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魔法少女スカーレッド  作者: ブラウン
第二章
32/49

それぞれの後日談

【SIDE ペリトゥス】




『ふ~ん、それじゃあシャリス(ジェーン)が一方的にやられる程、強かったんだ』



黒のタックトップに緑のモッズコート、青いジーンズを履いた

金髪の女性(アメリア)が確認するように口にした。



『そう!すっごく強かったよ!』


ズタボロにされたシャリス(ジェーン)が嬉しそうに答える



『なんでお前が嬉しそうに言うんだよ。』


『だって、あの子(スカーレッド)私に惚れてるよ?』


『『は?』』


シャリスの謎の発言に、アメリアとエヴァ(ペリトゥス)が同じ言葉を口にした。



『…、シャリス、頭でも打ったのか?、なんでそう思った…?。』




『だってあの子、私のナイフを空中で掴んで反撃してきたし!、

 私が仕掛けた技をそっくりそのまま、同じ様に返して来たんだよ?』


『打ったのは薬の方だったか…。』


『にゃはは~…、ちぃ~っと理解できないにゃ~。』


『安心しろ、私も分からん。』


『なんで!?、何処をどう取っても私に惚れてるでしょ!?。』


『あぁ、そうだな。全米が鼻で笑う超大作ラブストーリーだな。』



エヴァは話半分にあしらい、アメリアは「にゃっはは」と腹を抱えて笑っている。



『アメリア、()()()()()はどうだった?』



話を無理やり変えるために、戦利品とも言えるボトルについて聞いた。



『簡易検査だけど、ボトルも中の液体も地球上の物質じゃないみたいだにゃ~。』



予想はしていたが、口にして言われると信じがたいという気持ちが出て来る。



『それは…、本当か?』


『詳細検査は現在進行中だけど、まず間違いなく()()らしい。』


『そうか…。それで()()まで公開するつもりだ?』


『ん~?何処までだろ~ね~…。

 って冗談は置いといて、日本側に()()()()感じにするつもりらしいな。』




○○県魔獣対策局西区支部の最大の特徴は、職員の大半が米国人という事だろう。


元より米軍基地が近く、軍関係者や軍属が多く、

そんな周囲の中で出来た支部だった為、米軍関係者が採用されていった。


だからこそ、今回の一件を、

()()()()の魔法少女であるスカーレッドに、

米国籍を持っている魔法少女が害されたとして情報開示を迫る


(…と、言った所なのだろうな…。)



アメリアから話を聞き、これからの情勢の移りを考えると、

思わずため息が出るエヴァだった。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇






【SIDE 宇塚井(うづかい)真帆(まほ)



「真帆ちゃん真帆ちゃん!コレ見た?!」



日曜日、東区支部にて同僚でクラスメイトでもある芙弓(ふゆみ)が声をかけて来た。

内容は昨日に公開された動画で、紅い魔法少女が出ている動画だった。



「え?」



動画の内容としては()()()()()()()西()()()()()()()()()()()()()()

