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獣人と歩む異世界  作者: 佐々木ブルー
第一章 獣人との出会い
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5.恩人と金髪少女

投稿遅れてすみません!

 メルカに着いたが、フリアを助ける方法は分からない。

 いや、一つは分かる。メルカにいる誰かに頼ればフリアを助けることが出来るかもしれない。

 だけど、本当に獣人に対して寛容なのか?

 そんなことを考えているだけで、フリアを助けられそうにない。

 フリアがダークベアの攻撃を受けてから、不安で押しつぶされそうになっていた。

 そんな時、後ろから声をかけられた。


「大丈夫か?」


 声が聞こえた方に振り返ると、40歳ぐらいの男性だった。そこで覚悟を決めて、声を少し荒げて返答する。


「俺は大丈夫だ。それよりフリアを!」


「落ち着け、フリアってのはお前が抱えているその子か?」


 その言葉を聴いて少し落ち着きを取り戻す。


「ああ、そうだ」


「それで、何があったんだ?」


 俺はフリアが獣人であることを隠し、何があったを大まかに伝えた。


「なるほど。それじゃあ、ダークベアは気になるが、それ以上に今はフリアって子を助けないとな、フリアって子を下ろしてくれ」


 男の言葉に従い下ろす。


「アウ オフェリ」


 男はそう言うと男の手から黄緑の光が出る。

 男はその光をフリアに当てると少し驚いた表情になった。


「ん?なあ、このフリアって子は本当にダークベアに殴られたんだよな?」


「嘘をつく意味が無いだろ」


「だよな……だけど、このフリアって子はただ寝ているだけだ」


 その言葉を信じることは出来なかった。

 そりゃそうだろう。誰だって、大怪我を負って意識がないと思っていたのが、ただ寝ていただけ何て言われたら信じることが出来ない。


「そんなことある訳無い。俺はこの目で見たんだ!」


 かなりの大声で言う。

 すると、フリアが目覚めた。

 突然の出来事に驚き、俺は思わずフリアを抱きしめた。


「こ、光太郎さん!恥ずかしいです。離してください!」


 その言葉を聴き、急に恥ずかしくなってきて、少し顔を赤くして離す。


「その反応を見るに、どうやらダークベアに殴られたってのは本当みたいだな」


 さっきのそんなことある訳ないと大声で否定したことを詫びよう。


「さっきは悪かった。フリアがただ寝ているだけってことを信じなくて」


「別にいいさ、焦っていたんだろ?仕方ないさ」


 良い人だ。この町の人はこの人のように良い人が多いのだろうか。獣人に寛容というのは思った以上に信用出来るのかもしれない。


「そうだ、ダークベアとどの辺りで遭遇したんだ?」


「ここから4kmぐらいの草原で遭遇した」


 あまりダークベアに遭遇してからの記憶はないが、白の森から5km程でメルカに着くとフリアは言っていた。そこから考えるとダークベアと遭遇した場所はここから4kmぐらいの草原だろう。 


「そうか。おかしいな、その辺りにダークベアが現れるなんて」


 フリアが言っていたようにこの辺でダークベアが現れるのはおかしなことなのか。


「そういえば、名前をまだ聞いていなかったな。俺はダイコ・ジブルだ。お前は何て名前だ?」


 ダイコ・ジブル、恩人の名前だ。覚えておこう。


「俺は佐々木 光太郎。こっちは……」


「フリア・オフェレです」


「佐々木 光太郎にフリア・オフェレか。よし、覚えた」


 さて、これからどうするか。どこかで泊まるとしたら金がかかるだろうし、野宿か。

 そんなことを考えていると、少女の声がどんどん近づいてきてくる。少女の声がどんどん近づいてくる?おかしい!何が起こっているんだ。考える暇もなくその声は近づいてくる。


「ダーイーコー!」 


 少女の声の主がダイコにぶつかるとダイコは断末魔のような声を漏らす。


「グハア!」


 ダイコは倒れてしまった。


 その少女の行動に驚きつつ、少女の方を見ると容姿はフリアよりかなり幼く、8歳ぐらいに見え、金髪碧眼。と、冷静に分析していると少女はこっちの方を睨む。

 

「お前達誰だあ?」


 少し戸惑いながら答える。


「さ、佐々木 光太郎だ」


「フ、フリア・オフェレです」


「なあ、なあ、こーたろー!」


 そう少女が言うと、ダイゴが立ち上がり、少女を持ち上げた。


「こいつはエルタ・ビルタイ、天才的な魔法の能力があるんだが、落ち着きがなくてな」


「あ!ダイコまた私の悪口言ったあ!またダイコの家にいたずらしてやる!」


 エルタは暴れて、ダイゴから離れるとどこかへ行く。


「くっそ!それじゃあ!」


 そう言うと、ダイコはエルタを追いかけていった。

 俺たちは驚いて顔を見合わせると、フリアが口を開いた。


「私達は野宿の準備でもしますか」


「そうだな」


 ★


 その後、フリアが魔法を使ったり、手伝ったりして火を起こし、座って温まって会話していると、


「私がダークベアに殴られた後、メルカまで運んでくれてありがとうございます」


 にやける顔を隠して言う。


「別に、当然のことをしたまでさ」


「ありがとうございます」


 そこで丁度いいタイミングだと思い、疑問に思っていたことについて尋ねる。


「フリアがダークベアに殴られた時正直こんな風にすぐ会話できるとは思わなかったが、何でか分かるか?」


「んー正直、私も分かりません」


「そうか」


フリアがダークベアに殴られた時のことを思い出し、一つの疑問について尋ねる。


「そういえばフリア、ダークベアが殴った時に知らない獣人がフリアの背後から出てきて、庇っていたように見えるとダークベアが逃げていったんだが、何か心当たりはないか?」


 フリアは少し真剣な顔をして言う。


「その話、本当ですね?」


「ああ、本当だ」


 そうフリアに言うと、フリアは夜空を見上げて小声で言う。


「守っていてくれたんですね、ありがとうございます」


「フリア?」


「いえ、何でもないです。あと、心当たりはありますよ」


 心当たりがあるのか。あれは魔法的なやつなのだろうか。


「その心当たりってのは?」


「それについて答えるには私の過去から話す必要があります」


 そう言うと、フリアは自分の過去について語り出した。


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