1話
俺、空野和也のサッカー人生は結局、
高校を卒業するまでの11年間で幕を閉じた…。
( ーーーーーっっ...。)
初めたのは、小学2年の頃から。
そこのサッカー部でプロを目指し始めたのは、
小学4年のとき...。
あれから9年間ーー。
自分が学校内で最強なんじゃないかって
思ったのがきっかけだった。
(あれ、この競走率なら意外とプロ行けるか…?)
それが、次第とスケールアップしていくなかでも。
最初に出会ったライバルの存在。
高瀬龍…。
小学3年のときに地区のトレセンで出会った。
俺を抜いて日本代表になった男ーー。
親友でもあったが、
それも、もう終わりか... ...。
今の彼女もそうだが。俺達がいる世界はサッカーの
世界だ。
「和也、、お前大学落ちたのかよ。サッカーどうすんだよ?」
(うるせえっっ。。)
両親はどっちみちだが、俺の才能を
父親が遅れて評価したのが原因で離婚した...。
「 あいつがあそこまで優秀に
育ったのは、俺のおかげだからな。」
(はっ... ??)
「 今更和也に興味持つのやめて!わたしが
1人で育てるからもう関わってこないで!! 」
あきらかに行きすぎた
父親の発言が喧嘩の原因となっての離婚ーー。
あのときのあいつには、俺も腹がたったが。
母親だけになってマシだったのは、
ごくわずかな時間だけだった。
努力の邪魔をすることもそうだが、
俺をクラブに入れなかったのが最大の邪魔だった。
どうするか・・・、サッカーが出来ればいいわけ
じゃない。
嫉妬がウザったいとこが無しだ。
あの日、母親が優勝チームのユースからの
誘いを勝手に拒否し続けたことが
俺の人生の最大の失敗だったろうーー。
△▽△▽△▽
流通経済柏高校――。
Aチーム 0-4 Bチーム
日本代表の美穂と親友の龍と地元の強豪校
に進学――。
ようやく訪れた転機...。
サブ組が中心のメンバー。
U-15日本代表の龍とそのライバルの俺を
試すかのようなチーム。
俺たちの実力を認めながらも
椅子から降りよう
としない先輩達との試合は一方的だった...!!
(龍のやつ、本当に本物だなーー。)
本格デビューのきっかけとなる試合だった...。
あきらかにメンバーを平等に分けたような試合で
完全に勝負をひっくり返せて最高に嬉しかった‼︎
(よっしゃ!!)
新監督の元でのデビューだったが、
戦術眼と絶妙なパス....。
これがエース級の龍に並ぶ。
俺の最高の武器で、
2得点1アシストの龍に匹敵するくらいの
守備と攻撃力が発揮できたし。
キーパス2つにミドルシュート1撃。間違いなく
これを活かして、試合を続ければ。
俺だって次のUー17日本代表くらい、
簡単に選ばれることができただろう....。
(はぁぁ... ...。)
「 はっきりいって、居心地悪すぎるし。美穂の説得もきいてないだろ。ここにいたら才能も腐るし、尽くす義理も全くない。」
引いた試合がやりたい監督は、
前監督の口約束に取り合うつもりがなく、
出番を確約されていた先輩達を一蹴...。
不満が波及的に広がり、どちらでもいい派の俺と
微妙に消極的な龍。
どっちつかずの俺たちとは違って、、
こじれた雰囲気は決して。
戻ることはなく......。