悪役聖女の考察
う~ん٠٠٠٠٠٠٠。
光が顔に当たって眩しい٠٠٠。あれ?これ前にも同じこと思った気が・・・。
そんなことを考えながらノロノロと体を起こす。どうやら自分はあのまま気を失ってしまっていたようだ。気を失い倒れたときは昼頃だったのに、いつの間にか朝になっていた。どうやら次の日になってしまったようだ。
(それにしても・・・あの時の記憶の矛盾・・・。一体どういう・・・?)
“覚えているはずなのに覚えていない”
これはどういうことなのだろうか。自分の記憶のはずなのに分からずもどかしい。
(よしっ!いったん物語・・・『ラブラビ』の世界について覚えていることをまとめよう・・・!まずはあらすじからっ!)
乙女ゲーム「Love・Labyrinth〜身分違いの恋〜」のヒロインは魔力をもっていたため、平民ながら魔法学園に入学。平民は学年に数名ほどの少人数だったが、平民同士で仲良く平穏な学園生活を送っていた。
しかし、彼女が学園で最初のテストを行ったときに事件が起きた。
彼女が魔法の実技、筆記ともに学年トップの成績をとってしまったのだ。
幼い頃から専用の家庭教師をつけているため、高位貴族には優秀なものが多い。だが平民であるヒロインは貴族と同じ高度な教育を受けていないにもかかわらず、高位貴族達をおしのけ一位をとったのだ。
そうして皆の注目の的になってから状況は一変。プライドの高い貴族が平民のくせに生意気だとこれに激高し、嫌がらせを始めたのだ。
そしてこの嫌がらせを筆頭となって行ったのが私、ロゼット・カーライン侯爵令嬢。
ヒロインに笑顔で話しかけたと思ったら、その笑顔のままヒロインを泥の中に突き飛ばしたり、ヒロインちゃんのパーティードレスにワインをかけて汚した上、ズタズタに引き裂いたのを着せようとしたり…。
うん。酷い。
一言で言い表すと、「最低悪役令嬢」ってところだろう。
仲良くしていた平民の友達も貴族の怒りを買うことを恐れ離れていき、味方のいない孤独な学園生活が始まった_______。
ここまでが設定だ。そしてここからはプレイヤーの選択でルートが分岐する。




