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遮光土偶の夢、売ります

作者: 葉沢敬一

毎週日曜日午後11時にショートショート1、2編投稿中。

Kindle Unlimitedでショートショート集を出版中(葉沢敬一で検索)

最近、夢が取引されるようになった。将来の夢ではなく、寝るときに見る夢だ。レコーダーが普及し、記録して見返すことができるようになった。


そして、その夢の一部をネットにアップし、全体を高値で売る。


コントロールできなかった夢をコントロールできるので、夢見が悪い人に大人気になった。


その夢の値段は夢価と言われる。


僕は奇妙な夢を時々見るので、それを売って副業としている。


今朝は、「巨大な遮光土偶が暴れる夢」を見た。映画よりスペクタクルな感じで、ネットにアップしたら売ってくれと言う注文が殺到した。ホクホク顔でパッケージ化して売り出す。


彼らは日頃夢を見なかったり退屈な夢や悪夢しか見ないんだろうな、と思う。


数日して、苦情の書き込みが大量にあった。


曰く、


「不快。不安感がじんじん迫ってくる夢」


「気持ち悪くて飛び起きた。後味が悪い夢」


「頭痛がおさまらない。夢見者は異常者だろ」


なぜ? 僕は面白い夢だと思ったのに、買った人々は悪夢だと言っている。巨大な土偶が目から光線発しながら暴れるなんて面白いと思うんだがなぁ。実際、サンプル見て面白そうだと思って買ったんだろ。


不思議に思って、その夢を再生にセットして寝たら、土偶が一体だけでなく、何万何十万体も増殖して、踏み潰される夢を見た。


確かにこれは悪夢。なぜそうなったのか、記録アプリの設定を確かめたら、AIの増殖モードがオンになっていてシーンを長くするために個体を増やしていたのが分かった。


最近のアプリは多機能でデフォルトでオンになってるのでこうなったらしい。


苦情を言ってる人には返金しようか迷ったが、正規版に過去評価が高かった夢を付けて送ることにした。


その夢は「巨大な遮光土偶が暴れる夢」ではなく、「巨大な遮光土偶に暴れられる夢」だったのだ。

Kindle Unlimitedの「気軽に読めるショートショート集第4号」に収録

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