので、

アクセサリーとして持ち歩けそうですが。


そもそも、アクセサリーを持たない人間なので、

忘れてしまいそうなのが問題ですね。


後で紐にでも結んで、ネックレスとして首から下げれる様にしておきましょうか。

……、今しておかないと、それすらも忘れそうですね。


「えぇ~と、ちょっと良いかな?、今更だけど自己紹介しないかい?」


「無理」


「これには即答するんだね??!!」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【SIDE 真帆(まほ)千裕(ちひろ)


紅い魔法少女と遭遇した翌日、

宇塚井(うづかい) 真帆(まほ)は、自身が所属している魔獣対策局東区支部にて、

澄本(すみもと) 千裕(ちひろ)主任と昨日撮影した映像を見ていた。


「確かに…私の記憶にも無い魔法少女ね。」


「千裕さんも知らない子だったんですか?」


「私でも知らない魔法少女は結構多いわよ?、一応コッチでも調べはするけど、

 正直、大した情報は期待出来ないと思って欲しいわ。」


「そう…、ですか…。」


「どうしたの?、何か気になる事でもあった?」


「えっと、その…、私の所為で痛い思いをさせちゃったし、

 その…、謝りたいなぁ…、って、思いまして…。」


「そうねぇ、少し厳しい事を言うけどよく聞いて頂戴。


 確かに、魔獣を前にして、後ろから声をかけたのは非常に危ない事よ。

 飛び掛かって来たのを避けれずに、致命傷でも受けて気絶してたら

 それこそ、命の危険があったかも知れないんだから。」


「ぅう…、はいぃ…、」


「それは真帆ちゃんもよく分かってると思うけど、

 言葉にして聞いた方がしっかり自覚出来たわよね?。」


「は…、はい!。」


「ならばよろしい!、

 これ以上は思い詰めずに「二度とこんな事は起こさないっ!」って

 思いなさい、今の気持ちを引きずって魔獣の前に立つ方が危ないわ。」


「はい…、わかり…ました。」


「理解はしたけど納得はしてないって顔ね、

 何も謝る必要は無いって言ってる訳じゃ無いの、

 むしろ、しっかり頭下げて謝りなさいよ。」


「…ッ!、は…はいっ!、分かりました!!」


「少しはマシな顔になったわね、真帆ちゃんは笑ってる方が可愛いんだから、

 じゃあ私はこの娘(紅い魔法少女)について調べてみるから、もう帰って大丈夫よ?」


「わかりました、何か分かったら教えて下さいね?」


「えぇ、モチロンよ、任せなさい!。」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


話は終わり部屋には千裕は一人で紅い魔法少女について考えていた。



「ふぅ~、とは言ったものの、何処から調べたものかしらねぇ。

 所属や名前どころか力量すら分からない事だらけよねぇ~、

 瞬間移動?。いえ、地面が陥没してた所を見ると身体強化なんでしょうけど…


 それにしてもDランク相当の魔獣を()()()()()威力…

 持っていた槍の能力かしら…?。

 それともあの()()()と何か関係があるのかしら?

 だとしたら痛みに悶えないのも一応筋は通りそうだし。


 それに、居なくなる前に何かを見た…と言うより探った?

 何かに気が付いてソッチの方に向かった?…いったい何が?。」


 姿が掻き消えるくらい、急いで向かう程の()()

 何かに呼ばれた?、でもどうやって?、保護領域内は電波圏外なら…


 魔法的な何かかしら?確か()()()()()()()()()メールやコールなら

 通じたはずだけど、それらしい音声は聞こえなかったし。


「ん~、考えても何も分からないわね。一先ず手当たり次第に調べてみるかしら。」




【SIDE 真帆&千裕 end】

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