まゆちゃんと看護学生
前のページからの続きです。
『よつ葉ちゃん、キラキラなんだよ』
まゆちゃんが、今から私に見せてくれるものはキラキラしているらしい。
『楽しみだね。キラキラしてて綺麗なの?』
まゆちゃんに話を振ってみる。
『うん! キラキラなの』
力強く返事をする、まゆちゃんが逞しく見えた。大きな窓のところに案内された看護学生。
『よつ葉ちゃん、ここだよ』
と大きな窓を指をさして教えてくれる、まゆちゃん。
まゆちゃんに気づかれないように時間を確認する看護学生。約束の時間は守らなくてはいけないし今、この瞬間も体調を気にしてあげていないといけない。でも、それをまゆちゃんに気づかれないようにしなくてはいけない。
私に、まゆちゃんのお気に入りのキラキラな場所を教えてくれて見せてくれようとした優しさを無駄にしないように心がける。
まゆちゃんと手を繋いで大きな窓から外を眺める。
『キラキラだね』
と満面の笑みで私に伝えてくれる、まゆちゃんに
『わぁ、キラキラして綺麗だね』
感動を伝えると、まゆちゃんはちょっぴり自慢気な顔で
『うん』
って嬉しそうに笑ってくれた。特に何かを話さなくても繋いだ手から温もりを感じとる。私は、まゆちゃんに何をしてあげられるのだろう?
こっそり時計を確認する。ここに来てから8分。そろそろ病室に戻らなければいけない。
『まゆちゃん、綺麗なキラキラを見せてくれたお礼に病室で、まゆちゃんの好きな絵本を読んであげようか?』
さりげなく病室に戻るように声かけをする。するとまゆちゃんは意外にも素直に
『アナ雪読んで』
可愛らしい笑顔を私に向けてくれる
『それじゃ、お部屋に戻ってアナ雪読もうね』
と話し、手を繋いで病室にもどる。病室に戻りベッドへ寝かせて、検温と脈拍を確認する。横で見ていて下さった看護師さんが頷いてくれました。
私にできることで、まゆちゃんに必要なことを行っただけ。看護学生でできることは少ないかも知れないが、まゆちゃんの心に寄り添って看護をしたいと思っていました。
約束通りアナ雪の本を読み聞かせしていると半分まで読む頃には、すっかり夢の中にいたまゆちゃん。
看護学生の勉強用の「看護実習記録」と病院の「看護記録」に詳しく記入をしておく。
そしてぐっすり眠っている、まゆちゃんに「元気になあれ」と呟く看護学生
小児科病棟の子供達に、ふれあい学ぶ事が多くありました。辛い治療や苦しい事も多々ある日々の中でも、笑顔を忘れず明るく前向きな子供たち。
半日の実習でしたが、色々な事を学ばさせていただけました。
長期入院を余儀なくしている子供達
毎日辛い治療を頑張っている子供達
早く、元気になあ~れ。