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深夜の真剣短編一本勝負  作者: 凪狐うどん
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テーマ 目が覚めたら美少女になってて戸惑ってる人で遊ぶ人

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目が覚めたら美少女になってて戸惑ってる人で遊ぶ人


 

 これは、俺の弟の話だ。そして今現在進行形で起きている話でもある。


 弟は昔から不思議な体験をしている。


 分かりやすい例えとして学校。高校に入りたての頃はどの生徒も環境の違いに少なからずは戸惑う事だろう。更に言えば、入学前の段階、朝起きた時でも戸惑いがある事だろう。


 だがしかし、弟はそれがなかった。


 俺も正直目を疑った。


 何故なら、弟は高校の環境に戸惑うよりも、自身が女体化していた方の衝撃が大きかったからだ。


 髪はストレートで肩どころか腰まで伸びており、目鼻立ちはくっきりとしている。

 胸は目測でCカップといったところか。背丈は男だった時から大体10センチぐらい縮んでいるだろうか。お陰で着る服はなくダボダボで、少し前屈みになっただけで胸が見える。


 弟……いや、妹よ。いくら何でもそれは現高2の俺にはハードルが高いぞ。さっきから流れ出す鼻血を止めるのに必死だからな。


「どうしよう。かなで、僕、なんか変な事になっちゃってるよぉ……」


「俺はお前のその状態を見て変な事をしちゃいそうだよ!」


 些か変態な気もするが、しかしこれが事実だ。悲しい事にな。


「僕、こんな状態で居たらおかしくなっちゃいそうなんだよ!? 奏だって少しは僕の事をキチンと見てくれたっていいじゃん」


「悪い、うた。俺だってお前を見ていたらおかしくなっちゃいそうだからな」


「うっ、奏が変態だー……」


 すまない、唄よ。でも俺はこれでも結構理性と戦っているんだ。


 こんな時に親でも居れば少しは別なんだろうけど、生憎と両親共に海外に居る。正確に言うと帰ってくるところだが、少なくとも奏か入学式に参加しているタイミングで高校に着くといったところだろう。


 ……いや、何も両親だけが頼りな訳じゃない!


 俺は急いでスマホを取り出して、このような非日常に何故か適応力のある友人を呼び出す。


 そして数分と掛からずにソイツはやって来た。


「ヤッホー。実鑑みかがみ兄弟。いや、今は違うか」


 茶髪のポニテに勝ち気でつり上がった目付き。口を開けば周りが錯乱、口を閉じれば台風一過。

 東雲しののめ 杏子その人が我が家に来た。


「先生、こちらへ」


「うむ」


 東雲は基本的に周りに被害をもたらすが、こうして俺がボケると即座に対応するアドリブ力を持ち合わせている。

 そのため、憎めない奴だと言う事で何気にみんなから高い支持を得ている。


「おまたせ。東雲を呼んできた」


「おおー、実に可愛らしいな。唄クンよ」


 可愛らしいのは同意するが、その両手のおかしな動きを止めなさい。


「じゃあ、早速唄クンを心までしっかり女の子にしてあげるよ」


「えっ、東雲先輩? ちょっ、やめてくださ……ひぁ!?」


 東雲が両手で唄の脇腹をこちょこちょする。


 唄は体が女体化した副作用か。酷くくすぐったがりで、顔を赤らめ涙目となっている。


 それが約10分ぐらい続いた。朝から凄い喘ぎ声である。


 ……近所の皆さんごめんなさい。でも奏を楽にするための処置なんです!


 唄ははぁはぁと息を切らし、目の焦点が定まって居ない様子だ。


 はたして今の一連の流れに一体何の意味があったのかは不明だが、施術を受けている唄の様子はとてもエロかった。


「さて、じゃあ次はっと」


 東雲が持ってきた鞄から鏡を取り出す。


 何かなっと思っていたら東雲は徐に俺に見せてくる。


「えっ……? どういう事?」


 そこには唄と胸を除いて瓜二つの姿があった。


「まあ、そう言う事だ」


 東雲が突如ニヤッとイヤらしい笑みを浮かべる。


「奏、いい声でないてよね?」


 その後俺は東雲にひたすらくすぐられ、息を吹き替えした奏にまで無茶苦茶にされた。


 そして途中から、もうなんにも考えられなくなっていった。





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