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鎧装イリスアームズ ~超次元に咲く百合~  作者: 秋星ヒカル
第二章 愛憎螺旋 編 
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第99話 姉妹終い


 冷たい痛みがあった。

 全身を蝕む鈍痛は気を失い続けることすら許してくれなかった。

 吐き気にも似た息苦しさがこみ上げてきて、最悪の気分のまま目覚めを迎える。

 ガラガラと建造物が崩れ落ちるような音に鼓膜を叩かれ、唯は重すぎる瞼を開けた。


「ぁ……ぐ…………」


 まず視界に飛び込んできたのは、仄暗い空に点々と輝く星々の光である。

 唯はニードル母艦内部の奥深くまで潜り込んでいたはずだが、いつの間に外へ出たのだろうか。

 いや、頭上をよく見れば、屋根のような面影を残す構造物があった。

 ぽっかりと口を(ひら)いているのは天井、つまりニードル母艦の甲板に大きな穴が空いているのだ。

 鋼鉄の甲板はドーム球場の屋根を取り払ったかのように崩落。

 艦内に詰まっていた有機的な素材は砂のように分解され、無数のトンネルの切り口から茶色い土砂が滝となって流れ落ちている。

 さらにそこへ、水の広間から押し寄せた大量の氷雪が合流。

 雪解けを迎えた春山の如く、溶け出した水分は土砂に染み込み、重く黒ずんだ土が接着剤となって瓦礫の山を堰き止めている。

 唯が倒れていたのは、そんな土砂災害の発生現場のような急勾配の斜面であった。


「(まだあの世には行ってない、よね……?)」


 氷の激流に飲まれる最中、全身をすり潰されるような衝撃に何度も襲われた。

 未だに生命活動を継続できているのが信じられず、網膜プロジェクターに視線を彷徨わせる。

 次元障壁残量、8%――――機体に深刻な損傷、緊急ダメージコントロール発動。

 修復開始、エラー、リトライ。

 網膜プロジェクター上では黄色や赤のメッセージが目まぐるしく明滅していた。

 機体の頭から足先まで、異常や警告が無い箇所が見当たらない。

 細かい表示など見ずとも、業炎怒鬼(ゴウエンドキ)が満身創痍であることは明らかだった。

 唯の手足がちぎれていないか心配になり、指先の感覚を確かめようとして、ビキリと噴き上がった激痛に顔をしかめる。

 骨髄を熱湯で茹でられているかのような病的な熱が全身を冒している。

 機体だけでなく、唯の体も凄まじいダメージを負っているのは言うまでもない。

 完全に戦闘不能、それどころか、力を失った鎧は単なる錘となって唯の体を戒めている。

 復旧が終わるまでは立ち上がることすら難しそうだ。

 おまけに炎鬼を司る赤黒剣はどこにも見当たらなかった。

 押し流されている間に手放し、土砂の中に埋もれてしまったのだろうか。

 辛うじて首だけを動かして辺りを見回そうとした時、頭上の星明りがふっと消えた。


 キュオオオォォォ……


 山風の如く吹き下ろす甲高い不協和音。

 瓦礫の谷にゆらりと伸びる大きな影。

 天井の大穴の向こうから、高層ビルのような巨体が覗き込んでいる。

 鉄壁鎧虫ヘルクルモスと呼ばれたその械獣は、初めて見た時から全く変わっていない、無傷壮健の姿を現した。

 オオクワガタを模したさすまたのような二本の大角を見た時、唯は胃を握られるような不安を覚えた。

 巨大な械獣と戦っていたはずの、龍の少女はどうなったのか。


「嶺華さん……どこ……嶺華さんッ…………!」


 械獣に捕捉されていることなど気にならなかった。

 大切な少女の名を叫びながら、重たい鎧を引きずるようにして無理やり動かす。

 全身をガスバーナーで炙られるような痛みは歯を食いしばって耐える。

 なんとか体を捩って起き上がり、手元の岩に寄りかかりながら黒い斜面に視線を巡らせる。

 すると唯の上方、土砂に埋もれた瓦礫の隙間から、キラリと輝くモノが見えた。

 黄金色の長髪であった。


「嶺華さんッ!」


 見間違えであって欲しいと思いながらも呼びかけると、かさりという物音と共に小さな声が返ってくる。


「………………けほっ…………唯、さん……」


 鉄塊の下敷きになった嶺華がゆっくりと顔を上げた。

 額からは赤い血を滴らせている。


「嶺華さんっ!!」


 唯は痛む体に鞭打って斜面を這い上がった。

 ずしりと重い鎧を着込んだ状態での登坂。肺が潰れるような錯覚。

 唯の顔は重量上げでもしているかのように真っ赤だ。

 全身から大粒の汗が噴き出すのも構わず、夢中で黒土に指を食い込ませる。

 ぬかるんだ土砂に足を取られればそのまま滑落してしまいそうだったが、慎重に進もうなどと考える余裕は無かった。

 生身の体に残った搾りかすのような力だけで手足を動かす。

 斜面から飛び出した瓦礫の端を震える手で掴み、鋼鉄の枷に包まれた体を必死に引き上げる。

 僅か数メートルの道のりなのに、断崖絶壁を命綱なしでよじ登るかのような苦行だった。

 ほとんど気力だけで黄金色の長髪の元へと辿り着く。


「ぜぇッ、はぁッ、嶺華さん! 今、助けますから……」


 唯は雷龍の鎧を纏う少女に声をかけ、彼女にのしかかる鉄塊をどかそうとした。

 しかし、アームズの膂力を発揮できない唯の力ではびくともしなかった。

 それどころか、背中と肩に燃え上がるような痛みを感じ、たまらず斜面に倒れ込む。

 無茶を重ねた体が、これ以上は無理だと悲鳴を上げる。

 後追いで引き起こされた過呼吸が気管支を焼いた。


「はぁッ、はぁッ、くそッ……」

「わたくしは、大丈夫……ちょっとヘマをしただけですの。少し休憩すればこんな所、自力で抜け出せますわ」


 瓦礫に挟まれたままの嶺華は弱々しくも微笑んだ。

 外傷はあるものの、嶺華の顔色を見るに命に関わる程の状態ではないようだ。

 唯の業炎怒鬼と同様、駆雷龍機(クライリュウキ)の方も自己修復機能が発動しているのだろう。

 互いに致命傷には至っていないことを察し合うが、安心には程遠い。

 天井の大穴から覗き込むヘルクルモスが何かしてくる前に、嶺華が本題について尋ねてきた。


「妹さんは見つかりましたの?」

「………………見つかりは、しました。でも、」

 

