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終章:序
今日、この太陽系第三惑星地球という星は消滅する。
今日、彼らはまた永劫の進化の為に星を喰い尽くす。
裂けた地表から炎が噴き溢れ、その轟々たる爆音は辺りの音を支配する。
暗雲は空を覆い今にも苦痛の涙を流しそうになっている。
風は乾き、鋭く、刺すように吹き付ける。
砂塵は流れて視界は悪い。
だが
対峙するソレらは静かに風が止むのを待っている。
そして
世界は静止した。
星も理解しているのだ。
我々が、いや人類が理解しているように。
この先にあるのは人の滅びか星の滅びしか無いのだと言う事を。
どちらに転んでも救いなどない。
一方は少女の姿をした化物。
片や人の形をしているだけの化物。
我々にはもうどうする事も出来ずただ傍観するしかない。
この記録とて誰に見せる訳でもない。後世に残せないだろう。
それでも私はココまで彼女を追った人類の一人として、見て、書き残さなければならない。
この戦いの行く末を。
そして彼女の選択を。
それこそが私がココに生きて辿り着いた理由にして、きっと責務なのだから。
――G・マクダネル