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創造性トライアル part1

 自分は真似っこが得意だ。幼い頃から真似っこが得意で、お手本さえあればなんでも出来たと言えるに近かった。


 特に大道芸の真似っこは、自分自身見てて相当興奮したし、やってみせても皆んなから褒められた。そして絵も自分は得意だった。


 そんなある日、自分はやって来た大道芸人の一団に技を披露したことで特別なスカウトを受けた。

 自分の人生で一度目の旅だった。


 団に加わってある田舎町で休憩していたある日、丘にある木の下で絵を描いていると、丘の道の下から女の子が駆け寄って来た。

 どうやら絵を学びたいらしい。


 自分は絵を描くのを中断して、軽いマジックを披露した。

 女の子は喜びはしたが絵を教えるまではどかないと駄々をこねた。

 教えてはあげられないが、君のために一枚絵を描いてあげると言うと、女の子はすぐに走って丘のてっぺんから自分を見下ろし笑顔を作った。

 その時に風が流れ、女の子の髪がなびいた。


 私はその一瞬を絵に描いた。だが、彼女の顔だけは上手く描けなかった。

 どうやっても絵の中の女の子が絵だけの存在となって孤立していた。

 女の子自身は自然と一体になって笑っているのに対して、自分が書くと女の子は何か別の要因、全く関係のないことで笑っているように見えた。

 笑顔がその場でできたものとは思えない。張り付いたように不自然だった。

 自分はそれを埋めることができるであろう創造力がなかった。自分はそれに気づいた。


 自分は女の子が笑っていない姿で半ば強引に絵を渡した。


 翌日、自分は練習中に高いところから落ちて、全身を強く打ち付けて怪我をした。

 自分の芸人人生はここで絶たれてしまった。


 芸人をやめて1年、怪我の所為で買った杖はまだ現役だった。

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