 血を流す少女の問いかけに、唯は言葉を詰まらせる。

 あれだけ妹を助けると大口叩いておいて、こんな危険な場所まで嶺華を連れ回して、得られたものは傷と痛みだけ。

 唯自身ですら状況を飲み込めていない。

 澄んだ瞳で見つめてくる嶺華に対して、何をどう説明したらよいのか。

 唯が口を半開きにしたまま固まっていると、頭上から明るい声が割り込んだ。


「あれぇ? お姉ちゃん、まだそんなに動けたんだ。もっと次元障壁を剥がしきってからぶっ放せば良かったかなぁ」


 二人が伏せる土砂の斜面、その反対側に面する壁の上方。

 トンネルの切り口の奥から歩いてきたのは、氷の仮面を被った騎士であった。

 さらに後ろから、ブブブという耳障りな羽音と共に、一匹のハチ型械獣がホバリングしながらついてくる。


『いいや、初陣にシテは上出来ダ。よくやったな、ドレイク』


 ハチ型械獣から、安物の拡声器を通したようなノイズ混じりの声が発せられる。

 唯が追っていた個体だった。


「ニードル……梓…………」

「まさかあれが唯さんの妹さん、ですの?」

「梓は……ニードルに捕まって、それで…………」


 さすがの嶺華も、双剣を携える未知のアームズ装者の登場に驚きを隠せないようだ。

 ドレイクと呼ばれた白銀の騎士、もとい梓は、浮遊する異形の方へと嬉しそうに振り返った。


「ご主人サマ! 見ててくれたんですね!」

『モチロンだ。インストールしたアクションセットも活用できたようダナ』

「はい! ばっちりです! ご主人サマの言った通り、見事お姉ちゃんを打ち負かすことができました!」


 テストで満点を取ったことを親に自慢するかの如く、上機嫌にはしゃぐ梓。

 ニードルの声も我が子を褒める父親のように温和だ。


『それは素晴らシイ。新しい右眼や体の方は異常無いカ?』

「全然平気! まあ、右手首と左膝にちょっと違和感があるくらいかな」

『アクションセットがマダ体に馴染みきってイナイせいデ、関節を損傷シタだけだろウ。摩耗率が所定値ヲ超えたら交換(・・)してやル』

「やった! 今度は壊れにくい関節にしてね」

『ヒューマノイド型に相応しいアームパーツとアクチュエータを移植シヨウ』


 聞いていて目眩がするような会話だった。

 やはり本来の身体能力、女子高生の運動神経には分不相応な格闘戦闘は、少女の華奢な体にダメージを与えていた。

 そんな梓の怪我を、ニードルはまるで機械の故障のように扱っている。

 親から貰った一品物の、大切な妹の体を好き勝手にもて遊ぶ行為。

 胸に沸々と怒りを湛えた唯は、黒土の斜面に拳を打ち付けながら叫んだ。


「ニードルッ! 今すぐ梓の洗脳を解除しなさい!!」

『洗脳? フッフッフッ……ヒト聞きの悪イ。彼女が力を望んだのダ。オレは彼女の願いを聞き、背中を押してヤッタに過ぎナイ』


 ハチ型械獣はトンネルの口からふわりと飛び出すと、唯の方へと近づいてきた。

 その真上ではヘルクルモスの巨体がそびえ立っていたが、すぐに唯たちに襲いかかる様子はなかった。

 上司であるニードルの戯れを邪魔しないように大人しくしているとでもいうのか。


『ドレイクは深層心理の奥深くマデ、オレたちのネットワークに繋がっタ。彼女の心の底から湧き上がる想イを、オレたちは正確に理解デキル……その上で断言シヨウ。オマエを倒せて喜んでいるのは、紛レもなく彼女の本心ダ』


