2話
▽
( あれから連絡がかかってこない… 。)
あの日から数日間、待望だったこともあって
学校ではどんどん噂が広がって行ったにも関わらず、
代わりが、提携先になる大学のみ…。
「 他の選手と競合になるかも、ライバルの
青山選手もいるし…。 」
すぐにでも獲得されると思った俺は、
即決でいい返事がくるとは思って、またしても
邪魔が入らないよう、
直接出向いておいたわけだがーー。
( とりあえず、明海大学へ連れてってもらうか…。)
明海大学への出向は、彼女である。美穂が大学
で作るプロチームへの参加を、日本代表の監督から強く勧められていたこともあって一緒だが。
(どうなんだ――?)
俺としても、扱いが悪くなければ微妙にステップアップのような学校だが、
先にいる先輩達が年齢だけで邪魔になる。
2年前と同じような環境じゃなければ、
俺もチカラで敵を消し散らかして、
別のスカウトを呼べるだろうが、上手くいくか?
車内で1人、次の大会にむけての予定など。
もう力を持て余している俺の移籍先としての場所を
どうにか、探さなきゃならないが・・・。
これからの話次第では、作戦が上手くいけば。
微妙に早めに卒業扱いのようになるかもしれない。
△▽△▽△▽
「 ごめんね、こちらのほうからは理由もあれだから、伝えづらかったんだよね。」
日本代表 2 ー 0 オーストラリア代表
「 監督、日本代表の勝利。おめでとう御座います‼︎」
先程、県のトレセンで長いことチームを組んでいた。後輩で弟子扱いしていた。金村渡が日本代表のUー17で活躍したシーンがやっていた…。
( 正直、、どっちが上だかちゃんとわかってんのかよ。)
連絡してくるのが、いい加減遅いと思った連絡先は完全OUT。
39歳のレジェンド相手にポジション負けしたことになっているが、
そんなことは仕方のないことだろう、
こちらのポジションは、DMF【ディフェンシブミッドフィルダー】
日本代表では、なんで未だに呼ばれてねぇのか
不明だが...。
トップ下のポジションで活躍できたらしい。
高校を機に、チームのバランスでアンカーに
変更して以来、むこうの紅白戦ぐらいでしか大した結果は生まなかったものの...。
チームの戦術上、中央よりやや低いラインに位置し、攻撃のパスの中継地点となる。
サッカーでは、非常に頭の使う1番のポジションの1つに考えられていると思うが。
「よっしゃ‼︎やってやろうぜ‼︎」
以前のテレビの内容であるーー。小学5年ときからはもう仲良くしていた間柄の2人が、
当たり前の評価だとはいえ。日本代表入りして活躍していって以降、初の対戦――。
同じ天才でも、美少女MFとして名高い。俺の彼女である渡邉美穂のほうは、
男子マネージャーとして活躍しながらも、練習にも混ざったりしながら、あいつら同様に結果をだしてる。
(今度こそは絶対に負けられねぇ)
チームの主将の座は、実力が過剰のあまり手にすることができなかったが。
中学3年のときの借りを返すときがやってきた。
常盤西中 0 - 2 宮本中
親友の龍と後輩の渡は、俺たち目線じゃ小学4年の頃からの付き合いだが――。
こちらのチームもそこそこにやる気のある
ヤツらだったから見捨てられず。
同じ中学には行かなかったまでも、、
俺等がライバル関係を継続しているというのなら
これで、9年目だろうか?
俺が主将、監督代理として育てたメンバーも5、6人は確定で出場してくることになっているし、
現在、友人であること以外、何の助けにも
ならない奴らでしかないがーー...。
(映画みたいで、すげー盛りあがる!!)
舞台裏を通り抜けては、晴天の気候に
恵まれて太陽の光も気持ちいい!
正直、望んでいたのは2回戦、3回戦も後。
あの日本代表コンビ意外にも、中学の頃から
なかなか上手くなって厄介になったのが2人。
23番若林和幸
8番 安室真也
コイツらは大会を優勝でもしようもんなら、
普通に地方のクラブから
声が掛かっても、
おかしくない線まできている...。
勝ち目が薄い戦いを、ここ国立の競技場でやろうとしている。
ただ、勝ち目はゼロじゃない。
俺のスルーパスには、それだけのカウンターが眠っているはずである...。
「それじゃ、アップでも始めようぜ!!」
恐らく、最後の冬の戦いにむけての準備が今
はじまる...。