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獣人と歩む異世界  作者: 佐々木ブルー
第一章 獣人との出会い
13/43

13.とあるマッチョと謎の剣と出会いの予感

 確かに、この町には獣人が受け入れられているが、まだフリア以外の獣人を見つけていなかった。


「会って何をしたいんだ?」


「色んな話を聞きたいです」


 獣人と人間の共存の為にも、情報は必要だろう。

 良い機会だ。


「探す為に聞き込みから始めたいのですがどうでしょうか?」


 特にいい方法は思い浮かばない。

 聞き込みで良いだろう。


「それで良いと思うぞ。俺はあっちの方に行くから、フリアはあっちで聞き込みをする。そして、30分後ぐらいに成果があったか、魔法道具店前で話そう」


「分かりました。では」


 フリアは近くの人に尋ね始めた。

 さて、俺もするか。

 丁度、1人の男性が目に止まった。

 この人に聞こう。


「すいません、ちょっといいですか」


「はい、いいですよ。何ですか」


「この町に、知っている獣人はいませんか?」


「この町の獣人?見たことはあるけど、知り合いにはいないなあ」


 やっぱり、そう簡単に獣人が知り合いにいる人は見つからないか。


「そうですか。ありがとうございます」


「何で探しているのかは分からないけど、頑張ってね」


 男性にお辞儀する。

 そして、近くにいた1人の青年に声をかけた。


「すいません、ちょっといいですか」


「全然、いいっすよ」


「この町に、知っている獣人はいませんか?」


「知っている獣人はいないっすね。あ、でも、ギルドで何度か獣人を見たっすよ」


 獣人の冒険者がフリアの他にもいるなら会えそうだ。


「ありがとうございます」


 ギルドに聞き込みが終わったら行ってみるか。

 まだ昼だし、多分間に合う。

 ただ、今は聞き込みに集中しよう。

 そんなことを考えていると視界に冒険者らしきマッチョの男が目に入った。

 冒険者なら、知り合いに冒険者の獣人がいるかもしれない。

 尋ねてみよう。


「すいません、ちょっといいですか」


「アアン?」


 あ、これ話しかけちゃダメなタイプだ。

 この場から早く離れよう。


「す、すみません。それでは……」


「おいちょっと待て、結構イイ体してんじゃねえか」


 何だこいつ。


「こっちで遊ぼうぜ」


 マッチョの男はゆっくりとこっちに近づいてくる。

 怖い、怖い。

 この変態の考えてることがよく分からない。

 でも、逃げないといけないことは分かる。

 

「すいません!」


 そう叫んで立ち去る。


 ★


 しばらく逃げると、俺は走るのをやめた。

 こんなに走ったのはケルノ村の時以来だと思う。


「それにしても何だったんだ。あのマッチョ」


 思わず声をもらす。

 ひょうたんから駒ということわざがあるが、今の俺には聞き込みから変態マッチョの方があっている。

 今まで、危機感を感じたことは何度かあったが、今まで感じたことのない危機感を感じた。

 そんなことを思っていると、結構時間が経ったことに気付いた。

 そろそろ魔法道具店へ行こう。

 もう少し聞くこともできるだろうが、逃げた時の疲れから走れなさそうだ。

 ゆっくりと歩いて魔法道具店へ行くなら、今ぐらいが丁度良い筈だ。


 ★


 そうして、魔法道具店に着くと、既にフリアが立っていた。


「私の方は特に良い情報は得られませんでした」


 やっぱり獣人は少ないのだろうか。


「光太郎さんは?」


「俺は、ギルドで見たってぐらいだな」


 ギルドの方に行ってみる価値は少しはあるだろう。

 フリアにギルドへ再び行くことを提案してみよう。


「なあフリア、ギルドの方には人が多いし、またギルドの方に行ってみないか」


「行きましょうか」


 そして、俺たちはギルドに向かった。


 ★


 ギルドに着くと、受付の人に呼ばれた。

 心当たりはない。


「フリアさんに光太郎さん、あちらの席でお待ち下さい」


「ギルドマスター!例の人来ましたよ」


「どうして、俺たちを呼んだんだ?」

  

「ギルドマスターのエプロ・アオルさんに貴方が来たら知らせてほしいと言われていたんです」


 ギルドマスターが俺たちを呼んだのか。

 何か伝え忘れでもあったのだろうか。


「丁度いいところに来たね」


「いやあ、起きてから過去の文献を読んでいると水晶が反応しなかった者への対処方法が書いてあるのを見つけてね。それによるとこの剣を渡すみたいなんだよね」


 そうして渡されたのは何の変哲もない剣とそれを腰に装着するためのベルトだった。


「一回持ち上げてくれ」


 持ち上げるが、何も起きない。


「もしかしたら、光ったり、伸びたりするかもと思ったけどそんなことないみたいだね」


 まあ、異世界だからといって、アニメみたいな展開にはならないだろう。


「とりあえず、持っておいて。それ、かなり頑丈だから、壊れることはあまりないと思うよ」


 そう言われたので、ベルトをつけ、剣をベルトに装着させた。


「そういえば、今日はなんで来たの?」


 そうだ、ここへ来た目的から話がそれていた。


「この町のフリア以外の獣人を探しに来たんだ」


「この町の獣人なら知ってるよ」


 ギルドマスターが知っているということは、やはり冒険者だろうか。


「本当ですか!」


 フリアは大きな声で言う。

 フリアの声に俺は少し驚く。


「う、うん、本当だよ」


 その獣人は一体どこにいるのだろう。

 そもそも、ギルドマスターはどこにいるか知っているのだろうか。

 まあ、聞いてみたら分かることだ。


「で、その知り合いの獣人は今どこにいるんだ?」


「今はオークの討伐クエストを受けているよ」


「いつも15時にクエストを受けに来るから、明日の15時前ぐらいに来たらきっと会えるよ」


 一体、どんな人だろうか。

 俺は色んな気持ちを抱え、少しの不安と期待を膨らませた。


読んでいただけただけで嬉しいですが、ブックマーク、評価、感想、レビューしていただけたらもっと喜びます!


あと、「佐々木ブルー@小説家になろう」でツイッターやってます!

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