 まるで梓の保護者になったかのように、偉そうに諭すニードル。

 しかし唯は、妹がハチ型械獣に連れ去られた時に見せた、恐怖に歪んだ表情を忘れてはいない。


「ふざけないで! 梓はあの時、本気で助けを求めていた! なのにこの姿は何? どう見ても操られているでしょうが! 私の可愛い妹を、優しかった梓を返して!!」


 唯が指差す先には、無慈悲で容赦のない暴力を振るった白銀の騎士。

 傍から見れば、人類に害なす機械の獣。

 あどけない笑顔が眩しかった少女の顔立ちは、氷の仮面に覆い隠されていて見えない。


『妹? フッ、そうか、オマエはマダ、ドレイクの家族のつもりナノカ』

「当たり前よ! ドレイクなんて名前じゃない、梓は私の、大切な家族なの!!」

『向コウはそう思ってナイようだぞ』

「うふふ、言ったでしょ、わたしの本当の家族はご主人サマだけ」


 仮面の下から漏れるのは、聞き慣れた声。

 毎朝一緒に食卓を囲み、唯の手料理を美味しいと言ってくれた声。

 けれど、そこには姉のことが大好きな、優しい妹の心があるようには思えなかった。


「違う! 私と梓は血の繋がった本当の姉妹よ! 私たちが家族である事実は生きている限り変わらない!」

『オマエの言う「カゾク」は、たかが遺伝子が似ている個体というだけダ。そんな希薄ナ繋ガリに価値は無い』

「ご主人サマの言う通り。今のお姉ちゃんはもう、わたしの家族じゃないの」

「お願いだから梓! 戻って来て! 私にはあんたが……私の帰りを待っててくれるあんたが必要なの! だから、もう一度私を信じて!」

「あんなに痛めつけたのに、口先だけはいつまでも元気だね。戻って来る? 帰りを待つ? ……いい加減にしてよ。わたしから離れていったのは誰?」

「それ、は」


 後ろめたい所を指摘されて口籠もる唯。

 ニードルの言葉ならば戯言と切り捨てられるが、妹の声で発せられた言葉は無視できない。

 白銀の騎士は冷たく、憎悪を滾らせた声音ではっきりと告げた。


「本当の姉妹っていうのはね、血だけじゃなくて心も繋がっているものなの。

 わたしが辛くて心細い時は、いつでも駆けつけてくれる。

 わたしが泣いている時は、いつもそばにいてくれる。

 それが『お姉ちゃん』の責務だよ。

 それができないオマエ(・・・)は、わたしの本当のお姉ちゃんなんかじゃない!!」


「…………っ、」


 その言葉が、最後のトリガーだった。

 ポキンと。

 唯の中で保っていた、芯のようなものが折れた。

 冷たい氷の刃で喉を裂かれる感覚。

 声の一滴も発することができない。

 凍傷で神経が麻痺したように、指先からスッと熱が引いていく。


 もしかすると、ニードルに捕まるよりも前から既に、梓の本心は唯への憎しみに染まっていたのかもしれない。

 梓はいつだって唯に対する愛を叫んでいた。

 だがその想いは叶わず、やがて憎しみへと転じてしまった。

 原因は紛れもなく、今までの唯の行動によるものだ。

 なにが、妹を愛している、だ。

 梓の気持ちを受け取ることなく突き放しておいて、今度は自分の都合で彼女を救い出そうなどとのたまう。

 なんて身勝手な姉だろう。

 いつも自分のことだけを考えて、梓の気持ちを真面目に考えたことなど一度もなかった。

 梓が本当に自分の意志でニードルの軍門に下ったのだとしたら。

 彼女をそこまで追い詰めてしまったことへの後悔と自己嫌悪。

 妹との繋がりが断ち切られた喪失感で涙が零れる。

 唯は両腕をだらんと下ろし、生気の抜けた顔で俯いた。

 もう二度と、顔を上げることはできない気がした。


 仄暗い星空の下、ハチ型械獣の耳障りな羽音が煽るように響く。

 白銀の騎士は清々しげな沈黙に浸りつつ、双剣の柄に手をかける。

 主であるニードルがあと一言命じるだけで、唯の首を刎ねるだろう。


 だが、その時。

 ノイズ混じりの声が発せられるよりも前に、金属が軋む音が割り込んだ。

 土砂に埋もれていた瓦礫の塊が爆ぜる。

