表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/18

響いた音、それは手遅れの合図。

 あまり気にしないようにしていたが、どうやらやはり、僕は普通の人間にはなれないらしい。

 楽しみや趣味を仕事にして暮らしたり、友達と笑顔で話したり、好きな人と結婚するなんて尚更無理だ。

 心の傷と周囲の闇が己を陣地を狭めている。

 その様子を、仮面を付けた死神が滑稽だと言って笑う。


 今まで恐ろしいぐらいに、都合の良い自分を演じられてきた。

 個性なんていらなかったのだ。

 寧ろこの演技の上手さを個性として残しておきたかった。

 友達との上手い接し方。

 人を性格のパターンで区別してそこにちょうどいい接し方を持っていく。

 集団では誰かの問いに反応するだけだけど、二人の時は自分から話す。

 人間は、集団の時は調子は良いが、単独では自信がないのが普通だ。

 一人でも態度が変わらない奴は、いずれ変人として隅に追いやられる。

 ほっといても問題ない。


 この考えを人生観の根幹として常に持っておいた。

 だが結果はどうだろう。

 息が苦しいぐらいに寂しい。

 閉じ込められたみたいに暗くて寒い。

 心の底辺で漂っていた不安が結果として現実にそのまま飛び出してきた。


 突然決まった両親の離婚、私は愛しい仲間たちの元を離れ、都会から断絶された田舎へと住む。


 きっと自分は、特別じゃない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