2020年 赤い女
初めての作品です。
よろしくお願いします。
大阪、梅田が舞台となっています。
わたしの名前は伊藤。
2020年の春より大学を卒業して就職したサラリーマンだ。
大阪の梅田にオフィスをおく勝者に勤めている。
梅田に就職が決まった時に友人から聞いた話がある。
「赤い女」だ。
東梅田の泉の広場近辺が舞台の一種の都市伝説だ。
その泉の広場で赤いドレスにハイヒールの女について行くと、いつの間にかビルの屋上におり、振り向くと突き落とされて殺されてしまうという話だ。
そもそもの話だがあの近辺に屋上に上がれるようなビルはなく、だいたいが施錠されてしまっている。
そして極めつけは、泉の広場だ。
2019年の12月にリニューアルされ、泉そのものがなくなってしまっている。
この「赤い女」そのものが成り立たなくなってしまっているわけだ。
友人はそのリニューアルのことを知らずにわたしに話したらしい。
ある日わたしは東梅田近くの居酒屋で行われた会社の歓迎会の帰りに、泉の広場を通った。
その際、わたしは友人からの「赤い女」の話を思い出してしまった。
そうなると周りに赤い女がいないか探し始めてしまう。
するとどうだろう。
赤いドレスにハイヒールの女性を見つけてしまった。
ゾッとした。
しかしお酒がはいっていることもあり好奇心のほうが勝ってしまった。
「どうせ、夜のお店に出勤するところだろう。」
せめてお店に入っていくところまでついていってみようとこっそりとついていくことにした。
14番出口の階段を左に上がり、地上に出た。
女は点滅した横断歩道をわたっていた。
わたしがわたろうとするときにはすでに信号は赤であった。
ついて行くのはここまでかと思い、横断歩道の向こうにいるであろう女の方を見た。
すると女はこちらを向きこちらを見ていた。
わたしは怖くなり急いで来た道を戻ろうとした時だ。
「トンッ」と背中に衝撃を感じた。
気がつくと、わたしは病院のベッドにいた。
事情を聞きに来た警察官に話を聞くと、
わたしは道路に飛び出てきてタクシーと衝突したと言う。
通行人の方の連絡で救急車で運ばれたらしい。
わたしは警察官に後ろから押されたと正直に事情を話した。
しかし、警察官いわく近くの防犯カメラを確認したが後ろには誰もいなかったとのことだ。
そんなはずはないと反論したが映っていないものはどうしようもなかった。
そしてその警察官に最後にこう聞かれた。
「あの横断歩道、去年の冬くらいからよく飛び出しがあるんですよ。
飛び出した方はみんな揃って搬送中の救急車で赤い、赤い、
とうなされてるんですけどお兄さんもうそうだったみたいなんですよ。なにか心当たりあります?」
そりゃ心当たりしかないだろう。
押された時、倒れながら振り向いた先には、
道路の向こうにいたはずのあの「赤い女」が笑っていたんだから。




