溺愛系義兄は夢をみる ②
その日は彼女の誕生パーティーが行われていた
古くから続く名家カーライン侯爵家のご令嬢の誕生パーティーなだけあって、とても大規模で華々しいものだった
パーティーはなんの問題もなく無事終了
が、事件はその夜に起きた
パーティーの片付けも終わって、屋敷の者が全て眠りについた深夜
彼女の部屋に強盗が入ったのだ
発覚したのは翌日
メイドが彼女を起こそうとしたとき
金目のものは全てなくなっており、部屋は荒らされていた
金品を取られただけならまだよかった
その程度の装飾品はカーライン家の財力をもってすれば幾らでも賄える
ところがその部屋の主である彼女までもが消えていた
彼女の容姿は国内でもずば抜けて美しかった為、目をつけられて売られたのか、
はたまた何処かの貴族の差し金で殺されたのか٠٠٠
屋敷は早朝だというのに大騒ぎとなった
屋敷の者は皆、絶望し嘆き悲しんだ
ただ一人の少年を除いて
そいつは我が家に仕える家の者だった
名を、ユーリスト・ゼルダン
奴は、何かを知っている
怪しいと思った俺は、奴に密かにコンタクトをとり問い詰めた
すると奴は彼女は無事だから安心していい、と言ってきた
何をふざけたことを
無事?何でそんなことがわかるんだ
今この瞬間にも苦しんで、泣いて、そして考えたくもないが٠٠٠殺されているのかもしれない
“では、彼女の意思で出ていったとしたら?”
これを聞いて脳内でなにかが繋がった
先程発言したこいつは意味ありげに笑っている
まさか本当に٠٠٠?
でも、幼い子供1人で生きていけるわけな―――――――っ!?
そうか、彼女は生きていける――――!
普通の子供なら到底不可能だが、彼女は普通ではない
彼女の噂は、まだ俺がここに引き取られる前に居たところ٠٠٠かなり田舎にある分家にまで届いていた
2歳で屋敷の本を読破
3歳で家庭教師にもう教えることはない、逆に教えてくれと乞われるまでになり
4歳で算術の新たなる定理を発見し、今までの常識を覆した
5歳でとある高名な学者の講演で、発表していた魔法陣の間違いを指摘&改善
6歳でどんな学者が挑戦しても解読不可能だった、“学者殺しの真理”と呼ばれる石碑を解読
そして魔法の訓練は10歳からだが、彼女が翡翠眼を持つことから多大な期待を寄せられている
これらの噂が本当なら彼女が自らの意思で、それも計画的に家を出た可能性が高い
本当か?というように目の前の奴をみやると笑みを深めた
図星、か٠٠٠
とにかく、この事を早く父上に伝えなくては
どうか、どうか無事であってくれ٠٠٠٠٠
◈ ◈ ◈ ◈ ◈
ストック作るのを出来るだけやめて、書き終わったら即あげるやり方に変えようと思います!
基本的には〈0時以降〉にアップしようと思ってますので、これからもよろしくお願いします(`・ω・´)キリッ ですが最近読む方にもかなりハマってるので、こっちを忘れて更新停まってたら作者の頭ぶん殴って教えてくださったら嬉しいです。




