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魔法少女スカーレッド  作者: ブラウン
第二章
33/49

お買い物

(どうも、こんにちは、ネットショッピング中の朱莉です。)



(一か月ぶりの戦闘が思いの外楽しかったのですが、

 その日以降近くで魔獣が発生していなくて、少し欲求不満でした。)



(でした、が実はなんと!

 ポイントが電子マネー化出来るようになりましたー!!)



(クリスが交渉に行ってから、連絡も無しに5日も経って、

 ようやく返事が来たのです!。

 その内容が上限金額付きの電子マネー化だったのです!)




ワ~ドンドンパフパフ~、と頭の中で鳴っているが表情は欠片も変わっていない。




(さてさてさ~て、何から買いましょうか…。

 上限金額が月々5万円との事ですが、

 5万円って十分では?、制限になってないですよね。)




お手伝い一回に付き100円の中学生にとって、5万円は非常に大きな金額だった。




(あ…、結局ナイフは買っていませんでしたね。

 地球産の物の方が良いのでしょうか?、

 でも妖精界の物の方がロマンがあるんですよねぇ…。)



(う~ん、戦闘用の大きめのナイフと、

 投げる用の小さいナイフと、用途別で買うのも良いですね。)




生産国ならぬ生産世界を後回しにして、欲しいモノを頭の中で形作(かたちづく)っていく。




(そうですね…、妖精界側の物にしておきましょうか。

 そうすれば電子マネー上限の5万円を減らさずに買えますね。


 それに…。)





◇◆◇◆◇◆◇◆◇





「ただいま~、ようやく戻ってこれたよ。」


「・・・、おかえり。」



朱莉にとって朗報を聞いてから更に5日、交渉に出てからは約10日が経ち、

クリスが妖精界から、朱莉が注文した物を持って帰って来た。



「ナイフが大きいの一つと、小さいのが3ダースも…、後は祝福のブレスレット、

 それに回復薬だけど、もう使い切ったの?少し早くないかい?。」


「・・・、?、どうゆう事?。」


「え?、だってアレ希釈用(きしゃくよう)だよ?、一本で何回か()()()よ?。」


「・・・、え?…、飲めるの…?。」


「え…?、逆にどう使ったの?。」


「・・・、傷にかけた。」


「プッ…、くふっ。原液をかい?沁みただろう?。」




その言葉を聞いた途端ついカッとなり、

クリスの胸倉?を掴み、拳を振り上げるが、殴る前にその手を止めた。




(ムッカァ~!!、ムカつきますねこのヌイグルミめぇ!!

 絶対に泣かせてやる!!絶対にだぁ!!覚えておけぇ!!)




「ビックリしたぁ…、久々に殺されるかと思ったよ…。」


「・・・、覚えとけ。」


「怖っ!。一応薬なんだし、取り扱い説明書は読もうよ…。」


「・・・、むむむ。」


「回復薬については分かったよ、ナイフも君なら買いそうだけど、

 このブレスレットはどうしたんだい?。

 祝福なんて名前は付いてるけど、()められているのは《願い》みたいだよ?。」




クリスが言うブレスレットというのは、白銀の糸で編まれており、

光の加減で透けるように虹色に反射する素材で出来ていて、

その中心に小さな黒い宝石が付けられている。




(・・・・・・、少し照れ臭いですね…。)


「?、どうしたんだい?、やっぱり気に入らなかったのかい?返却するかい?」


「・・・、プレゼントです。」




そう言って朱莉はクリスの首元にネックレスの様にブレスレットを着けた。




「・・・・・・、え…?、え~っと…、えぇ?。」




小首を(かし)げた後に首元のネックレスを見て、顔を上げもまだ戸惑っていた。




(アッチを見たりコッチを見たりと凄くコミカルな動きですね、

 スマホで撮っておけば良かったです、今からでも遅くないですかね?。)



「ホントに貰って良いのかい?。」


「・・・、えぇ、良いですよ。

 少しはお世話になってますし、電子マネー化も苦労したみたいですし。」


「ん~、まぁ苦労したと言うか、苦労する事になるって感じかなぁ。」



(苦労する事になる…という事は後払いの取引という事でしょうか?。

 よく分かりませんが、まぁ頑張ってください、とだけ思っています。)



「でも本当に嬉しいよ。今までこんな(おく)(もの)を貰った事が無かったんだ。

 まぁ…、気付いてないだけだったのかも…知れないんだけどね…。」



(なんだか変な語りを始めましたね、テキトーにあしらいましょう、面倒です。)


「・・・、はぁ…。」


「ゴメンね、変な話をしちゃって。それより、この後はどうするんだい?。」



(この後ですか?。

 電子マネー化出来たので、通販でポチろうかと思っていましたが…。)


「・・・、特に決まってない。」


「おや?、そうなのかい?。

 てっきり買ったナイフの具合を確かめるのかと思ってたよ。」



(あ~、確かにぶっつけ本番で新しいナイフを使うのも微妙な話ですね。

 ですがナイフの具合ってどうやって確かめるんですか?。)


「・・・、どうやって?」


「え…?、そりゃあ、魔獣の相手だったり。

 朱莉の事だから魔法少女相手に戦うものだと思ってたんだけど…。」



(酷い言い草ですね!私を何だと思ってるんですか!

 そんな危険な事は()()()()考えて無いですよ!

 具体的には、先日あったナイフ少女(キチガイ)エルフ(あたおか)相手じゃないと()()()()()

 としか、考えてないですよ! プンプン!!)


「・・・、なんで、そうなる?。」



「え?、そりゃあ…、朱莉がよくやってるゲームの中では、

 相手の世界に侵入して世界の主を倒す事を、楽しそうにやってるじゃないか。」



(がっでむ!!。

 だってゲームの仕様上、対人が一番面白いんですもん!。…もん!!


 ですが…、確かに一理ありますね…。  ふむ…。)



「・・・、悪くない…。」



――え?、嘘でしょ?。お~い?、朱莉~?。聞いてる~?。――



(やる、やらないは別にして、方法について考えるだけ考えましょうか…。


 方法① 魔獣の討伐時に、討伐に来た魔法少女と戦う。

 方法② 保護領域を常に展開し、気付いた魔法少女と戦う。

 方法③ 変身状態で現世に滞在し、気付いた魔法少女と戦う。


 さっくり思いつく程度はこれくらいでしょうか?。)


「・・・、むむむむむ。」


「アカリサン…?、」


「・・・、なに?、どうヤるか考えるので忙しい。」



――いやいや駄目だよ?!、駄目だからね??!!。ボク忠告したからね!!??――




(むむむむむ、他にはどんな方法があるでしょうか…、

 (おこ)なうにしてもどのやり方が確実性があるでしょうか…。)






朱莉の計画は母親に夕飯で呼ばれるまで続いた…。




【祝福のブレスレット】


何処かの誰かが作ったブレスレット

その作りは質素であるが、材質からくる上品さがある。


非常に強く、そして秘められた祝福が込められている


口に出せぬ願いであったのか、或いは届かなかったのか

誰かを重ねた、黒い宝石が守られる様に、はめ込まれている。


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