【SIDE 真帆&芙弓&仄&里緒】 模擬戦 後編
【SIDE 真帆&芙弓&仄&里緒】
一回戦目はフィールムの勝利で終わり、全員変身を解き小休憩に入っていた。
「で~、アレは一体何だったの~?」「どうして後ろから攻撃されたんですか?」
「確実な事は言えないっス…、糸を操作してやったんだと思うっスけど…。」
「でもそれじゃ、里緒さん側に引っ張られるんじゃないの~?」
ソシエルとアルクスの背後の木などを滑車代わりにしたならば、
後ろ側に絞められる理由も理解は出来るが、この演習場はイグニスの能力の事もあり、
延焼しない砂地の開けた土地な為、支点になる物は何もない。
「そう…、なんスけど…、確実に分かるのは同時に操作できる糸は複数、
それも恐らく5本以上はあるはずっス。」
「私と真帆ちゃんと仄ちゃんで三本、手に持ってた分で一本、残り一本は?」
「里っちゃん先輩は変身してる時は、念には念を入れるんスよ。
だから残り手数が0にならない様に立ち回るハズなんスよ。」
「だから、何処かにもう一本あった、って事ですか?。」
「そうっス、それが何処にあったのかは分からないっスし、
真帆ちゃんと芙弓ちゃんがヤられた攻撃も分からないっス…。」
「ん~、分からない事だらけだね~。」「ですね…。」「っスね。」
「じゃあ私が――「そろそろ再開するわよ~。」
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「それじゃあ、良いわね?ルールはさっきと同じよ、二回戦目始め!」
「さっき以上に速攻で終らせるッス!!≪気息炎炎!!≫」
開始の合図とほぼ同時にイグニスが魔法を発動させ、イグニスの全身を炎が包んだ。
「ふむ、確かに縛り上げる前に焼き切られてしまうな。」
「そう思うなら早めに降参しても良いんスよ!!」
一戦目の時以上の速度でイグニスがフィールムに詰め寄る。
「ほら!ほら!ほら!、さっきから避けてばっかっスか?!」
「そうだね、だがこれほど近ければソシエルとアルクスは援護出来まい。」
「試してみるっスか!≪脚火照顧!!≫」
イグニスが攻撃の最中に力強い踏鳴をすると、炎の波が現れフィールムを襲った。
「チッ、誘導されたか…。」
「気付いても遅いよ!≪ライトニングショット!≫」
「逃がしません!≪マルチプル・サンダーショット!≫」
イグニスの放った火炎を跳躍で回避した所に、
ソシエルとイグニスが開始時から準備していた魔法を発動した。
ソシエルの雷球は常人が触るだけで失神を免れない程の力が帯電したものを、
片手の指では数え足りない程の数をフィールムに撃ち、
アルクスは落雷の様な、非常に強力な一撃を、ある種の殺意を込めて放った。
「なかなかやる…、≪変弦自在:―――≫」
空中で逃げ場のないフィールムに雷撃が襲い、直撃に至ったが、
バチバチと帯電したまま着地し、それと同時にフィールムから地面に放電された。
「!!??、ッ!まだっス!まだ終わって無いっス!!」
電撃の動きの異常性に気が付いたイグニスが再度、突撃した。
「ッ…、騙されてはくれないか。」
「ダメージは入ってるっス!直ぐに追撃を!!」
「それは困るな、≪変弦自在:連接剣≫」
フィールムが連接剣を手に、距離を取る様に牽制していた。
「逃がさないっスよ!!」「いや、ここで終わりだよ、≪変弦自在:針≫」
連接剣を手に後ろに下がるフィールムと、それを追撃したイグニスだったが、
フィールムの紐がイグニスの足を引っかけ、速度が付いてバランスを崩した先に、
太さ5ミリほどの先端が尖った針状に硬化した紐が、仕掛けられており、
イグニスの眼球から脳を貫いた。
「ガアァッ!!!ッ…、ッ………。」
「ッ!!≪マルチプル・ストーンショット!!≫」「≪ラピッドファイア!≫」
前衛を務めていたイグニスが痙攣しながら倒れ、
大技を発動させるまでの時間を稼ぐ為の手段が無くなった二人が、
散弾や連射で攻撃するものの、敗北するまでの時間が伸びただけだった。
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イグニスが致命傷を受け、変身が解けたため模擬戦自体は終了になり、
目を覚ました仄を含めて、改めて戦闘時の話をしていた。
「はぁ~、私、致命傷は止める様に言ったわよね?。」
「ゴメ~ン千裕ちゃん!!許して?」
「私に謝る前に仄ちゃんに謝るもんじゃないの?」
「ん~?、マホっちとフユっちのビリビリもらったあとー、
あたしが動けるからってー、追撃してきたっしょ?、だからおあいこ。」
「ん~、まぁ、あの電撃は私も止めようか思ったけど…。」
「まぁアタシは気にしてないっス、模擬戦ですし。
それよ――「それよりも、あの雷撃はどうやって防いだんですか!!??」
仄の言葉に被せる様に真帆が目をキラキラさせながら質問をした。
「えっとねー、こう、ババッ!ってやって、ムンッ!ってやったらイケた感じ。」
「先輩、その例えじゃ何一つ伝わんねぇっス。」
「えー、そう言われてもねー。」
「え、じゃ、じゃああの…、里緒先輩って何本まで糸を操れるんですか?。」
「…。ん~、一応は10本くらいだよー、
長さも硬さも細さも、糸の途中からでも変えれるよー。」
「うわ~、なにそれズっこ~い。」
「えー、二人の能力もかなり強いと思うけどなー
芙弓ちゃんの弓矢は真帆ちゃんの魔法より早いしー、
真帆ちゃんの魔法は芙弓ちゃんの弓矢より応用効くっしょ?。」
「まぁ、そうっスね、単純な火力では一番低いっスからね。」
事実、対人戦闘では罠を仕掛ける等で非常に優秀な『糸』ではあるが、
大型の魔獣に対してはあまりに非力で、
それを補うだけの経験と技量を里緒は持っていた。
「そだよー、頑張ってレンシュ―したんだから。」
「やっぱり、練習ですよね…。」
「じゃあ、また演習場借りれる様に手続きしておくわよ~?。」
「良いっスね。あ~でも、流石に明日って訳にはいかないんスよね?。」
「あ~、そっか、そうねぇ、平日は学校あるものね~。」
「そう…、っスねぇ~。」だね~。」ですね。」
「え、逆に明日は皆、暇なの?なら遊びに行かない?!。」
こうして、里緒の誘いで急遽、日曜日の予定が決まった真帆、芙弓、仄であった。
気息奄奄 (気息炎炎)
息も絶え絶えで今にも死にそうなさま。転じて、物事が今にも滅びそうなさま。「奄奄」は息絶え絶えのさま。
脚下照顧 (脚火照顧)
身近なことに気をつけること。自分のことをよく反省すること。自分の足元をよくよく見る意から。もと禅家の語で、他に向かって悟りを求めず、まず自分の本性をよく見よということ。
締め方がだいぶ無理やりですかね、眠くて頭が回わっていないかもです。




