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魔法少女スカーレッド  作者: ブラウン
第一章
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初出動、初戦闘、初〇〇。

どうも、夜景をバックにこんばんは、朱莉さんです。

何故夜景をバックにしているかと言えばですが。

現在私は空を跳んでいるからです、飛んでは無いです、跳んでいます。

飛行ではなく跳躍です、フライじゃないですジャンプです。


あの妖精を自称するテロリストなぬいぐるみに唆されて戦うことにしたものの

時刻はもう夜、今から出歩くのも親に不審がられますし、

そもそも家から出ようとしたらバレて止められてしまうでしょう。


するとテロぐるみが「窓から飛んで行けば良い」と言うので

魔法少女なら飛べるんだろうと思い、飛んでみたら跳んでいたと言う訳です。

何も考えずに飛び出している辺りやはりテンションが上がっているのでしょうね。


一歩で隣の家の屋根まで跳んで、二歩目で十階はあるマンションの屋上まで跳び上がり、

三歩目で魔獣の発生場所へ放物線を描いて跳躍しています。


思いの外、向かい風が強く上半身がバク宙するように回転してしまいましたが、

発生予測近くの小さいビルの上にキレイに着地出来ました。

身体制御力も身体強化に引けを取らないくらいに上がっているようですね。


「すごいねぇ~、ようやく追いついたよ。」


自称妖精が気が付いたら隣に浮いていて少し驚きました。

全力で跳んではいませんでしたが、かなり速い速度を出していた筈なのに、

それに追いついていると言うことはコレもそれなりに速いと言う事ですからね、

やはり油断は出来ないと思って置いて良いでしょう。


「・・・どうするの?」


「ん?、あぁ~、これからの事かな?、それは簡単だよ。

 僕が魔獣発生円内に保護領域を展開して、

 その中でキミが魔獣を倒せば終わりだ!」


話によると魔獣が現実世界に出ようとしている所を疑似的な仮想世界を造り、

そちらに誘導する事で現実に被害を及ぼさず戦闘が出来ると言う事のようです。


「さて、それじゃあ始めるよっ!≪仮想領域・展開≫!」


鈴の様な音がしたかと思うと空気が変わっていました。

いえ、空気と言うより気配ですかね。


それを確かめようと辺りを見回すと、

全ての家や街灯が消えているようですね。

それだけではなく、人が居る感じが消えていました。


明かりが消えているのに見えている、

暗くないのに明るくもない、灰色の世界と言った感じですね。


「見えるかい?、あれが魔獣だよ」


そう声をかけられて指?を指す方を見ると

黒いモヤをまとった、醜悪な顔をしたオスのライオンの様な、

気持ちの悪い生物が、誰もいない通りを歩いていました。


「・・・いくらになる?」

「ん?、あぁ、あの魔物の討伐報奨かい?、えぇ~と、少し待ってね。」


そういって先ほども使っていたスマホの様な物をタプタプと使い始めました。


一体どうやって使っているんでしょうか?

ぬいぐるみらしく指らしき部位なんて無いのに。


「えぇ~と5千円以上1万円以下ってところだねぇ、

 僕の勘になるけど7千円弱ってくらいかなぁ~

 キミの実力なら余裕だよ?