 荒々しく毟り取られた鉄塊が黒い斜面を転がっていく。

 白銀の騎士は双剣を握る力を僅かに強めた。


「どうしたの? 辞世の句を詠む時間くらいはあげてもいいよ」

「………………黙れ」


 紫電が散った。

 怒気に満ちた声の主は、傷心の唯ではない。


「これ以上、唯さんを傷つけるのなら、わたくしが許しませんわ……」


 瓦礫の山を押し退けたのは、雷龍の鎧を纏う少女である。


「わたしの()お姉ちゃんと血すら繋がっていないオマエに、何の許しが必要なのかなぁ?」

「今の唯さんはわたくしの家族ですの。赤の他人(・・・・)である貴方に、どうこう言われる筋合いはございません。わたくしの(・・・・・)唯さんをここまで侮辱するなど……後悔させて差し上げますわ」

「あははっ、冗談は自分の体を鏡で見てから言ってよね」

 

 呆れたように嘲笑う梓の指摘は、嘘でも挑発ですらもない。

 黄金色の少女の体と龍を象る機体は悉くボロボロであった。

 稲妻模様の走る漆黒のドレスは泥に塗れ、玉の肌には無数の擦り傷。

 欠けた右腕の付け根を覆う応急処置的な装甲はヒビ割れ、背中の吸気音は不安定なリズムを掻き鳴らしている。

 それでも、泣きながら蹲る唯を庇うようにして、覇龍院嶺華は立ち上がった。


「わたくしは唯さんを守ると決めましたの」

『最後マデ実験に協力シテくれるという気持ちは、アリガタク受け取ろウ。ダガ残念……先任者ノ分と合わせテ、オマエのデータは既ニ取り尽クシてしまっタ。必要ナラいつでもシミュレーターで再現できるオマエは、ドレイクの試験相手トシテの価値すら無イ』

「負け犬は用済みなんだね。じゃあわたしが、わたしの手で終わらせてあげる……うふ、うふふ、ようやくこの時が来た…………」


 銀の双剣を軽々と振り回し、気味の悪い嬌声を上げる梓。

 ニードルに心を捧げた後も、嶺華への恨みはしっかりと覚えているようだ。

 対して、機械大剣を握りしめる嶺華の左腕は小刻みに震えていた。

 嶺華の言葉が虚勢であることは、唯を含めた誰が聞いても明らかだった。

 ここは無数のハチ械獣たちの巣窟であるニードル母艦。

 頭上にそびえるのは、大質量の巨体で破壊を撒き散らし、駆雷龍機を打ち負かした械獣・ヘルクルモス。

 前方に立ちはだかるのは、双剣と長槍を達人の技で操り、業炎怒鬼を打ち負かしたアームズ・震冥凍騎(シンメイトウキ)

 手負いの嶺華一人が再び挑んだ所で、圧倒的な劣勢は覆らない。


『ココが、オマエたちノ墓場ダ』


 一度撤退しようにも、ニードル母艦は濃密なデンゼル粒子の障壁に覆われている。

 母艦内部でこの障壁を発生させている制御部を見つけて破壊しない限り、空裂を開いて脱出することも、マリザヴェールに連絡して支援を受けることもできない。

 退路はどこにも残されていなかった。


『ヘルクルモス。そして我ラの同胞、ドレイクよ。奴らをスクラップにするノダ!!』


 ついに死刑宣告が発せられた。

 待ちくたびれたとばかりに、甲板上で待機していたヘルクルモスが甲高い雄叫びを上げる。

 前方の白銀の騎士も二本の剣を構え、すぐにでも嶺華へと飛びかからんとしている。

 絶対絶命。

 そんな言葉が似合う状況とは今まさにこの瞬間だろう。

 無気力にへたり込む唯は、龍の少女の背中を呆然と眺めることしかできなかった。

 涙で滲む視界には、黄金色の美髪も、天に瞬く星の光も、眩しすぎた。


「(せめて最期が嶺華さんと一緒なのが、唯一の救いかな……)」


 瓦礫の一部として唯が人生を締めくくろうとした、その刹那だった。


 宙の彼方。

 一等星、煌めいて。

 仄暗い夜空が純白に染まる。

 光が影を塗り潰す。


 異次元空間に浮かぶ小惑星のような巨大構造物・ニードル母艦。

 その船体中枢部は、極太の光の柱に貫かれ、消失した。


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