といった内容なのだが、真帆が衝撃を受けたのはそこでは無く、

紅い魔法少女の装備と動きであった。



ボロボロの布を纏っており、その隙間から見える革製であろうポーチ。

以前の遭遇や、里緒先輩から聞いた話では無かった物だ。


そしてそれ以上に目を引いたのが()()だった。

遭遇した時に比べ動きが緩慢で、力が出せていない様な感じで、

戦闘自体も一撃で決めれるであろう所を技でカバーしている様に見え、

B級の時に負った傷が原因では無いかと思い始める。




「やっぱり、この紅い奴は危ない奴なんだってぇ~。」


「で、でもこの動画、前後の映像が無いからホントの所は分からないよ?。」



芙弓が嬉々として()(ざま)に言うが、真帆は、その話の不可解な部分を突く。



「む~、…真帆ちゃんはあの紅い奴の肩を持つの?」


「いや…、そうゆうのじゃなくて、気になっただけだよ。」


「ふ~ん、まぁ良いけど…。ともかくこの所為で千裕さん達が忙しいんだって。」


「え?どうして?。」


「この()()()()()()子が、アメリカの国籍持ってるらしくて、

 紅い奴が日本の所属なら賠償を。違うならその証拠を。て言ってるのよ」


「千裕さん?!」



芙弓と話していると、話題に上がっていた千裕主任が現れた。



「ホンット、疲れるわ…。書類仕事は苦手なのに…。」


「い…意外ですね」「だねぇ~。」



見た目はデキるOLと言った感じなのに、

千裕が書類仕事が苦手とは思いも寄らず、声に出してしまっていた。



「世の中そんなもんよ、見た目だけは取り繕えるもの。」


「な…なるほど。それよりさっきの話って本当なんですか?」


「えぇ…そうよ、悪魔の証明でしか無いんだけど、焦っているのは事実ね。」


「そう…なんですか?」「なんでぇ?」


「なんでも、紅い娘の存在は支部長止まりで、

 その上の、つまり本部の人たちは知らなかったみたいなの。」


「そんな事があるんですか?」「ですかぁ?」



芙弓は真帆のやまびこの様に喋っているだけで、

話に大した興味は無かったが、千裕は話を進める。



「えぇ、あの紅い娘をどうにかして自分の支部に引き込みたかったみたいで、

 B級魔獣に参加していた東南北の部署は上に報告していなかったそうなの。」


「それって駄目じゃ無いんですか?。」


「駄目よ、そのシワ寄せが来てるのが今なのよ。

 アメリカから抗議を受けて、

 初めて本部は紅い魔法少女の存在と、その戦闘能力を知って、

 情報を渡す渡さないに関わらずに集めるよう指示を受けて

 大忙しになってるのが今の現状よ。」


「そんな時に私たちとお話ししてて良いんですかぁ?」


「シー!。

 これもダメだけど書類から逃げるにはアナタたちから話を聞くのが一番なの。」



千裕は口の前で人差し指を立て、

周りに話の内容が聞かれない様に事情を説明した。



「あはは…、そう、なんですね。程々(ほどほど)にして下さいよ?。」


「千裕さんがクビになったら悲しいよ~?。」


「うっ…、まぁ気を付けるわ。

 でも貴方達も一度は紅い娘に会ってるし、事情聴取とも言えるから大丈夫よ」


えぇ大丈夫よ、セーフよセーフ。 と自身に言い聞かせる様に千裕は呟く。




「あの…それじゃあなんですけど。

 前に見た時から少し見た目が変わってるんですけど、

 そういった話は事情聴取に入りますか?」


「えぇ!入るわ!大丈夫よ!じゃんじゃん話して!」


「はい!それじゃあ………



真帆の気の利いた助けを貰い、千裕は安堵するのだった。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇




【SIDE エクエス】




「チッ…、よりによって西に現れたか。しかも明るみになるとはな。」


「はい、どうされますか?」


「…。予定に変更は無い、北に現れれば捕まえろ、無理なら…()()()()?」


「はい、了解しました。」


「ふんっ、全く忌々しいな、何処にも知られずコチラで独占したかったが。」


「…、何か動きがあったのですか?」


「あぁ、戦闘が終わり、西区支部に戻る際に何かを確保していたそうだ。」


「それが、異界の()()という事ですか?。」


「あぁ、私はそう思っている。

 ここ数日西区に搬入される機材が多種多様な検査機器のようだからな。」


「そう…でしたか。」


「確実に出遅れたな。 命令だ、何としてでも異界の技術を確保しろ。」


「ハイ、了解しました。」




◇◆◇◆◇◆◇◆◇




【SIDE 狐塚(こづか)珠江(たまえ)



淑女然とした少女がスマホを片手に走っている姿があった。


その少女はお嬢様学校内に建てられた寮の一室に向かっていた。



舞城(まいじょう)さん!」



その少女は扉をノックもせず勢いよく開け放ち、

中の人を驚かせるだけの声量で名を呼んだ。



「狐塚さん?、どう…したんですか?いきなり、ノックも無しに。」



名を呼ばれた人物は酷く(やつ)れていた。


育ち盛りであろう年頃にも関わらず、頬は痩せ落ち、目には隈が出来、

(しばら)く日に当たっていないであろう肌は病的な迄に青白かった。



「舞城さん、あの紅い魔法少女ですが、生きていました!。」



“紅い魔法少女”というワードに顔を(しか)め、

直後の“生きていた”という無い様に呆気に取られた後に、大粒の涙を流した。



「それは…、ホントぉ?」


「はい、だからもう気に病まなくて良いんですよ。」



舞城と呼ばれた少女は、一か月前に魔法少女としてB級魔獣と戦い、

その中で紅い魔法少女の腹を焼くという事態になった。


討伐後の数日間は食欲不振程度だったが、

その後に紅い魔法少女は傷跡が残る事を知り、眉唾(まゆつば)な噂話である、

“魔法少女では無いから変身解除による治療が出来ない”

という話を信じ込み、自身の火によって今頃死んでしまったのではないかという

妄想に取りつかれて、夜も眠れず、食事もロクに喉を通らなくなっていた。




狐塚は西区で撮られた、紅い魔法少女が映った映像を見せた



「そう…、あの人は…、無事だったのね…。」


「はい…だから安心してください。」



舞城は「そう…、そう…。」と何度か確かめる様に呟き、

緊張が切れてか、約一か月ぶりに安らかな眠りについた。



それの一か月をずっと側で支えていた狐塚も目に涙を溜めるが、

起きた時に直ぐに食べられるようにお粥を作るのだった。





この作品(魔法少女スカーレッド)が完結していないのに他の作品を書きたくなっている筆者です…。

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