 さぁ、後は君が望んだ魔法で魔獣を倒すだけだよ。」


中々に美味しいお小遣いになりそうですね。

そう心の中で思いながら私の望んだ魔法を使う。


「…それが君の望んだ力なのかい?、その()が?」


えぇそうです、槍です。わたしが望んだ力は身体能力向上と武器には槍を望みました。

全長2mはある長槍、しかも石突部分にも刃が付いている、

両刃剣ならぬ両刃槍と言ったところでしょうか。

コレも私の服や髪の色に近い紅い色を基調としていますね。


「…魔法少女なのに槍で戦うのかい?、正気かい?」


ひどい言い方ですね、まぁ確かに「どんな魔法が使いたいか」と聞かれて

「槍が使いたい」と言うのは一般的では無いでしょうが・・・。

まぁそれはさておき、お小遣い稼ぎと行きますか。


屋上から飛び降りて見たものの、どうやって戦った物でしょうか・・・。

少しは相手の様子みたり、この体に慣れるように動いても良いんでしょうか。


そうこうと考えていたら後ろから声をかけられた


「少し良いですか?、アナタは魔法少女ですよね?」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



【SIDE ???】


――今日はついて無いなぁ・・・。後もう少しで夜組と交代出来たのに。


私のスマホに魔獣発生予測アプリと魔獣対策局から出動要請の通知が来た。

現場はここから十分程の距離で、対象の魔獣はランクD相当。


私は要請を受諾し溜息を吐きつつ、小さい木の枝の様なアクセサリを手に取る。


「≪()()≫」


その掛け声とともに髪の色は紫がかった腰まで伸びるロングヘア―になり、

服装も魔術師の様なダボついたローブコートに変わっており。

手の取った小さな木の枝は手の平サイズから30㎝程の杖になった。


変身は終わったものの、小型のアクションカメラを胸元に取り付ける。

魔獣対策局所属の魔法少女が魔獣を討伐する行為は公務である為、

その活動を記録する必要があり、この映像は必要になるからだ。


杖を振ると杖が箒に変わり、私は横乗りの形で箒に乗って空を飛んだ


「Dランクかぁ~、相性にもよるけど面倒だなぁ~、

 でも早く倒して帰りたいしなぁ~。」


現場近くに向かうと仮想領域が既に展開されていた。


「あれっ?、もう誰か居るの?」


これなら早く帰れそうだなぁ~、と思いながら私も保護領域内に入る。


すると、商店街の通りを悠々と歩いている魔獣を見つけた


「ん~、このタイプなら難しくは無いかなぁ。」


見た限りは近接のパワー系で近づかなければ問題は無いだろうし

私の戦闘スタイルは遠距離魔法が主軸だからそもそも近づかない。

ただ問題は・・・


「領域を張った魔法少女が居るはずだから、

 その子と話さないと横取りになっちゃうなぁ。」


魔獣を倒す、という目的を同じとする魔法少女同士でも

横やりを入れるというのは好ましい事ではない。


そういった事を考えていると近くの建物から飛び下りた女性が目についた。


「えっ!?自殺…じゃないよね、領域内には魔法少女しか入れないし。

 ビックリしたー、でもこの辺りの所属で見た事無い人だったなぁ。

 もしかして対策局に所属してない野良の魔法少女なのかな?。

 それならどっちにしても声をかけないとダメだよね。」


魔獣を早く倒し帰りたいから、見かけない魔法少女だったから。

理由はいくつかあるが魔獣を前にした

見知らぬ魔法少女に()()()()()()()()()


すると、その魔法少女がゆっくりと振り返った。

その姿は赤と黒を基調とした服装で、

落ち着いた、と言うより冷たく、冷酷な雰囲気を纏っており、

魔法少女では珍しい事に近接武器を持っていた。


そしてその陰った金色の瞳と目が合った瞬間、

背筋が凍りつくような感覚に襲われた。


「ア、あの…、その…。」


――アナタは何処の所属ですか?

たったその一言を聞くだけなのに、その言葉が口に出ない。


そうしてる間にも魔獣は目の前の魔法少女に後ろから襲い掛かった


「…ッ、危ないっ!!」


だが、その魔法少女は跳びかかって来た魔獣を半身に構えるように躱した。



しかし魔獣は現実にいる生物とは似ていても身体の構造が違う場合が多い。

この魔獣も同じくオスのライオンと似た特徴を持ってはいるが、

大きく違う点が在った。それは尻尾であった。


細いながらも尻尾は鱗に包まれており、先端の房状の体毛の中に大きな棘が伸びていた。

そして、跳びかかり、躱されこそすれどもすれ違いざまにその棘が


紅い魔法少女の顔を撫でる様に切り裂いた。

初戦闘開始で初負傷・・・


後、次話は朱莉視点に戻ります。

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