1/6
プロローグ
──悪魔がいた。
人の姿をして、人の言葉を話し、
それでも「人」ではないと、世界はそう決めつけた。
街に貼られた警告ポスターには、こう記されている。
《悪魔注意!即座に離れ、通報せよ!》
子どもたちは学校で教わる。
「悪魔はね、涙を流さないの。だから人の心を持ってないのよ」
笑える。
人間のほうが、よほど残酷な目をしているのに。
──それでも世界は、彼らを“悪”と呼んだ。
その呼び方が正しいのかどうかなんて、誰も疑わない。
……ひとりの少年を除いて。
その日、彼は悪魔に家族を殺された。
そして、ラボと呼ばれる治安組織に「保護」された。
彼の名は、蓮。
だが、この時の彼はまだ知らない。
──世界は今、彼から動きだしている。
彼との出会いで世界の歯車が動きはじめた。
これは 正義を名乗った人間たちと、
悪と呼ばれた進化の血の物語だ。
EVOLVE:ROOT
― 神に拒まれたコード ―




