転校生と僕
「おい、ごらぁ金出せ金」
「きょ、今日はも持って来てないんですッ。だから渡せるお金はないで、、、」
バンッ、、、!バンバン
今日も僕を殴る音が裏庭に響く。
僕、本宮壮馬はいじめられてる。
金を巻取られ殴られ時には裸にされて、、、。
こんな日々が毎日続くともう慣れっこだ。
(あーあ、早く終わってほしい。いっそこいつらを殺せば、、、、って何を考えてるんだ。そんなの無理に決まってる)
こんなことを毎日思いながら、何も出来ず今日もチャイムが鳴ろうとしていた。
「何してるんだい、君たち」
優しく爽やかな声が僕の耳に微かに聞こえた。
「なんだてめぇ、関係ねーだろ。早くあっち行け。じゃないとお前もこんな風になるぞ笑笑。」
「ちょっと、君!大丈夫かい?」
「あ?お前無視すんなよ」
彼が胸ぐらを掴まれた。
(僕のせいだ。早く彼をこの場から、、、、)
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り僕をいじめてるヤツらは彼の胸ぐらを掴むのをやめた。
「チッ、行こうぜ」
奴らの去り姿がだんだん遠くなって行く。
「あ、あの!あ、ありがとうございました」
「いえ、また僕を頼ってくださいね」
彼はニコッと微笑みながらその場を立ち去った。
教室に入り席に着く。
「はーい、ホームルーム始めますよー。席ついてくださーい」
担任の若く初々しい透き通った綺麗な声が教室に広がる。
「えー、一旦始める前にね、転校生を紹介したいと思いますっ!霧屋くんどうぞっ」
ガラガラガラ
教室の扉がゆっくりと開く。
「皆さんはじめまして。霧屋翔斗です。まだ全然学校の雰囲気も何もかもわかりませんが、よろしくお願いします。仲良くしてくれると嬉しいです」
彼が微笑みながら自己紹介した。
真っ黒なサラサラとした髪。
宝石が入っているかのような綺麗な瞳。
スラッとした体型。
僕を助けてくれた彼だった。