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1.MDOデビュー

見切り発車の新作です。

のんびり書きたいので更新頻度は悪いです。


私は土倉花つちくらはな

高校2年生。彼氏居ない歴=年齢17歳。

体格はガリガリ。別にダイエットしている訳ではない。

食費を削ってゲームを買う、普通のゲームおたくである。


県外の親に仕送りしてもらい、高校の近くのアパートで独り暮らしをしている。

それだけでは贅沢できないので、小遣いかせぎに週2ほどバイトを入れている。

学校には、家庭の経済事情のため、という言いわけで通しているから問題ない。


で、そんな私のことはどうでもいい。

高校から帰り、自宅のベッドで転がっていると、ようやくとあるネトゲのインストールが完了した。


アメリカで大流行し、日本でもサービス開始したオンラインゲーム。

その名も『メニィ・ダンジョンズ・オンライン』。通称MDO。


最近になり、ようやく意識フルダイブ型VRヘッドセットの生産が安定し価格が落ち着いた。

それに伴い意識フルダイブ型VRオンラインゲームが流行り出した。

多くの無名のオンラインゲーが生まれそして消えていった。


そんな競争社会を生き残った、アメリカ産のVRオンラインゲームMDO。

基本プレイ無料。もちろん課金あり、だ。


βテストが終了し、本日正式版が配信開始。

βテストまでのデータは削除されるため、正式版から始める人に不利は無い。

いよいよゲームスタートだ。


私を含む日本中のゲーマーが、今日という日を待ちわびたはずだ。

それほど、このゲームに皆期待している。


さあ、御託は終わりだ。

さっそくヘッドセットを被り、MDOを開始しよう。


ゲーム開始。


データの読み込みが終わり、視界は黒一色から、星が見える宇宙空間へ。

そして、プレイヤー設定画面と表示された板が現れる。


『あなたのプレイヤー名を登録してください』


ゲームで名前を決定するとき、私はよく他のゲームのキャラ名をパク……参考にする。

名前はソフィアで決定だ。


『ソフィアでよろしいですか?』


はい。


『ソフィアさんの容姿を決定してください』


金髪ツインテールのエルフっぽい長耳女にしてみた。


『ソフィアさんのダンジョンをランダムで作成中です……』


そう。このゲームのプレイヤーは、各自1つのダンジョンを所有する。


ダンジョンとは、巨大な迷宮であったり塔であったり森であったり……説明が面倒だ。

でも共通点として、お宝があり、罠があり、魔獣が居て、ボスが居る。


ゲームの目的の1つは、自分のダンジョンを作り、他のプレイヤーから評価されること。

他人の評価は10段階あり、平均評価が高いほど良いダンジョンということになる。

もちろん相互評価は固く禁止されていて、公式が独自の監視スタッフを配置している。

監視スタッフが禁止行為をしていると言えば、本人達が何と言おうと一定期間プレイ禁止、アカウント停止など罰を受ける。

ま、悪いことをするなってことだ。


そしてゲーム目的その2、他人のダンジョンを探索し評価すること。

探索で得たアイテムや素材などは、自分が持ち帰っても良いことになっている。

魔獣の素材、アイテムはダンジョンごとに異なるため、アイテムコレクションも楽しい。


何よりこのゲーム、プレイヤーによるオリジナル魔獣やアイテムの募集をしている。

それらは専用フォーラムに投稿することになっていて、厳正な審査を経て公式で採用される。

採用されない物は、せいぜい年齢制限にかかるような物くらいで、3歳児のらくがき程度の物でも採用される。

ま、そのフォーラムに投稿するためにも課金が必要なのだけれど。


そして、プレイヤーオリジナル魔獣やアイテムは、評価対象でもある。

評価が高く良い物は、公式おすすめマークまで付く。

ゲーム内マネーで購入可能で、購入すると、制作者に価格の2割が届く。

まあ価格は公式がゲームバランスを崩さないような価格にしている。

つまり強い魔獣や効果が良いアイテムは高い。


あと何があったかな?

ダンジョンバトルやガチャ、公式イベント、それと……ええい、面倒くさい。

ゲームしながらチェックすれば良いや。



『ソフィアさんのダンジョンが自動作成されました。

ダンジョン最奥地まで転送します』



◇ ◇ ◇ ◇



鍾乳洞のような洞窟だ。

辺りは暗いが、所々に光る石があり、淡い光を放つ。


そして、水の流れる音と、湿っぽい香りがする。

近くに小川が流れている。

川にはぷよぷよした丸いボール状の水袋っぽい魔獣、スライムが跳ねている。


初期ダンジョンは完全ランダムで、与えられるダンジョンの傾向や配置、初期魔獣はランダム。

私の初期魔獣はスライム。いいねぇ。

もちろんドラ○エに出てくるような雑魚ではない。

物理無効、強酸持ち、というかなりやっかいな魔獣だ。


――――――――――――――――――――――――

ダンジョン名:未設定

ダンジョン傾向:水の洞窟

ダンジョン階層数:5

ダンジョン内魔獣:1

ダンジョン階層ボス:0

所持:0DP

――――――――――――――――――――――――


システムメッセージが表示された。

DPってのは、ゲーム内マネーのことだ。


――――――――――――――――――――――――

毎日ログインボーナス:+500DP

所持:0DP→500DP

――――――――――――――――――――――――


ログインボーナスおいしいです。

ちなみに課金レートは10DP=1円。

私? 課金厨ですが何か?


あと、ゲームを開始すると、10日間の初心者保護期間が与えられる。

保護期間の間は、他人からダンジョンを荒らされることはない。

その間に、ダンジョンを完成させ、侵入者を迎え撃つのだ。


日本サバには基本日本人しか居ないはずだから、今日から10日間は全員初心者保護期間となる。

つまり、他所のダンジョンに侵入することが出来ない。


その代わり、公式が用意したダンジョンに入ることは出来る。

ダンジョンで冒険がしたい人は、そちらに行くといい。


ダンジョン名を『スライム天国』に変更し、ゲーム中断。

ヘッドセットを脱ぐ。


そして、おもむろにパソコンを起動し、ウェ○マネー1万円分を自分のアカウントにぶち込む。

今日のために、コツコツとバイトしたのだ。

海外勢が楽しんでいる実況動画を見て、ようやく自分の番がやって来たのだ。

出し惜しみはしない。それが私のモットー。


再びヘッドセットを被り、ゲーム開始。


――――――――――――――――――――――――

課金(1万円):+100,000DP

所持:500DP→100,500DP

――――――――――――――――――――――――


課金が無事に反映され、ホッとする。

さて、遊ぶぞー。



◇ ◇ ◇ ◇


本日の結果。

所持:100,500DP


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