第五話『案内』
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ミオに案内されながら、俺はL.A.B.内部を歩く。
施設の中は、病院と軍施設の悪い部分だけを合わせたような空間だった。
壁は白すぎて、光を反射しすぎている。
床には血を拭いた痕跡がうっすらと残っている。
薬品の匂いと、血の鉄臭さが混ざっている。
それでも、ミオの足取りだけはやけに軽い。
「レンくん、こっちが仮配属の区画だからね。
とりあえず今日は休憩──って言っても、ゆっくり寝れないかもだけど。」
「……なんでそんなに普通なんだ、お前」
「へ?普通だよ。
だって、生きてるんでしょ?それって、すごくいいことだよ。」
その言葉は、優しすぎて逆に不安になった。
ふと、背中に冷たい視線が刺さる。
振り向いても、誰もいない。
……はずなのに。
廊下の突き当たり。
白いカートを押した補給係の男が立っていた。
顔は見えない。
だが、腕の識別コードだけが光る。
《MOR-GA》
――さっき俺の名前を笑いながら記録した“観測官”。
カツ、カツ。
ただ立っているだけなのに、“見ている”ことだけがはっきりわかる。
ミオが小さくささやく。
「あの人には、あんまり近づかない方がいいよ」
「なんで」
「……“誰がいつからここにいるのか”知ってる人だから」
ミオの笑顔が、やけにこわばっていた。
「……。なんかされたのか?」
あいつ、口調から思ったがやっぱり変態なんじゃないか?ミオは愛嬌あるほうだと思うからな。
色々と大変そうだな。
そういえば、あいつはいったい何者なんだろうな。
「なあ、あいつは何者なんだ?」
「あ!そうだよね?いきなりだよね?あの人達なんの説明してくれなかった!私の時も!
簡単に言うと、ラボママ?」
「あ?あいつ女なの?」
人は見かけで判断したらよくないなと反省していると、
ミオは笑いながら
「あはは!違うよ!立派な男の人だよ!見た目はね?中身が女の人なの。ラボママはね、乙女なんだよ~。」
「ついでにここでみんな何してるか説明するね。」
ミオが丁寧に教えてくれた。
ここは「devil値」という悪魔かどうか判別する数値が不明だったり怪しい数値のものが入れられる施設だという。血から検査するらしいのだが、数値が高いとより悪魔に近いとのことで粛清されるらしい。
そして悪魔に近いやつ、不明なやつは不思議と身体能力が高かったり何かに秀でていたりするとのこと。
戦闘能力が高いし、悪魔を倒す戦闘員は年々悪魔に殺されて少なくなっているからちょうどいい欠員補充になるね、なんてふざけた理由で悪魔退治、研究等を行っている。
「さっきのユハとライは基本的に戦闘メインでお仕事してて、私は大体サポートって言っても雑用みたいなことずっとしてるかな。ラボママはラボのごはんだったりなんでもやってくれるから自然とラボママって呼ばれてる。威圧感がすごーいあった人いたでしょ?あの人は司令官って言ってここの偉い人だよ!」
「あとね、レン君があってない人が3人いるんだけど、その時に教えるよ!」
えへんとドヤ顔で説明してくれるミオに俺は自然と笑みがこぼれる。
「ありがとな。」
「……っ!レン君って天然たらしでしょ?すごいな、これは女の子ほっとかないわ。」
……?何を言っているのかよくわからないが、とにかく今は情報がほしい。
「ミオ、なんか俺にできることあるか?」
ミオはなんとなく信用できる人間だと思う。ここで暮らすためにいろんな情報が欲しい。ミオから聞けないかと考えた俺はミオと一緒に作業をすることにした。




