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野村雄―6

 野村雄は、改めて考えざるを得なかった。


 自分個人の幸せ、更にその世界では自分の内妻になったジャンヌ・ダヴ―の祖国フランスへの想い、幸せだけを考えるならば、自分は第一次世界大戦終結後にジャンヌ・ダヴ―の下に奔るべきだったのかも。


 勿論、それは完全に後知恵が入ったことからの判断に過ぎない。

 だが、ジャンヌ・ダヴ―や岸澪、村山愛から聞いた話から考えれば、その通りだった。

(最も、その世界では、過去(?)に戻った岸澪が、男女差別が横行している過去の世界の現実に我慢できず、平塚らいてうらと共闘して女性の権利拡充に奔走したことから、歴史が大いに変わったという事情からすれば、単純には言えない、と自分も考えざるを得ないのだが)


 自分はジャンヌ・ダヴ―の下に奔った末に、フランス外人部隊に入り、更にはフランスに帰化して、フランス陸軍の正規士官になったのだ。

(本来からすればアリエナイ話だったが、第一次世界大戦によるフランスの様々な損害は、深刻極まりないモノで、私をフランス陸軍の正規士官にして当然と言える程の人材不足を引き起こしていたのだ)


 そして、フランス陸軍正規士官として、順調に自分は出世することになり、第二次世界大戦に際しては、フランス陸軍の将軍として多大な戦果を挙げ、名将として名を馳せることになったらしい。

 更には、そういった実績を背景に、インドシナや北アフリカの植民地総督として、自分は赴く事態が起きたのだ。


 そして、インドシナの植民地総督を務めていた際、自分はユニオン・コルスの大首領になっていたレイモン・コティと知り合ったらしい。


(尚、らしいになるのは、それを自分に伝えたジャンヌ・ダヴ―が、詳細を知らなかったからだ。

 ジャンヌに因れば、

「私の行った世界の貴方は、この件については、私に沈黙を保ったの。大方、いわゆる穴兄弟になる仲で仲良くなったのを、私に言いたくなかったからでしょうね」

とのことで。


 自分も、同じ立場だったら、同じことをしただろう、とも考えざるを得なかった)


 更には、レイモン・コティと自分は協調することで、表裏からフランスの植民地の損切りを順調に進めることに成功したのだ。

 そうした果てに、その世界ではフランスは米日に次ぎ、英独を凌ぐ世界第三位の大国の地位を、1970年代に入っても維持しているらしいのだ。


 又、自分はジャンヌとの間に、アランを頭に12人の子宝に恵まれて、全員が成人したのだ。

 この世界のアランは、皮肉なことにフランス陸軍士官として、順調に出世することになったが、自分がフランス植民地の損切りを順調に進めたことから、英雄には成れなかった。


 又、最初の妻のカトリーヌと死別した後、アランは生涯、独身を貫き、寂しい老後を迎えたらしい。

 アランが40代半ばでそんな人生を選択することになるとは。

 本人は、それで良かったのだろうが、そうは言っても、再婚等した方が、アランは幸せだったのでは。

 実際にそれによって、史実(?)ではアランは幸せな老後生活を送っていたのだから、と父としては考えざるを得ない事態が起きていたのだ。


 勿論、これはあくまでも、ジャンヌ・ダヴ―や岸澪、村山愛が赴いた過去、異世界で起きたことに過ぎない話だ。

 だから、更に他に大きなことが起きて、アランが別の女性と知り合い、再婚している世界があってもおかしくはないのだ。


 だが、そう簡単に考えて良いのだろうか。

 少しでも良い方向に自分の周囲を変えていくのが、現実問題としては精一杯なのではないだろうか。

 そう考えて、自分は行動してきたのだが。


 そうした中で自分は気が付いた。

 高木惣吉との親友関係も、ある意味では同じようなモノではないだろうか。

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