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野村雄―3

 野村雄は、更にジャンヌ・ダヴ―と娘のファネットのことまで、色々と考えてしまった。


 ジャンヌ・ダヴ―、自分がかつて関係を持った4人の女性の中で唯一、前世と同じ名前を持つ女性になる。

 更に言えば、本当に色々と化け物と言われても仕方のない女性の気がする。


 それこそ自分の3回の人生の中で、ジャンヌ・ダヴ―から色々と自らの人生を聞かされてきたが。

 本当に破天荒極まりない人生を、自分と知り合うまでは送ってきたとしか、言いようが無い。


 ジャンヌ・ダヴ―の言葉を信じるならばだが。

 自分が10歳になる頃に両親を流行病で失い、その他の兄弟姉妹全員が亡くなっていたことから、10歳余り年の離れていて、唯一生き残っていた長兄がフランス軍に志願して、更に下士官となることで、ジャンヌを養うことになったらしい。

 

 とはいえ、下士官の給料等、たかが知れている。

 その為に本来ならば非合法なのだろうが、様々な小遣い稼ぎをして、ジャンヌは10歳にして自活生活を送らざるを得なくなった。

 

 そして、数年後に第一次世界大戦が勃発し、マルヌ会戦で兄が戦死したことから、天涯孤独の身になったジャンヌは捨て鉢になって、マルセイユで街娼として暮らすことになったのだ。


 更にジャンヌは、「マルセイユのサキュバス、ジャンヌ」という異名を奉られる存在になった。

 ユニオン・コルスとシチリア・マフィアの抗争事件が起きた際、鉄砲玉のシチリア・マフィアの男10人が、ジャンヌを嬲ることで、先にユニオン・コルスに発砲させようとしたのだ。


 だが、ジャンヌは男10人を相手にしたが、全員をゲッソリさせる事態を引き起こして、

「あんた達、本当にイタリアの男なの?10人掛かりで私一人満足させられないの?男失格だね」

と更に大声で嘲笑したことから。


 本来ならば、ジャンヌを発砲して、射殺すべきなのだろうが。

 ここまで大声で嘲笑されて、ジャンヌを射殺する等、男として更に大恥を晒すことになる。


 そんなことから、

「サキュバスだ。逃げるんだ」

と小声でささやき合った末に、男達全員が逃げ出す羽目になったとか。


 更にそんなことがあった後、シチリアへのいわゆる出入りに赴く予定だった、当時は若僧で、今ではユニオン・コルスの「首領の中の首領」と謳われているレイモン・コティが、ジャンヌ相手に童貞を捧げる事態が起きたとか。


 何処までが精確な真実なのか、と自分が疑う逸話を、ジャンヌは幾つも持つ事態が起きたのだ。


 だが、私と関係を持ったことから、ジャンヌは改心して街娼から足を洗って、日本軍の野戦病院の雑役婦に転職し、アランを産んで、第一次世界大戦終結後は正業に就いたのだ。


 とはいえ、過去の亡霊(?)を完全には断ち切れない。


 スペイン内戦時、自分がジャンヌと再会した際、正妻の岸忠子と家庭内別居状態になっていたことから、歯止めが効かなくなり、再度、関係を持ってしまい、ファネットを産ませてしまった。


 そして、ファネットは、アランの連れ子養子になるピエールの年下の義理の叔母として育つことになり、この世界では、異母姉の土方(篠田)千恵子に憧れた末に陸軍軍医士官になって、更にピエールと結婚する事態を引き起こすことになったのだ。


 その結果、自分の初孫娘といえるアラナ・ハポンは、ピエールと結ばれず、独身を貫く事態が起きた。

 でも、これはこれで良かった気が、自分はしてならない。


 もし、アラナとピエールが結ばれていたら、アラナは家庭生活の中で、戦場PTSDを発症していた気がして、自分はならないのだ。

 だが、この世界ではアラナは独身で、軍務に精励し続けている。

 軍務に精励していることから、戦場PTSDからアラナは免れている気がするのだ。

 色々と誤解を生みそうなので、少し補足説明します。

 ジャンヌ・ダヴ―ですが、ユニオン・コルスのフロント企業、企業舎弟といえる街娼組織の一員にかつてはなっていました。

 その当時、当時は完全に若僧で鉄砲玉になっていた、後にユニオン・コルスの首領の中の首領と謳われることになるレイモン・コティと関係を持って、更に自らのコネでレイモン・コティを良い男だ、と評価したことから。

 レイモン・コティは、ユニオン・コルスの上層部に名を知られることになり、更に才能を発揮して、首領の中の首領と謳われる存在にまで、のし上がっていくことになったのです。


 その一方、ジャンヌ・ダヴ―は、野村雄と知り合って、組織から足抜けしました。


 そんなことが絡み合った末、第二次世界大戦終結の頃には、ジャンヌ・ダヴ―は、ユニオン・コルスとは無関係な人になっていましたが、レイモン・コティにしてみれば、自らの出世の糸口等を作ってくれた恩人として、ジャンヌ・ダヴ―を大事に想う事態が起きていたのです。


 そういった背景が、この話の裏ではあります。


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