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復元されたドライブレコーダーより

史上最も不思議な生物「人間」


彼らは時に他の生物を食い荒らし、土地や資源を巡って戦争をし、固有の環境に破壊の限りを尽くした。


時に様々な理由から略奪や殺人などを犯し、また時にそんな世の中を変えようと社会を作り、自らもその社会に閉じ込めることで秩序を作り上げようとした。


彼らは数を数え、物を知る。しかし、彼らは皆行く世界の正体はおろか、自らのルーツや体に対して解明できなかったことも多い。


彼らは時に、自らの思い描くそこには無かった世界に心を委ね、逃避し、またある時、種を超え愛や優しさを振りまこうとしていく。


彼らが好き勝手に作り上げた世界は果たして彼らにとって豊かな世界であったのか。答えるべき時に、その世界には誰一人としてその生物は存在していなかった。


だが、それに一番近かった人間は皆こう言うに違いない。「不便だよ」と。


人間の思い描く「想像力」というものは予想以上に常軌を逸しており、また同時にそこは底無しである。


人間は自然に溢れている流動的エネルギーそのものに違いない。無から有を生み出し、広げて集めては膨れ上がり、いつか萎んでいく。彼らの終わりのように彼らの創造も、その次のための創造のために破壊されていく。


彼らにいつか君たちの作ったものが全て消えてしまう日が来るだろうと言ったらどうなるだろう。


想像力のない我々ではせいぜい信じることしかできない。


この世から彼らが絶滅してしまったことを非常に悲しく思っている。


(注釈:記録された音声の言語は当時その地域では使われていない言語だったとされている)


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