「主婦之友」昭和20年6月号まとめ
あくまでこの雑誌に何が書かれていたかのデータ。
詳細は後に足すかもしれないです。
裏表紙の「敵の謀略に騙されるな」は興味深かったので全文掲載。
※基本現代仮名遣い・漢字とする。
※サイズはA5.
ページ数
1.表紙
・「昭和二十年六月一日発行(昭和二十年五月六日印刷納本)」
「主婦之友第二十九巻第六号(毎月一回一日発行)大正六年二月十四日第三種郵便可)
・更紙
・一色刷り
・「本土決戦 勝利の防衛生活」
・野外で働くもんぺ姿の女性
タイトル「-」
2 「地下に闘う女子挺身隊」画 寺内万治郎
3上右 「皇国護持」(弟橘媛命御肖像) 画 伊原宇三郎
3上左 「日本婦道の美」 高村光太郎
3下 巻頭言 「勝利の母と妻 日本の勝利は母と妻に俟つ!」
以下三段組
4-6 本土防衛の生活 (大本営報道部 陸軍中佐 親泊朝省)
・沖縄県民の闘魂
・女子こそ新戦力新兵器
・三つの餞け
7-10前2/3、30下1/3 特別攻撃隊勇士の妻の手記 強き絆は強き勢を生ず
・おい貴様
・出撃前夜
・南の空へ
・強き絆は
10後1/3-13 戦災家庭の生活建設 灰燼の中に立ち上る人々
・町の潜水艦
・瓦礫の中に明るい一家
14-17 特別攻撃隊員揺籃の基地 女子挺身隊班長の手記(石早昭子)
17下1/3半分 国債広告
18-23 小説 一号倶楽部(獅子文六 画 木下孝則)
24-271/2 大人子供 伝染病の予防と看護 腸チフス・赤痢・疫痢(築田多吉)
・腸チフス
・赤痢
・疫痢
・梅肉エキスの製法
271/2 うた日記(石川武美)
以下四段組
28-30 家庭の食料自給 第二集 夏野菜の作り方
(東京都戦時農園班 班長 技師 山本実)
・春菊・不断草
・三寸人参・葉牛蒡
・時無大根
・葉葱
・玉蜀黍
・胡麻
・唐辛子
31-33 (衣類の更正)
・男女開襟シャツの更正仕立
・油紙や渋紙や有布の利用で頭巾つき雨合羽の作り方
32-33下1/4 「何糞!」怒った応徴士/国債の広告
34上2/4 投稿欄/短歌・俳句
34下2/4 編集日記・家庭愛国機献納資金募集・読者奉仕部相談室案・奥付
35 罹災家庭のための 生活用品の工夫/奥付
・鍋の穴ふさぎ
・包丁の焼きいれ再生
・空缶の利用法色々
・防蚊覆面
以下五段組
36(裏表紙)敵の謀略に騙されるな(憲兵司令部指導)(画 吉澤簾三郎)
敵は、徹底的本土爆撃に加え、更に思想謀略によつてわが防衛態勢を破壊しようとしている。
・敵の放送を聞いたら直ちにスイッチを切れ。
甘い感傷的な音楽が嫋嫋と聞えてくる。それがプツッと切れたと思うと、『アメリカは日本国民を敵としない、降参すれば幸福な生活を保証する。』というような文句が電波に乗って来る――
敵はきっとこういう手を使います。馬鹿な……と笑い去っても、度重なればつい耳を傾けるようになって来る。そうなったら完全に敵の術中に陥っているのです。
警報が発令されて、敵機は逐次本土に近づきつつあるという防空情報がほんの今あったのに、突然『空襲警報解除』という放送が聞える。無判断にそれを信じたら防空態勢はめちゃめちゃです。
その日の番組以外のものが突然入って来たり、放送順番が違ったり、聞き慣れぬ放送員の声だったりして敵側の放送だと疑われたら、直ちにスイッチを切ること。聞いたら負けです。
・宣伝ビラに目をくれるな、人に話すな。
敵機は九州でも大阪でも千葉にも宣伝ビラを撒いた。十円札の模様の裏に、生活物資の窮乏につけ込んで軍への中傷を書き立てたもの、表は日の丸で裏に和平宣伝を印刷したものや、病人、死人が折り重なって倒れている図に、戦災者を絶望させるような文句を入れたもの。また『まこと』という敵の手で編集された新聞もある。敵米国の生産力の大きさを誇張したり、一方アメリカにのとって不利な事実も発表し、いかにも日本の新聞のように見せかけている。
敵はこれらによって、軍民離間や和平思想を植えつけようとするのです。拾ったらすぐ届け出ること。内容も人に告げぬこと。国法で罰せられます。
・敵機の落としたものを拾うと危険。
敵は飛行機から玩具や万年筆のや時計の形をした爆弾を落したり、病菌を塗ったものを落すかも知れぬ。
子供には、道に落ちているものは絶対に拾わぬよう、平常からよくよく言い聞かせておくこと。うっかり手を触れて大怪我をしたり、生命まで失ってから騒いでも後の祭りです。
・落下した生活必需品に釣られるな。
敵は物資の乏しいところへつけ入って、タオルや石鹸、煙草、菓子類など、無害でそのまま役立つ生活必需品を投下する こともある咽喉から手が出そうなものでも、敵のものなど一指も触れぬ潔癖な心構えが肝要。ただ利用するだけのつもりが、いつの間にか感謝に変り、厭戦へ和平へと敢闘精神を鈍らせる因になります。、
・謀略は常に新手で来る。
日本人に変装した者が、落下傘や舟艇で人知れず本土にまぎれ込み、偵察をやったり、鉄道や工場を爆破したり、また井戸に毒物を入れたりするようなことも予想されます。敵は何をしでかすかも知れぬ。怪しい人がいるときはすぐ届け出ること。
・謀略に勝ち抜くには――
敵が狙うのはわれわれの心の隙です。弱気ヤ好奇心や、恐怖感です。いかなる悪条件にあっても、敵の甘言に乗せられるような心の隙を作ってはなりません。ぐらぐらせぬ信念、あくまで戦い抜く精神、これ以外に敵の謀略を撃退する武器はないでしょう。
六月七月のカレンダーと回覧用判子マス
「主婦之友はできるだけ多くの方で御回覧願います」
ページ上の一言
5 本土を米鬼の墓場とせん!
7 恨み重なる米鬼を殺せ!
13 この仇きっと討つぞ!
17 恨み重なる米鬼を殺せ!
19 本土を米鬼の墓場とせん!
25 頑張るのは今だ!
29 アメリカ兵を生かして帰すな!
31 本土を米鬼の墓場とせん!
33 頑張るのは今だ!