19.希望の光
光太郎さんの声が聞こえると、私は押されて、その場から離れた。
私が元々いた場所を見ると、光太郎さんが倒れている。
どうして?
私は光太郎さんが私を庇って自分を犠牲にしたことに気付いた。
「何でそんなに私のことを……」
ああ、私の光となった人は皆どこかへいってしまう。
お母さん、お父さん、スオリさん、そして、光太郎さん。
皆どこかへいってしまう。
私はもう獣人と人間が共存できる世界にするなんてできない。
「諦めては駄目だフリア!」
どこからかスオリさんのような声が聞こえてくる。
ああ、これが走馬灯なんだ。
ごめんなさい。
もう魔力がないんです。
夢を叶えられそうにないんです。
「私の知っているフリアはそんな奴じゃなかった!」
でも、光太郎さんも私ももう……。
「フリア、頑張って!ずっと応援しているよ!」
ごめんね、お母さん。
もう何もできないんだ。
「フリア、諦めてはいけない」
お父さんの声だ。
ごめんなさい、今そっちに行きます。
「駄目だ、まだ来てはいけない。全てやることを果たしてからだ」
そんなことできないよ、お父さん。
「フリア、言っていたよな獣人と人間が共存できる世界にするって!」
光太郎さん!
いや、そんな訳ないか。
光太郎さんは私の目の前で倒れている。
ただの幻だ。
「俺はその夢を叶えて欲しいんだ!」
でも、もう!
「フリアにはまだできることがあるはずだ!」
まだできること?
「ああ、俺達をフリアが信じてくれるならできるはずだ!」
スオリさん、お母さん、お父さんそして、光太郎さんを信じている。
そして、スオリさん、お母さん、お父さん、光太郎さんの皆が私を信じてくれている。
でも、期待に答えられそうにないよ。
「俺の知っているフリアは人間がどんなことをしても獣人と人間との共存という夢が叶えられそうになかった時も、立ち上がることができていた」
そうだ、こんなところで止まっていたら、今までの自分、そして、皆の気持ちを裏切ることになる。
「俺は信じているぞ。獣人と人間が共存できるそんな世界になることを」
皆が信じているから諦めない。
諦めてはいけない。
ああ、魔力が、光の力が溢れてくる。
ありがとう、皆。
これなら戦える。
「「フリア!」」
皆が同時に私に言う。
私は何をしていたんだろう。
もうやることは決まっている。
「ウオオオオオオオ!」
私がそう叫ぶと、私を中心に光が生じる。
そして、光が生じている間に、お母さんの記憶、お父さんの記憶、スオリさんの記憶、光太郎さんの記憶が流れ込んでくるのを感じた。
「何だあの光、大きいぞ!」
「あの嬢ちゃん、雰囲気が変わったぞ!」
「アエ オア ライキ ガイ!」
私は光の剣を出し、ブルードラゴンに斬りかかる。
「ブルウウウ!」
ブルードラゴンは紫色の血を出すと、少し離れ、ブルードラゴンは私に向かって突進してきた。
さっきまでの私だったらこの突進を食らっていただろう。
だけど、今の私なら、こんな攻撃、私には通用しない。
私はブルードラゴンが近くまで突進してくると、ブルードラゴンの頭を殴った。
「ブルウウウ!」
ブルードラゴンは殴られると、突進をやめ、空へ飛んだ。
今までの光の力では空を飛んでいるブルードラゴンに大きなダメージを与えられるような技を使うことが出来なかったが、今は違う。
「アエ オア ライボウ ガイ!」
光の弓と光の矢が現れる。
私はその弓と矢を使い、空中にいるブルードラゴンを射る。
光の力が溢れてきてから、様々な力が大幅に上がっていたため、ブルードラゴンを射るのは容易かった。
「ブルウウウ!」
ブルードラゴンは光の矢が刺さると、空から降りてきて、私に炎を吐いてきた。
光太郎さんはこの炎の攻撃が効かなかったが、私に効かないかは分からない。
私はブルードラゴンが炎の避け、光の弓を引き、ブルードラゴンに的中させた。
「ブルウウウ!」
ブルードラゴンはそう叫ぶと、炎を吐きながら暴れ出した。
このままではブルードラゴンの炎の攻撃に当たってしまう人が出てきてしまう。
光太郎さんのように炎の攻撃を食らっても無傷な人なんてほとんどいないだろう。
何とか守らなければ。
そう思い、私は唱える。
「アエ オア オフェロ ガイ!」
私は大きな光の盾を出し、その炎の攻撃から全員を守った。
しかし、その光の盾を出すと同時に意識が朦朧としてきていることに気付いた。
おそらく、この状態はもう長くは続けられない。
このまま同じように戦っていたら、ブルードラゴンを倒す前に私が倒れてしまうかもしれない。
だから、次の技でブルードラゴンを倒そう。
「いける、いけるぞ、やっちまえ嬢ちゃん!」
「アエ オア キズナ!」
私がそう唱えると、光の粒が複数現れた。
今まで使ったことがない技だけど、何故か使い方が分かる。
私はその光の粒を1箇所に集めると、その光の粒の全てブルードラゴンにぶつけた。
「ブルウウウウウウウウ!」
ブルードラゴンは私の攻撃を受けると、倒れ、動かなくなった。
「やり……ましたよ……」
大技を使ったからか、どんどん力が抜けていき、私はその場に倒れた。
「大丈夫か嬢ちゃん!」
「早く回復魔法を!誰か回復魔法を使える者はいないか!」
「あいつも運んでくれ!庇ってから意識が戻っていない!」
町の人たちの声が聞こえてくる。
誰か、光太郎さんを助けて下さい。
そう願うと同時に私は目を閉じた。
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